指定日に金融機関の口座から自動的に代金を引き落とす口座振替は、利用者さまによる支払い忘れを未然に防止するための決済方法として広く活用されています。オンライン口座振替(Web口座振替)も、口座振替の手段のひとつです。
今回は、オンライン口座振替を導入するメリット・デメリットや、具体的な導入方法についてわかりやすく解説いたします。事業者さま・利用者さまの双方にとってのメリット・デメリットを把握したうえ、オンライン口座振替を導入すべきか検討する際にお役立てください。
目次
オンライン口座振替(Web口座振替)とは?
オンライン口座振替(Web口座振替)とは、口座振替をオンラインで行える仕組みを指します。継続して利用しているサービスなどの料金の引き落としが、オンラインで完結する点が大きな特徴です。
口座振替はオンラインだけでなく紙でも申し込むことができます。紙で申し込む場合は、申込書を取り寄せて必要事項を記載し、押印したうえで郵送する必要があります。申込書の郵送から口座振替の開始までの期間は1~2ヵ月程度です。
なお、口座振替は、あらかじめ登録した金融機関の口座から指定日に自動で代金を引き落とす仕組みのことをいいます。利用者さまは毎月のように支払い手続きをする必要がないため、事業者さまにとっても以下のようなメリットがあります。
<口座振替のメリット>
- ・サービス利用の継続率アップ
- ・未払いリスクの低減
- ・クレジットカードを保有していない利用者さまも利用できる
- ・手数料を抑えられる
また、口座振替は、以下のようなものの支払いに用いられることが多いでしょう。
<口座振替が用いられているものの例>
- ・公共料金
- ・各種サービスの会費・継続課金
- ・サプリ・健康食品の代金
- ・インターネット料金
- ・税金
- ・保険料
- ・学校・学習塾の費用
- ・介護・病院の費用
- ・家賃
オンライン口座振替を導入するメリット
事業者さまが、オンライン口座振替の導入によって得られる代表的なメリットは、以下の3点です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
コストが削減できる
オンライン口座振替の申込みを受け付ける際には、書類のやりとりや処理といった作業が発生しません。一連の手続きをオンラインで完結できることから、コストを削減できる点が大きなメリットです。
具体的には、書類の印刷・封入にかかる費用や郵送費のほか、これらの事務作業にかかる人件費についても節減できます。中長期的に見た場合、大きなコスト削減につながることも少なくありません。
差し戻しや再申請の手間がなくなる
オンライン口座振替を導入することで、書類の差し戻しや再申請の手続きに伴う手間が大幅に軽減されます。利用者さまに口座振替申込書などを郵送する場合、記入漏れや印鑑相違といった不備が発生するケースは決して珍しくありません。不備があった場合、書類を返送して修正してもらう必要があります。こうしたやりとりには手間と時間がかかるだけでなく、利用者さまにとっては口座振替の設定時期が遅れる原因にもなりがちです。
オンライン口座振替であれば、申込みを受け付ける時点で必要事項の入力漏れや入力事項の誤りを画面上に表示し、その場で訂正してもらえます。紙の書類で発生していた差し戻しや再申請が不要になることは、事業者さま・利用者さまの双方にとって大きなメリットです。
書類よりも早く口座振替を開始できる
オンライン口座振替では、紙ベースの書類をやりとりする場合と比べて口座振替を早期に開始できるというメリットもあります。口座振替の設定が完了するまでの期間、代替手段として振込用紙を郵送する必要がなくなります。事業者さまにとっても、より確実に代金を引き落とせる決済方法といえるでしょう。
書類の郵送によって口座振替の申請を受け付ける従来の方法では、口座振替の開始まで1~2ヵ月程度を要するのが一般的でした。手続き完了までに期間を要することは、利用者さまの離脱や未払い発生のリスク要因となりえます。よりスピーディーに口座振替の設定が完了するオンライン口座振替であれば、こうしたリスクを回避することが可能です。
オンライン口座振替を導入するデメリット
オンライン口座振替には多くのメリットがある反面、デメリットとなりうる面もあります。発生しやすい事象として挙げられるのが、利用者さまによる設定の誤りです。入力事項の誤りや口座情報の入力ミスなどによって設定に不備があった場合、口座振替が正常に行われないことが想定されます。
このような場合、事業者さま側から利用者さまへ連絡し、設定をし直してもらう必要があります。もしくは、事業者さま側で設定内容の変更処理を行うことになるため、確認や連絡のための人件費が必要になるでしょう。
利用者さまがオンライン口座振替を利用するメリット
オンライン口座振替の導入による利用者さまのメリットは以下のとおりです。それぞれについて詳しく解説いたします。
いつでもどこでも申込みができる
オンライン口座振替の申込み手続きは、インターネット環境さえあればいつでもどこでも行うことができます。自宅にいながら手続きを進めるのはもちろんのこと、外出先や移動中など、空き時間を活用して手軽に申込みができることは、利用者さまにとって大きなメリットのひとつです。
インターネットを利用せず口座振替を開始する際には、口座振替申込書を郵送または窓口で提出する必要があります。こうした手続きに、わずらわしさを感じる方もいるでしょう。口座振替の利用を促進したい場合には、決済方法のひとつとしてオンライン口座振替を用意しておくのが得策です。
簡単に申請できる
スマートフォンやPCから簡単に申請手続きを行えることも、オンライン口座振替のメリットです。申込み画面の手順に沿って必要事項を入力し、送信するだけでオンライン口座振替の申請手続きが完了します。金融機関届出印を押印する必要もないことから、手続きにかかる手間や時間を削減可能です。
書面で手続きを進める場合、口座振替依頼書を手書きで作成したうえで、金融機関届出印を押印しなくてはなりません。書き損じや記入漏れ、印鑑相違などによる再申請が発生する可能性があるため、場合によっては何度も対応しなくてはならないというデメリットがありました。
こうした手間と時間を削減し、簡単に申請手続きを終えられることは、オンライン口座振替のメリットといえます。
書面で申し込むより早く登録できる
申込み手続き完了後、登録の処理が迅速に進むこともオンライン口座振替のメリットのひとつです。登録手続きが完了すれば、基本的にはすぐに口座振替が始まります。口座振替の設定が完了するまでタイムラグが発生しないため、設定完了までの期間に金融機関やコンビニで振込用紙による支払い手続きを行うといった手間も発生しません。
書面による申込み手続きの場合、口座振替の設定が完了するまでに一定の期間がかかるのが一般的です。実際に口座振替が始まるのは、申込みの翌月~翌々月以降になることから、しばらくは振込用紙による支払い手続きをしなくてはなりません。
こうしたわずらわしさを感じることなく、すぐに口座振替を利用できるようになることは、利用者さまにとってオンライン口座振替を活用するメリットといえます。
利用者さまがオンライン口座振替を利用するデメリット
オンライン口座振替は利用者さまにとって多くのメリットがある反面、デメリットとなりえる面もあります。特に注意が必要となるのが、口座振替を申し込む際の設定ミスです。口座情報の入力時に誤りがあった場合、口座振替の手続きが正常に完了しない恐れがあります。このようなケースでは、申込先事業者に登録内容の修正を依頼するか、オンライン口座振替の申請手続きを再度行わなくてはなりません。
口座振替の申込みを窓口で行った場合、金融機関の担当者に記入内容を確認してもらえます。もし記入事項に漏れや誤りがあったとしても、その場で指摘してもらい、修正すれば問題ありません。
こうした対面での確認が行われないことは、オンライン口座振替を利用するデメリットといえます。
オンライン口座振替の導入方法
事業者さまがオンライン口座振替を導入するには、収納代行機関または決済代行会社との契約が必要です。金融機関と直接契約することも可能ですが、オンライン口座振替を導入したい金融機関ごとに個別に契約手続きを行わなくてはなりません。
複数の金融機関に対応可能なオンライン口座振替の仕組みを導入するとなると、事業者さまにとって大きな負担となりがちです。収納代行機関や決済代行会社と契約することにより、複数の金融機関で利用可能なオンライン口座振替の仕組みを一度の手続きで導入できます。
利用者さまにオンライン口座振替を案内する際には、金融機関により入力内容は異なりますが、金融機関名、口座番号、口座種別(普通・当座)、口座名義人などを入力してもらいます。これらの情報を記載した振替依頼書を代行会社へ送付し、受理されればオンライン口座振替の手続きは完了です。
オンライン口座振替の導入は、SBペイメントサービスがおすすめ
オンライン口座振替を導入したいとお考えの事業者さまには、SBペイメントサービスの活用をおすすめします。SBペイメントサービスは、オンライン口座振替をはじめとした多彩な決済方法を提供している決済代行会社です。
SBペイメントサービスのオンライン口座振替の特徴として、従量課金に対応している点が挙げられます。利用者さまのご利用・ご購入実績に応じて課金データを連携できるため、毎月支払い金額が変動する場合にも対応可能です。また、ほぼすべての金融機関に対応しているため、幅広い利用者さまにご活用いただけます。
さらに、口座振替以外の決済方法についてもまとめて依頼できることから、さまざまな利用者さまのニーズに対応したい事業者さまに最適です。オンライン口座振替をはじめ、決済に関する課題を解決したいとお考えの事業者さまは、ぜひSBペイメントサービスにご相談ください。
よくあるご質問
- Q.
- オンライン口座振替とは?
- A.
- オンライン口座振替とは、口座振替をオンラインで行うための仕組みのことです。口座振替とは、あらかじめ登録した金融機関の口座から指定日に自動で代金を引き落とすことを指します。利用者さまは支払い手続きを都度行う必要がないことから、サービス利用の継続率アップや未払いリスクの低減に寄与する仕組みです。オンライン口座振替の場合、サービス利用の申込み手続きや利用料金の引き落としが、オンラインで完結します。
- Q.
- オンライン口座振替のメリットは?
- A.
- オンライン口座振替を導入することで、事業者さまにとってコスト削減につながるほか、差し戻し・再申請の手間が省けたり、書類での手続きと比べて口座振替を早く開始できたりするメリットがあります。
また、利用者さまにとっては場所や時間帯を問わず申込みができること、申請手続きが簡単にできること、書面で申し込むよりも早く登録されることが大きなメリットです。このように、オンライン口座振替は、事業者さま・利用者さまの双方にとってメリットのある仕組みといえます。
その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。