ECサイト・ビジネスモデル

ECサイトで有効なSEOとは?コンテンツマーケティングで集客する方法

自社でオウンドメディアを開設して、コンテンツマーケティングに取り組むECサイトが増えています。なぜ、ECサイトがコンテンツを発信するのでしょうか。実は、コンテンツマーケティングはECサイトへのアクセス数を増やし、結果的に売上につながる有効な手段なのです。
ただし、ECサイトへのアクセス数を増やすためには、Googleなどの検索結果の上位に表示されるようにして、より多くのユーザーの目に触れなければいけません。つまり、SEO(検索エンジン最適化)が必要になるのです。
当コラムでは、ECサイトのコンテンツマーケティングに有効なSEOについて紹介するとともに、具体的な記事の作り方や運用方法、SEOのトレンドについても説明します。

目次

SEOとは?

SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、検索エンジン最適化と訳されます。検索エンジンに特定のワードを入力して検索したときに、自社サイトができるだけ上位に表示されるような施策を行うことを意味します。

ECサイトにSEOは必要?

SEOの目的は、検索エンジンからサイトに訪れる人を増やすことです。

ECサイトのユーザーも、その多くが検索エンジンに購入したい商品の名前や特徴などを入力し、表示された検索結果をきっかけにECサイトを訪問します。検索結果として表示されない、あるいはずっと下位にしか出てこないようだと、ECサイトのユーザーはなかなか増えていきません。
さらに、ECサイトの最終的な目的は商品の購入なので、なるべく多くの人が購入に至るような施策を講じることが求められます。

特に、ECサイトを構築したばかりの時期は、まずSEOをしっかりと行って、少しでもサイト訪問や商品購入といったアクションを起こしてもらうきっかけを作ることが重要です。

ECサイトのSEOに有効な手法

続いては、オウンドメディアを含むECサイトの集客に有効な手法をご紹介します。

1. キーワード選び

まず重要なのは、キーワードの選定です。ユーザーがどんな課題を抱えていて、どんなキーワードで検索するのかを考えます。そして、その課題を解決するような記事を提供するのです。
例えば、似たスペックの製品が多数あるジャンルであれば、ユーザーは「パソコン 比較」といったキーワードで検索することが想定できます。

Google 検索では、検索窓にキーワードを打ち込むと、後ろに検索候補となる単語を表示するサジェスト機能があります。ここでサジェストされる単語との組み合わせが、ユーザーがよく検索しているキーワードということになります。

ほかに、競合が少ないキーワードを選ぶというテクニックもあります。ヒットするビッグワードにこだわるのではなく、あえて自社の商品と関連性が強い専門性の高いキーワードに注目してSEOを行います。そのキーワードを検索したユーザーにとって有益なサイトとして自社サイトが表示されやすくなります。
こうしたニッチなキーワードを設定するときは、ロングテールキーワードに着目するのも重要です。ロングテールキーワードとは、複数のキーワードを組み合わせた、検索ボリュームの少ない検索キーワードのことです。検索される回数は少ないですが、コンバージョン率は高い傾向があります。

やや似たテクニックですが、商品購入や会員登録につながりそうなキーワードの組み合わせを選ぶことも意識しておきましょう。購入や価格、評判など、購入意欲の高い人がよく使うキーワードを商品名などと組み合わせて検索したときに、自社サイトが上位に表示されれば、コンバージョンに結びつきやすくなります。

また、キーワード選びをサポートしてくれるツールなども存在しますので、悩んだ際は活用してみることをおすすめします。

2. タイトルにキーワードを含める

ECサイトの各ページのタイトルは、検索したユーザーが最初に目にする言葉です。検索意図に合ったキーワードがタイトルに含まれているかどうかは、クリックしたくなるか否かに大きく影響します。ユーザーの検索意図を想定したうえで、ブランド名や「送料無料」などのキーワードをタイトルの前方に入れると、訴求力の向上につながります。

また、ページのタイトルはユーザーだけではなく、検索順位を決める検索エンジンに対しても、どのような内容のページなのかを伝える大切な要素です。タイトルの内容によっては検索順位にも大きく影響するため、タイトル決めはSEOに取り組む中でも序盤に行うべき重要な施策といえます。

タイトルを決める際の注意点は、検索結果画面に表示できる文字数に制限があることです。目安としては、25字から30字程度となります。文字数の多いブランド名などが含まれる場合には工夫が必要です。また、数字は半角で記述することで字数削減につながるため、数字を使う際は半角にすることをおすすめします。

3. ディスクリプションの改善

ディスクリプションとは、日本語に直訳すると説明という意味で、Webページの内容を説明した文章を指します。
ディスクリプションの内容は、検索結果の順位に影響を与えることはほとんどありません。しかし、ディスクリプションは検索結果ページでユーザーの目にふれるため、クリック率には影響を与えます。
ディスクリプションはmetaタグとして、headタグ内に記述します。記述する文章は、次のことを意識して作成しましょう。

  • ・文章形式で記述する
  • ・SEOキーワードを含める
  • ・ユーザーが興味を持ってくれるような文章を心掛ける
  • ・競合サイトとの差別化を意識する

4. 画像のalt情報を設定

ECサイトは、商品を紹介するために一般的なWebサイトよりも画像が多くなる傾向があります。
そのため、ECサイトのSEOは画像に対する施策が重要です。画像のSEO施策を行うことで、世界中のWebサイトを巡回して文書や画像のデータを収集するソフトウェア「クローラ」が画像情報を理解できるようになります。検索結果の上位表示を狙うには、ページを評価するクローラに画像の情報を理解してもらわなければなりません。

そこで、クローラにどのような画像なのかを伝えるために、画像にalt情報を設定する必要があります。alt情報とは、その画像に何が写っていて、それが何を意味しているのかといった、画像の情報を説明する代替テキストのことです。
alt情報を設定すれば、クローラが画像の情報を理解してSEOの効果が出るだけでなく、エラーで画像が表示されない場合でも、入力したテキストが表示されるというメリットも得られます。ECサイトのユーザビリティ向上にもつながるでしょう。

5. 構造化データのマークアップ

ECサイトで商品ページの構造化データのマークアップを行うと、サイト内の価格や在庫状況、レビューなどの商品情報の詳細を検索結果に表示させることができるようになります。
商品を目当てに検索しているユーザーによりアプローチできるだけでなく、検索結果の時点で商品情報が目に入ることで、潜在的なユーザーにもアプローチすることが可能です。

また、構造化データのマークアップによって競合サイトの検索結果と差をつけられれば、より多くのユーザーの目にとまり、クリック率が向上する効果も期待できます。このように、構造化データのマークアップは、流入数の向上には欠かせないSEOの施策です。

6. 表示速度(ページスピード)の改善

ECサイトの表示速度とは、その名のとおりユーザーが検索画面からECサイトのページへ遷移した際に、サイトが表示されるまでにかかる時間です。
Googleが、サイトの表示速度をモバイル検索のランキング要素に用いる新たなアルゴリズム「スピードアップデート」を導入していることからもうかがえるように、表示速度はSEOに影響するとされているため、表示速度を速める対策も欠かせません。

表示速度が遅いとユーザーにストレスを与え、サイトからの離脱の原因にもなります。売上に影響を与えることにもなりかねないため、表示速度の改善に取り組むことをおすすめします。

7. モバイルフレンドリーな設計

Webサイトをモバイル(スマートフォン)ユーザーにとって見やすく使いやすい状態にすることを、モバイルフレンドリーと呼びます。

モバイル対応されていない、非モバイルフレンドリーなWebページは、モバイルでの検索順位が下がります。サイトがモバイルフレンドリーに対応できているかどうかは、Googleが提供する無料のテストツール「モバイルフレンドリーテストツール」などで確かめることができます。

8. URLは短くする

URLの長さは、検索結果のランキングに直接には関係しないとされています。しかし、長すぎるURLはユーザーにとって不便だといえるでしょう。短くシンプルなURLのほうがすっきりとして人に伝えやすく、ミスが起こりにくいうえ、親切だと感じられます。
さらに、URLがまったくコンテンツの内容と関係のない文字列で構成されているよりも、内容に沿ったもので、SEOキーワードも含まれていたほうが、よりユーザーフレンドリーです。こうしたURLの改善は、SEOとして間接的ではあるものの、軽微な影響を与えることがあるといわれています。

9. シェアボタンをつける

良質なサイトからリンクが張られているWebページは、Googleから価値が高いと評価されてランキングの上位に表示されやすくなります。いわゆる、「良質な被リンク」を得ることが重要で、そのような被リンクを集めるための施策は、「外部対策」とも呼ばれます。

しかし、コンテンツにSNSのシェアボタンをつけておき、ボタンを使ってリンクされれば、価値が高いサイトだと評価されるわけではないです。Googleは、TwitterやFacebookからのリンクは「被リンクを獲得している」ものとしてカウントしないため、SNSでのシェアはSEOへの直接的な影響はありません。

ただし、実際にリンクを集めてECサイトのアクセス数が増えれば、結果的に検索順位が上がることはあります。SNSでコンテンツがシェアされると、ほかのWebサイトやブログにもリンクが張られる可能性が増えるためです。その意味では、シェアボタンは間接的なSEO効果をもたらします。

10. 読者に役立つコンテンツを追加

SEOに効果的な施策として、「読者に役立つコンテンツ」を提供することが挙げられます。そもそもGoogleは、ユーザーの利便性を第一に考えています。
以前はSEOというと、「記事中のタイトルや見出し、本文に検索キーワードを散りばめて検索にヒットしやすくする」、あるいは「SEO会社に依頼して被リンクをたくさん集める」「Webページのソースにテキストやキーワードを詰め込む」といった方法が実施されてきました。

しかし、これらはGoogleに対策され、一時的に順位が上がっても将来的に順位が下がる可能性が高い手法です。検索エンジンのアルゴリズムは常に改善されていて、現在では、ユーザーの利便性を最優先に考慮した、独自性や価値、魅力のあるWebサイトが評価されるようになっています。読者にとって役に立つコンテンツが蓄積されているWebサイトが、上位に表示されるようになっています。
オウンドメディアの記事を企画・制作するときも、まずはこの点を強く意識する必要があります。

11. 商品への導線設計を考える

サイト設計における「導線」とは、サイトを訪問したユーザーをコンバージョンへと導く道順のことです。

ECサイトが行うSEOも、最終的に商品購入というゴールにたどり着いてもらうために行います。ECサイトのアクセス数増加や、オウンドメディアの読者数増加は、手段であって最終目的ではありません。読者に役立つコンテンツを追加して、実際に役に立ったと喜んでもらうこと、楽しんでもらうことには大きな意味がありますが、ECサイトには集客だけではなく「商品を買ってもらう」という大きな目的があることを忘れないようにしてください。
商品への導線設計は、その最終目的を叶えるためのものです。商品への導線設計の例としては、オウンドメディアの記事ページ内に、記事で紹介した商品の購入ボタンを設置するといった方法が考えられます。

ただし、オウンドメディアのすべての記事に対してストレートな商品への導線を用意するのは難しいものです。すべての記事が宣伝文になってしまうと、読者は離れていきやすくなります。そこで、ゴールに直結するわけではないものの、ゴールに近い記事を読んでもらうための記事と、よりゴールに近いテーマやキーワードで作成した記事を作り、役割を分担させてもいいでしょう。
例えば、PCの変わった使い方やおもしろいエピソードなどでユーザーの興味を集め、そこから新作PCの紹介やスペックの比較といった購入に近いテーマの記事に誘導するという方法が考えられます。

12. オウンドメディアによるコンテンツマーケティング

ここ数年注目されているコンテンツマーケティングとは、ECサイトの訪問者にとって価値のある読み物などのコンテンツを用意し、そこに掲載された情報を通して見込み顧客のニーズを育成し、ファンとして定着してもらうことを目指すマーケティング手法です。

コンテンツマーケティングを実施する代表的な手段として、オウンドメディアの運営が挙げられます。オウンドメディアは「自社で保有するメディア」という意味です。コラム記事やブログ記事などを掲載するWebサイトも、オウンドメディアに該当します。
また、オウンドメディアを運営する目的は、商品の魅力を伝え、購入を促すことです。そのために、さまざまな記事を制作し、ユーザーとの接点を増やすことで、ファンの獲得を目指していきます。

同時に、オウンドメディアはECサイトにおけるSEOをより効果的なものにするためのツールとしても役立てることができます。以下、その仕組みについて説明していきましょう。

なぜオウンドメディアに対してのSEOが有効なのか

ECサイトで売上を伸ばすためには、製品の販売ページへのアクセスを増やす必要があります。それならば、検索順位を上げるべきなのはオウンドメディアではなく、製品の販売ページではないかと考える方も多いはずです。

確かに、SEOによって製品の販売ページの検索順位を上げることは可能です。しかし、製品の販売ページの検索順位を上げたからといって、売上が伸びるわけではないのです。その理由は「製品を売りやすいページ内容」と「検索順位が上がりやすいページ内容」がまったく別物であり、両立することが困難だからです。

製品の販売ページにSEOを施すと、検索順位は上がります。ですが、SEOでは「検索順位が上がりやすいページ内容」にはなっても、「製品を売りやすいページ内容」にはならないのです。製品の販売ページへのアクセスが増えても、肝心の製品が売れなければ本末転倒でしょう。

そこで、製品の販売ページは「製品を売りやすいページ内容」に特化し、オウンドメディアでSEOに特化したコンテンツを作るというわけです。このように、オウンドメディアに掲載したコンテンツで潜在顧客を集客し、そこから製品の販売ページへのアクセス数を増やすコンテンツマーケティングを行うことで、結果的にECサイトへのアクセス数と売上の両方を高めることができるのです。

新規ドメインと既存ドメインのどちらで始めるべきか

オウンドメディアを一から構築してコンテンツマーケティングを行う場合、ドメインを用意する必要があります。主に、新しくドメインを取得する方法と、すでにドメインがある自社サイトのサブディレクトリなどにコンテンツを設置して始める方法の2種類があります。

このうちおすすめは、既存ドメインを活用する方法です。新規ドメインでコンテンツマーケティングを始めると、Googleなどの検索エンジンからの評価を0から築いていく必要があるため検索順位を上げるのに時間がかかります。既存ドメインであれば、ドメインの評価がそのまま引き継がれるためコンテンツマーケティングを始めた初期段階で検索順位の上位を狙うことができます。

なお、下記のような既存ドメインであっても、「サブドメイン」を活用する場合、検索エンジンにとって新規ドメインと同じ扱いとなりますのでご注意ください。

(既存ドメイン) https://www.sbpayment.jp
(既存ドメインのサブドメイン) https://xxx.sbpayment.jp

もちろん、新規ドメインが絶対にNGというわけではありません。良質なコンテンツを積み上げていけば検索エンジンからの評価も高まり、検索順位も向上していきます。事情があり既存ドメインの使用が難しい場合は、新規ドメインで始めてもいいでしょう。

コンテンツマーケティングの運用体制

オウンドメディアのSEOは、何よりも記事の内容が良質であることが大切です。加えて、もうひとつ重要なことは、「そういった良質な記事を定期的に発信すること」です。いくら記事の内容が良くても、あまりにも記事数が少なく、放置されてしまったオウンドメディアは評価されません。SEOでは、更新し続けることも大切なのです。

ただし、とにかく量産すれば良いというものではありません。内容が伴っていなければ、Googleには評価されないため、質の低い記事を安く量産する業者に外注するのは避けることをおすすめします。
自社内にしっかりと運用体制を作り、きちんとした知識のある担当者が自分の言葉で記事を書くことが大切です。

SEOを意識した記事の作り方

SEOにはさまざまな手法がありますが、最も効果的なのは、「ユーザーのニーズに沿った良質な記事を作る」ことです。そのようなページはGoogleなどの検索エンジンも高く評価し、検索順位が上がりやすい傾向があります。
ここでは、SEOを意識した記事の作り方について解説します。

1. 記事作成

前述の「キーワード選び」の内容をもとにキーワードを決めたら、記事を作成します。記事の作成で心掛けるのは、「ユーザーの悩みにしっかり回答できているか」です。悩みを解決できているページを、Googleは高く評価します。

ここで注意したいのは、ユーザーの課題解決につながらない宣伝記事は、Googleからの評価を下げる可能性があるということです。自社製品の情報を記事から過剰に排除する必要はありませんが、あくまでもユーザーの立場に立った、フェアな視点での記事作成をおすすめします。

また、タイトルのつけ方にも気を配る必要があります。Googleの検索結果は、ページタイトルの中のワードに強く影響されます。ただし、長すぎるタイトルは検索結果ページで途中から省略されてしまうため、30文字前後を目安に収めるよう注意してください。

さらに、記事のタイトルや見出し、本文には、共起語を組み込むのが有効です。共起語とは、メインのキーワードとともに使われることの多いキーワードです。例えば、パソコンの共起語には、デスクトップやノート、Windowsなどがあります。スニーカーの共起語であれば、ブランド名や色などが考えられます。
共起語については自分で考える以外に、無料で調査できるツールもありますので利用してみてください。

最後に、ユーザーが思わずクリックしたくなるようなタイトルを考えることも重要です。ターゲットとするユーザーの行動や心理を想像しながら、どんなキーワードならクリックしてくれるのかを考えながらタイトルをつけましょう。
例えば、具体的な数字を出すほど人は興味を持つといわれます。「クリックしたくなる方法」というタイトルよりも、「クリックしたくなるたった3つの工夫」というタイトルのほうが、より多くの人の心に訴えかけられるのではないでしょうか。

2. 記事に製品販売ページへのリンクを張る

記事が完成したら、記事の最後、もしくはそのほかの適切な場所に製品の販売ページへのリンクを張り、流入を促します。
このときに注意したいのは、あくまでも「自然な形」で誘導するということです。ユーザーの課題解決につながらないのに、不自然に誘導しないよう気をつけてください。

ECサイトのSEOで注意すべきポイント

ECサイトのSEOに取り組むうえでは、注意すべきポイントがあります。主なポイントを4つご紹介しますので、参考にしてください。

重複コンテンツを作らない

SEOにおける注意点としては、重複コンテンツを作らないことが挙げられます。重複コンテンツとは、ドメイン内や複数ドメインにまたがって存在する、ほかのコンテンツとまったく同じか、非常によく似たコンテンツのことです。サイト内に同じようなコンテンツが複数存在していたり、ほかのサイトとよく似たコンテンツが掲載されていたりすると、ユーザーの混乱を招くおそれがあります。
中には、ほかのサイトから無断でコピーしたコンテンツが掲載されているケースもあるかもしれません。そのためGoogleでは、「悪意のある重複コンテンツ」とみなしたサイトに対し、ランキングの低下や検索結果に表示しないといったペナルティを与えることがあります。

ところが、ECサイトでは意図せずに重複コンテンツを作ってしまうことが少なくありません。同じ商品の色違いやサイズ違いのページを複数作成していたり、自社サイトと似た内容のページをAmazonや楽天市場などのECモールでも掲載していたりすることがあるためです。
通常、Googleはこのようなケースを悪意のない重複コンテンツとみなしますが、違った判断をされることもあるため、できれば似たコンテンツは作らないようにしたほうがいいでしょう。

canonicalタグの設定

canonicalとは、Webサイトに存在する重複コンテンツの中でどのページを最も優先的に表示させたいのかを検索エンジンに伝えるためのタグのことです。canonicalタグを使用して検索エンジンに該当ページの優先度を伝えることを「正規化」と呼びます。

例えば、同じWebサイトに内容が類似しているページがある状態だと、検索エンジンに重複コンテンツとみなされて、クロール頻度が減少したりページが評価されなくなったりする可能性があります。
このような場合にcanonicalタグを用いてページを正規化することで、重要なページのみがインデックスされ、重複コンテンツに分散している評価もまとめることが可能です。

特に次のような場合は、canonicalタグで正規化したいページを指定すると有効です。

<canonicalタグの設定が望ましいケース>

  • ・ECサイト内に類似したページが複数ある
  • ・スマートフォン用サイトとPC用サイトでURLが異なる
  • ・1つのページにおいて、暗号化された「https」と暗号化されていない「http」の両方が存在する

なお、類似のページが別サイトに存在する場合などは、canonicalタグの設定は必ずしも有効ではないため、注意してください。

販売終了ページの管理

ECサイトでは、商品の売り切れや入れ替えに伴って、販売自体を終了させるケースもあります。
商品の販売を終了すること自体は珍しくありませんが、ECサイト内に販売終了ページが多数存在したり、検索結果からアクセスしたら販売終了となっていたりといったケースが多発すると、ユーザーにとってストレスとなってしまい、検索エンジンの評価も落としてしまうおそれがあります。そのため、販売終了ページは適切に管理することが必要です。

販売終了ページに関する対処法としては、「404エラーを表示させる」「関連商品や類似商品を紹介する」といった方法があります。販売終了ページのメンテナンスにリソースを割けるかどうかも踏まえて、対策を決めましょう。

SSL化に対応する

ECサイトでは、クレジットカード番号などのユーザーの個人情報を取り扱います。そのため、SSL化をはじめとしたサイトのセキュリティ対策は欠かせません。

SSLとはSecure Sockets Layerの略で、Web上のデータ通信を暗号化することでセキュリティを高める仕組みです。SSLが適用されているサイトはURLの先頭に「https」、適用されていない場合は「http」と表示されます。
また、SSL化されていないサイトは、Googleでは「保護されていない通信」と赤字で表示されるため、ユーザーに不安を与えてしまいます。ECサイトに限らず、GoogleはすべてのWebページのSSL化を推奨しているため、SSL化は早急に対応してください。

ECサイトの機能を活用してCVRを上げる

売上を伸ばすためには、ECサイトの機能を活用してCVRを上げることも重要です。例えば、LPから直接カートインできる機能を使うと、カートに商品が入った状態で買い物かごページに遷移するので、ユーザーが商品を選択する手間が省け、CVR向上につながります。この機能を使う場合はユーザーに誤解を生まないよう、「カートインする」ということについて注釈を添えておきましょう。

また、楽天ペイ(オンライン決済)やPayPay(オンライン決済)などの決済手段も便利です。自社のECサイトでユーザーが買い物をする際に、新たにアカウントやパスワードを設定する手間がないため、ユーザーの購買ハードルが大きく下がります。

把握しておきたいSEO用語

最後に把握しておきたいSEOについて、いくつかご紹介します。

コアウェブバイタル

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは、Googleが発表した検索アルゴリズムの新たな指標です。具体的には「ページの読み込み速度」「インタラクティブ性」「視覚的要素の安定性」を指します。つまり、ユーザー体験をより重視するということです。これらの点を改善することで、SEOの効果を高めることが期待できます。

モバイルファーストインデックス

モバイルファーストインデックス(mobile first index)とは、これまでGoogleの検索順位の指標としていたページを、PCからモバイルに切り替えることをいいます。昨今では、PCよりもスマートフォンのほうが検索に多く使用されている状況から、モバイルファーストインデックスが導入されました。

以前は、すべてのサイトにおいてPCで表示されるページの内容で検索順位が決定していたのですが、Googleによりモバイルファーストインデックスが適用されたサイトは、検索順位をモバイルページの内容で決定することになったのです。
今後、PCからの閲覧がメインのサイトにおいても、モバイルファーストインデックスの影響が出てくるといわれていますので、しっかり対策をしておく必要があるでしょう。

E-E-A-T

E-E-A-Tとは、「高品質なコンテンツの特徴」の基準であるExperience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字をつなげたものです。以前はExperienceがなく、E-A-Tと呼ばれていましたが、2022年12月に追加されました。

SBペイメントサービスが選ばれる理由

今回ご紹介したSEOを意識して記事を作成し、潜在顧客を集めてECサイトへのアクセス数の増加を図ることで、結果的に売上増につなげることができます。
せっかく興味を持ってECサイトに入ってきた顧客がスムーズに買い物を完了できるよう、決済手段は豊富に用意しておきましょう。ただし、数多くある金融機関と一つひとつ自社で契約を進めるのは、手間がかかり大変です。そこでおすすめするのが、決済代行会社です。

当社は多くの決済手段に一括で対応でき、高いセキュリティと豊富な実績を備えた決済代行会社です。ECサイトに決済システムを導入する際には、ぜひお気軽にご相談ください。

よくあるご質問

Q.
なぜECサイトでオウンドメディアを運営するのか?
A.
「製品を売りやすいページ内容」と「検索順位が上がりやすいページ内容」はまったく別物です。製品の販売ページは「製品を売りやすいページ内容」に特化し、オウンドメディアでは潜在顧客を集客するためにSEOに特化したコンテンツを作る、というように役割分担が必要です。
Q.
なぜ、ECサイトでSEOが必要なのか?
A.
ECサイトで売上を伸ばすためには、製品の販売ページへのアクセスを増やす必要があります。オウンドメディアでSEOを意識した記事を作成し、潜在顧客を集めてECサイトへのアクセス数の増加を図ることで、売上増につなげることができます。
Q.
ECサイトに入ってきた顧客に、スムーズに買い物をしてもらうためには何が必要?
A.
LPから直接カートインできる機能を用意したり、ユーザーが新たに会員登録する手間を省けるオンライン決済(楽天ペイやPayPayなど)を導入したりすることで、ユーザーの購買ハードルを下げることができます。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。

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