請求書カード払いとは？仕組みやメリット・デメリット、サービスの選び方までまるっと解説

請求書カード払いとは、BtoB取引において、取引先からの請求書をクレジットカードで決済できるサービスのことです。「手元の資金が一時的に不足し、外注費や仕入れ費用の支払いが遅れそう」「急な支払いが発生した」「キャッシュフローを改善したい」といった課題を抱える事業者さまにとって、有効な解決策となるでしょう。

本記事では、請求書カード払いの基本的な仕組みからメリット・デメリット、従来の請求書払いとの違い、サービスの選び方まで、詳しく解説します。請求書カード払いを検討中の事業者さまは、ぜひ参考にしてください。

請求書カード払いは、取引先の請求書の支払いをクレジットカードで行えるサービス

請求書カード払いは、BtoBの取引において、取引先から送られてくる請求書の支払いを、クレジットカードで決済できるサービスです。

通常、クレジットカードでの支払いに対応していない取引先であっても、請求書カード払いのサービスを利用すれば、クレジットカード決済が可能になります。

請求書カード払いの仕組み

請求書カード払いは、サービス提供会社が事業者さまと取引先の間に入る形で行われます。請求書カード払いの仕組みは、以下のとおりです。

請求書カード払いの仕組み

具体的には、以下のような流れで決済が行われます。

＜請求書カード払いの流れ＞

1. 1. 取引先が、事業者さまに請求書を送付する
2. 2. 事業者さまが、サービス提供会社のシステムに請求書情報を入力する
3. 3. 事業者さまが、「請求書の金額＋サービス手数料」をクレジットカード決済で支払う
4. 4. サービス提供会社が、取引先に銀行振込で入金を行う（立替払い）
5. 5. クレジットカード会社が、事業者さまの口座から引き落としを行う

請求書カード払いを利用すれば、振込人名が指定でき、取引先にはあくまで銀行振込として入金されるため、事業者さまがクレジットカード決済を利用しているのを知られることはありません。

請求書カード払いと通常の請求書払いの違い

通常の請求書払いでは、取引先から届いた請求書に基づき、銀行振込によって支払いを行う場合が多くあります。一方、請求書カード払いでは、サービス提供会社を通じて請求書の支払いをクレジットカード決済で行うことが可能です。これにより、実際の支払いをクレジットカードの引き落とし日まで先延ばしできるだけでなく、クレジットカードによっては利用額に応じてポイントが貯まるといったメリットも享受できます。

取引先がクレジットカード決済に対応していない場合でも、サービス提供会社を通じてクレジットカード決済ができる点が、請求書カード払いと通常の請求書払いの大きな違いです。

請求書カード払いのメリット

請求書カード払いを利用すると、さまざまなメリットが得られます。主なメリットは以下のとおりです。

資金繰りがしやすくなる

請求書カード払いの最大のメリットは、資金繰りがしやすくなることです。銀行振込で支払う場合は、請求書の期日までに現金を用意する必要がありますが、請求書カード払いならクレジットカード決済となるため、実際の支払いをクレジットカードの引き落とし日まで先延ばしできます。

これにより、手元資金に余裕が生まれ、急な出費や新たな投資にも対応しやすくなります。資金繰りの柔軟性が高まり、戦略的な資金運用が可能になるでしょう。

請求書の支払いを一元管理できる

請求書カード払いを利用することで、複数の取引先から届く請求書の支払いをクレジットカード決済に一本化できます。これにより、支払い情報が一元管理でき、経理業務の効率化も可能です。

また、クレジットカード会社の明細で支払い履歴が確認できるため、帳簿の照合作業もスムーズになります。経費精算や税務処理の手間も削減できるため、バックオフィスの負担軽減にもつながるでしょう。

銀行融資よりもハードルが低い

銀行融資よりも利用のハードルが低いことも、請求書カード払いのメリットです。銀行融資は、審査を受けるための書類の準備や、審査そのものにも時間がかかります。
これに対して請求書カード払いは、お手持ちのクレジットカードがあれば、審査は早ければ即日完了し、申し込みの当日から利用可能です。特に、スタートアップや小規模事業者にとって心強い選択肢となるでしょう。

請求書カード払いのデメリット

請求書カード払いには、さまざまなメリットがある一方、デメリットもいくつかあります。ここでは、請求書カード払いのデメリットについて見ていきましょう。

利用限度額を超える支払いができない

請求書カード払いは、当然ながらクレジットカードの利用限度額の範囲内でしか支払いができません。高額の支払いを行いたくても、利用限度額を超えてしまうと決済ができないため、別の決済手段を検討する必要があります。

そのような場合は、事前にクレジットカード会社に利用限度額の引き上げを申し込んだり、複数のクレジットカードを利用したりするといった方法を検討しましょう。

手数料が発生する

請求書カード払いを利用する際には、サービス提供会社に数％程度の手数料を支払う必要があります。請求書カード払いにはクレジットカードのポイントが付与される場合があるものの、手数料率はポイント還元率を上回るケースも多いため、コストを意識することが大切です。

取引や商品によっては利用できない

請求書カード払いは、利用できない取引や商品があることもデメリットです。例えば、借金の返済や事業に関わらない私的な支払いにはクレジットカード決済が利用できません。

請求書カード払いが利用できる請求書は、サービス提供会社によって異なります。請求書カード払いの利用を検討する際には、サービス提供会社のWebサイトなどを確認しましょう。

個人事業主は利用できないケースがある

請求書カード払いは法人向けに特化されており、個人事業主は申し込みができないケースがあります。

サービス提供会社によっては、請求書カード払いの申し込み時に法人番号の入力が必須です。そのような場合は、個人事業主は利用できません。
また、個人名義のクレジットカードでは対応できないサービスもあるため、注意が必要です。

請求書カード払いの申し込みの流れ

続いては、一般的な請求書カード払いの申し込みの流れを解説します。申し込みの流れはサービス提供会社によって異なる場合があるため、詳細はサービス提供会社のWebサイトなどでご確認ください。

1. Webサイトから登録の申し込みを行う

まずは、サービス提供会社のWebサイトにアクセスし、登録フォームから申し込みを行います。

会社情報や代表者情報、電話番号、所在地、クレジットカード情報などを入力するのが一般的です。手続きをスムーズに進めるためにも、必要な情報はあらかじめ用意しましょう。

2. 本人確認と審査が行われる

申し込みが完了すると、所定の審査が行われる場合があります。審査では、本人確認や事業内容などの確認が行われます。

審査にかかる期間はサービス提供会社によって異なりますが、早ければ即日、長くても数営業日程度で完了するでしょう。

3. 審査が完了したら利用開始

審査が完了すると、請求書カード払いが利用可能になります。

前述のとおり、請求書カード払いでは、クレジットカードの引き落とし日に利用額が事業者さまの口座から引き落とされる仕組みとなっています。利用金額と引き落とし日を把握するだけでなく、利用限度額を超えていないかも確認することが大切です。

請求書カード払いのサービス提供会社の選び方

前述のとおり、請求書カード払いを利用するには、サービス提供会社への申し込みといった所定の手続きを行う必要があります。ここでは、請求書カード払いのサービス提供会社の選び方について見ていきましょう。

会社としての信頼性で選ぶ

サービス提供会社は、会社としての信頼性で選ぶのがおすすめです。

例えば、上場企業や大手企業のグループ会社は、規模の小さな会社に比べて倒産などによるサービス停止の不安は一般的に少ないといえます。そのような会社であれば、安心して利用できるでしょう。

手数料で選ぶ

支払い金額に対する手数料も、請求書カード払いのサービス提供会社を選ぶ際のポイントです。

手数料は支払いのたびに発生するため、手数料率のわずかな違いが手数料の大きな差となります。請求書カード払いを利用する際には手数料をしっかり確認することが大切です。

対応可能なクレジットカードの種類で選ぶ

請求書カード払いのサービス提供会社を選ぶ際には、対応可能なクレジットカードの種類にも注目しましょう。

どのクレジットカードに対応しているかは、サービス提供会社によって異なります。また、サービス提供会社の中には、法人カード限定としているところもあれば、個人名義のクレジットカードを利用できるところもあります。
お手持ちのクレジットカードに対応しているかを事前に確認してから、サービスを申し込むようにしてください。

請求書カード払いの税務上の取り扱いに関する注意点

インボイス制度において仕入税額控除を受けるためには、適格請求書（インボイス）の保管が必要です。クレジットカードの利用明細書では適格請求書の記載要件を満たさないため、取引先から受け取った適格請求書を適切に保管しましょう。

SBPS請求書カード払いが選ばれる理由

請求書カード払いの利用をお考えの事業者さまは、ぜひSBペイメントサービスが提供している「SBPS請求書カード払い」をご検討ください。当社はソフトバンクグループの一員である安心感と初期・月額費用無料に加え手数料が3％^※1という利用しやすさがあり 、取引先への振り込みは最短即日で行うことができます。
また、主要なクレジットカードブランドに対応^※2しており、個人事業主も利用可能ですので、多くの事業者さまが安心してご利用可能です。

※1　掲載の費用は2025年10月時点のものです。
※2　2025年10月現在、国際ブランドはJCBのみ対応し、Visa、Mastercardは年内の対応を予定しています。

よくあるご質問

Q.

請求書カード払いとは？

A.

請求書カード払いとは、取引先からの請求書の支払いをお手持ちのクレジットカードで決済できるサービスのことです。取引先がクレジットカード決済に対応していなくても、サービス提供会社を通じてクレジットカード決済ができ、取引先には銀行振込で支払いが行われます。

Q.

請求書カード払いのメリットは？

A.

請求書カード払いの最大のメリットは、クレジットカード決済により実際の支払いをクレジットカードの引き落とし日まで先延ばしすることで、資金繰りがしやすくなる点です。加えて、請求書の支払いを一元管理できる、銀行融資よりもハードルが低い、クレジットカードによってはポイントが貯まるといった点もメリットといえるでしょう。

Q.

請求書カード払いは手数料がかかる？

A.

請求書カード払いの利用には、一定の手数料がかかります。手数料率は数％で、サービス提供会社により違いがあります。請求書カード払いを始める前に確認するといいでしょう。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。