代引き手数料とは?代金引換の利用率やメリット・デメリットも解説

代引き手数料は、多くの宅配事業者が提供する代金引換の手数料です。代金引換は着払いとどのような違いがあり、どの程度利用されているのでしょうか。また、EC事業者さまが代金引換を導入する際には、どのような手続きが必要なのでしょうか。

本記事では、代引き手数料の概要や代金引換の利用率のほか、メリット・デメリットについて解説します。また、EC事業者さまが代金引換を行う流れについてもご紹介しますので、参考にしてください。

目次

代引き手数料とは、代金引換で商品を受け取った際の手数料のこと

代引き手数料とは、代金引換で商品を受け取った際に必要となる手数料のことです。代金引換は、商品を届けた際に代金を回収する仕組みで、「代引き」と呼ばれることもあります。郵便局をはじめとする、多くの宅配事業者が提供しているサービスです。

お客さまは商品を受け取る際、商品の代金に加え、送料と代引き手数料を支払います。商品の代金と送料は、決済代行会社がEC事業者さまに、指定の期日・頻度で入金します。一方、代引き手数料は、商品の代金を管理する決済代行会社に支払われる仕組みです。
なお、代引き手数料は、お客さまが負担する場合が一般的ですが、EC事業者さまが負担することでお客さまにとってのハードルを下げることもできます。

代金引換と着払いの違い

代金引換と着払いは、商品到着時に支払うお金が違います。代金引換では、商品代金、送料、代引き手数料をまとめて支払います。一方、着払いは送料のみを商品到着時に支払い、商品代金は別のタイミングで決済されるのが一般的です。
どちらも、商品到着時にお金を支払う点では共通していますが、支払い内容が異なることを覚えておくことが大切です。

代金引換の利用率

当社が2024年に実施したアンケートでは、物販においてよく利用する決済手段に代金引換と回答したお客さまは、男女共に約6%でした。

物販においてよく利用する決済手段

よく利用する決済手段

出典:SBペイメントサービス株式会社「【2024年度版】5回目となる決済手段のEC利用実態調査結果を公開」(2024年7月)

クレジットカード決済やQRコード決済といった手段の普及に伴い、代金引換の利用率は減少傾向にあります。

それでもなお、代金引換を選ぶお客さまが一定数存在する理由は、その手軽さや安心感にあります。特に、クレジットカード情報を登録することに不安を感じるお客さまにとって、代金引換は有効な選択肢といえるでしょう。

お客さまが代金引換を行うメリット

お客さまが代金引換を行うことには、さまざまなメリットがあります。主なメリットは以下のとおりです。

クレジットカード情報の漏えいを防げる

代金引換を利用するお客さまにとっての最大のメリットは、クレジットカード情報を提供する必要がない点です。オンラインショッピングを利用するお客さまのなかには、セキュリティの問題でカード情報の登録を避けたいと考える方が少なくありません。その点、代金引換なら情報漏えいの心配がなく、不正利用の心配もないため、安心して利用できます。
当社の2024年のアンケートでも、代金引換の利用理由について、「一番安心して使えるから」といった回答がありました。

商品の到着後にお支払いができる

商品の到着後にお支払いができることも、代金引換を行うメリットです。代金引換は、商品が届いてから支払いを行う仕組みであり、お客さまにとっては、商品の到着を確認してから支払えるという安心感があります。
当社の2024年のアンケートでも、「受け取るときに払えるので手間がかからないから」といった回答がありました。この安心感は、初めて利用するECサイトなどで安心して取引をしたい方にとって、特に大きなメリットです。

出典:SBペイメントサービス株式会社「2024年版 ネットショップで物品を購入する際の決済手段に関する調査」(2024年7月)

お客さまが代金引換を行うデメリット

お客さまが代金引換を行うことには、デメリットもあります。主なデメリットは以下のとおりです。

代引き手数料がかかる

代金引換を利用する際には、商品代金と送料に加え、代引き手数料を支払う必要があります。この手数料は、お客さまにとって負担と感じられることが少なくありません。決済手段を選ぶ際に、代金引換を避ける要因となることもあります。

商品を直接受け取る必要がある

商品を直接受け取る必要があることも、代金引換のデメリットです。代金引換は、配達員から商品を直接受け取る形で取引が完了します。そのため、外出の多い方や、忙しい方にとっては不便と感じられる場合があります。また、再配達を依頼する手間が発生することもデメリットです。

現金の準備が必要な場合がある

代金引換は、商品の受け取り時に現金が必要となる場合があります。クレジットカード決済などが利用できる場合もありますが、利用できない場合、現金の準備が必要であることがお客さまにとって面倒に感じられるかもしれません。

EC事業者さまが代金引換を行うメリット

代金引換を導入することは、EC事業者さまにとっても多くのメリットをもたらします。主なメリットは以下のとおりです。

販売機会を増やせる

代金引換を導入すると、販売機会を増やすことができます。クレジットカードを保有していないお客さまや、ほかの決済手段を利用しづらいお客さまも、代金引換であれば情報漏えいのリスク等がないため安心して利用できるからです。その結果、顧客層が広がり、販売機会が増加するとともに、売上拡大が期待できます。

カゴ落ちのリスクを減らせる

カゴ落ちのリスクを減らせることも、EC事業者さまが代金引換を行うメリットです。カゴ落ちは、EC事業者さまが直面する大きな課題のひとつ。例えば、購入手続きを進める過程での決済手段の選択時に、クレジットカード情報の入力が必要な場合、情報漏えいの不安や手間がかかるなどの理由から、購入を取りやめることがあります。
しかし、代金引換にはそういったデメリットがないため、より多くのお客さまに購入してもらえる可能性があります。

請求作業の負担を減らせる

代金引換を行うと、EC事業者さまは請求作業の負担を減らせます。代金引換は、配達時にお客さまから代金を回収する仕組みであるため、納品後の請求書作成・送付は必要ありません。
特に、未払いのリスクが低減されるため、安定したキャッシュフローの確保にもつながります。

EC事業者さまが代金引換を行うデメリット

EC事業者さまが代金引換を行うことには、デメリットもあります。主なデメリットは以下のとおりです。

代引き手数料がかかる

代金引換を行うと、EC事業者さまは商品代金を管理する決済代行会社に手数料を支払う必要があります。この手数料は、EC事業者さまの利益率に影響を与える可能性があります。そのため、導入を検討する際には、代引き手数料の支払いも含めて、収益構造をしっかりと見直すことが重要です。

お客さまの情報を入手しにくい

お客さまの情報を入手しにくいことも、代金引換のデメリットです。代金引換では、クレジットカード情報を登録しなくても利用できるといった理由から、お客さまは商品購入の際に会員登録をしないケースが少なくありません。
会員情報がないと、マーケティングや顧客分析に必要なデータが得られず、商品の開発・改善がしにくくなる可能性があります。

商品を受け取ってもらえないことがある

代金引換は、商品を受け取ってもらえないことがある点もデメリットです。代金引換の仕組み上、商品配達時にお客さまが不在であったり、受け取りを拒否されたりするケースが発生する可能性があります。配送コストや返送コストが無駄になるリスクが伴う点には注意が必要です。

EC事業者さまが代金引換を行う流れ

EC事業者さまが代金引換を導入するには、いくつかの手続きが必要です。以下に、一般的な流れを解説します。

1. 決済代行会社にサービスを申し込む

代金引換を利用するためには、まず決済代行会社に申し込む必要があります。その際は、宅配事業者との契約や口座情報の登録などの手続きも必要です。
なお、このサービスは法人を対象としていることが多いため、事前に条件を確認することが重要です。

2. 代金引換用ラベルに必要事項を記載

次に、代金引換用ラベルに必要事項を記載します。記載内容には、代金引換額や受取口座情報などが含まれます。これらの情報が正確でないと、決済がスムーズに行えない可能性があるため注意が必要です。

3. 宅配事業者に依頼

最後に、商品を宅配事業者に引き渡します。配達員がお客さまに商品を届け、代金を回収します。その後、回収された代金はEC事業者さまの口座に振り込まれます。代金が振り込まれたかの確認を忘れないようにしてください。

代引き手数料を理解し、適切な決済手段を選ぼう

代金引換には、お客さまやEC事業者さまにとってさまざまなメリットがある一方で、お客さま側に手数料がかかるといったデメリットも存在します。現状、代金引換の利用率は決済手段全体の約6%なのに対して、クレジットカード決済の利用率は65%以上です※。この結果から、お客さまの手数料がかからない決済手段のほうがお客さまから一般的に好まれ、多く利用される傾向があります。
※出典:SBペイメントサービス株式会社「2024年版 ネットショップで物品を購入する際の決済手段に関する調査」(2024年7月)

これらを踏まえると、決済手段を導入する際には、まずはお客さまの利用率が高いクレジットカード決済などの導入を優先し、その後代金引換の導入を検討するのがおすすめです。お客さまのニーズや購買動向に合わせて最適な決済手段を選択することで、売上向上や顧客満足度の向上につなげることができるでしょう。
SBペイメントサービスでは、クレジットカード決済やNP後払いなど、さまざまな決済手段を提供しています。決済代行会社の利用をご検討の際は、ぜひSBペイメントサービスにご相談ください。

よくあるご質問

Q.
代引き手数料とは?
A.
代引き手数料とは、代金引換で商品を受け取る際に支払う手数料のことです。この手数料は、お客さまが負担する場合が一般的ですが、EC事業者さまが負担することでお客さまにとってのハードルを下げる工夫も可能です。具体的な金額は、配送業者や決済代行会社によって異なります。
Q.
代金引換のメリットは?
A.
代金引換のお客さまにとってのメリットは、クレジットカード情報を登録する必要がないこと、商品の到着後にお支払いができることなどです。EC事業者さまにとっては、「販売機会を増やせる」「カゴ落ちのリスクを減らせる」「請求作業の負担を減らせる」といったメリットがあります。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

監修者情報

SBペイメントサービス編集部

SBペイメントサービスはソフトバンクグループの一員として決済事業を担い、2004年に設立以降、幅広い業界の事業者さまに決済システムの導入を行っている。
当社のコラムでは、決済分野だけでなく、ECサイト運営やビジネスに役立つ情報を継続的に事業者さまに発信している。

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