ソフトバンク傘下の決済代行大手であるSBペイメントサービス(SBPS)は、旧ソニーグループの決済代行事業者であるSP.LINKS(エスピーリンクス)の子会社化に向けた手続きを進めていくと発表した。これによって、国内の決済代行市場の勢力図が大きく変わりそうだ。SBペイメントサービスの代表取締役 社長執行役員 兼 CISOの堀田智宣氏によると、SP.LINKSと双方の強みを結集させて国内トップクラスの決済プラットフォームを形成する狙いがあるとしている。子会社化の狙いと今後の展開を聞いた。
オンライン向け決済
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目次
強みの結集で国内トップクラスの決済プラットフォームへ
旧ソニー系のSP.LINKSの子会社化を進める最大の狙いはどこにあるのか?
最大のポイントは、強みの結集だ。SP.LINKSは、決済代行事業に加えて、日本で数社のみとなるカードデータ処理センター事業を展開している。非対面業界で唯一、大手カード会社16社とダイレクトに接続するクレジットカード決済ネットワークを有している。
さらに、ソニーグループのDNAを受け継ぎ、デジタルコンテンツや動画配信などの業界に強力な加盟店基盤がある。それに対して当社は、決済代行事業に加え、アクワイアリング事業やB2B金融サービスを提供しており、さらに国際的な決済ネットワークも持っている。2025年に提携したEU・アジア圏で決済機能を提供してきた実績の高いNomupay(ノムペイ)をはじめ、豊富な基盤がある。
今回の連携により、SP.LINKSの決済基盤へ当社のグローバル決済ソリューションを組み込むことも検討していく考えもある。
アニメなど、さまざまなコンテンツホルダーをはじめとする国内外加盟店の海外進出を、強力に後押しすると同時に、海外ユーザーの購買需要を一括で取り込む体制を構築していく。
法改正を見据えた「新免税制度」への対応と資金移動インフラ
2026年11月施行の新免税制度(リファンド方式)に向け、スマートテクノロジーズ&リソーシーズ(スマテク) と提携した新サービスを発表したが、この狙いは?
法制度の改定により、店頭での即時免税から出国時の"事後還付型"へと移行する。店舗側には確実な取引保全と迅速な還付対応が求められる。
そこで、スマテクの免税還付申請プラットフォームである「JPrefund(ジェイピーリファンド)」と当社の送金サービスを連携させた。国内の免税システムとして初となる「リファンド方式への移行を見据えた、免税システムとのデータ連携からキャッシュレス返金までを一体で支援するサービス」の提供を開始した。
新制度では、免税店が免税代行業者に返金業務を委託する場合、返金方法によっては資金決済法や銀行法に基づく登録等が必要となる。当社は資金移動業者として、その送金基盤を活用してキャッシュレスでの返金を支援する。
当社の資金移動インフラを提供することにより、店舗側は現金のやり取りなしで各種カードや海外向けウォレットへ還付を行える。混乱が予想される店舗オペレーションの負担を大幅に軽減し、訪日客の利便性向上とインバウンド消費の活性化を支えていく。
経営トップ主導の「セキュリティー防衛」と「エージェンティックコマース」時代へ
セキュリティー対策と、AI時代における今後の価値提供についてはどう考えるか?
AIの普及で攻撃側のスピードが進化しているのに対し、当社も開発や防御機構を強化している。私自身が代表取締役 社長執行役員とCISOを兼務しており、トップ主導で加盟店とその先の消費者の安全性を担保する姿勢を明確にしている。
「EC決済協議会」を通じ、競合である決済代行各社とも、セキュリティーのノウハウや脅威情報を共有する、協調と競争を両立している。業界全体で安全性を高めることが、決済市場の拡大にもつながると考えている。
中長期的には、AIが人間に代わり商品の検索・推薦を行い、購買を完結させる「エージェンティックコマース」の時代が到来する。
AI向けのECサイトや、AIが判別しやすい仕組みなど、従来の人間向けECとは異なる決済プロトコルが求められていくだろう。ソフトバンクグループのAI技術とも連携し、次世代の安全な決済基盤を構築する。
スタートアップや中小事業者の支援には、どのようなサービスを展開するか?
スタートアップや中小事業者は常に資金繰りに課題を抱えやすい。
当社では「SBPS請求書カード払い」をはじめ、アイ・ティ・リアライズと連携して「SBPS BizCRECO」や「加盟店サポートローン」など、キャッシュフローの改善や可視化を支援するB2B金融サービスを提供している。
「SBPS請求書カード払い」は現在、手数料割引キャンペーンを行って利用拡大を図っている。
従来の決済機能だけでなく、「SBPS請求書カード払い」のように、支払いを後ろ倒しにできる仕組みを提供すれば、事業者の資金繰りを直接支える重要な事業の柱の1つになり得ると考えている。
今後の目標と展望を聞きたい。
国内市場でのシェア拡大はもちろん、加盟店のグローバル支援や免税制度改正対応など解決力を磨き、将来はアジア市場で信頼される総合金融・コマースプラットフォームとしての地位を確立したい。
※2026年8月27日の日本ネット経済新聞に掲載された内容です。
記載されている情報は、掲載時点の内容のため、予告なしに変更される可能性があります。



