EC市場の拡大に伴い、フィッシングや情報漏えいなどクレジットカードの不正利用被害が深刻化しています。そこで注目されているのが、クレジットカードの取引データや利用者情報を分析し、不審な決済を検知する「クレジットカード不正利用検知システム」です。
当コラムでは、クレジットカード不正利用検知システムの仕組みや導入メリット、選定ポイントに加えて、AIや機械学習を活用した高度なシステムについても解説いたします。
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SBペイメントサービスでは、オンライン決済サービスの機能紹介に加え、ユーザーがよく利用する決済手段に関する調査結果をまとめた資料をご用意しました。
目次
クレジットカード不正利用検知システムとは
クレジットカード不正利用検知システムは、決済内容や取引情報をリアルタイムで分析し、不正利用を自動検知するシステムです。クレジットカード不正利用検知システムについて、まずは次のポイントから解説いたします。
- クレジットカード不正利用検知システムの目的
- クレジットカード不正利用の主な手口
- クレジットカード不正利用検知システムの重要性
クレジットカード不正利用検知システムの目的
SBペイメントサービスの調査によると、物販などのECサイトでよく利用する決済手段として、約6割のお客さまがクレジットカード決済を挙げました。(出典:SBペイメントサービス株式会社「ECサイトで物品、デジタルコンテンツ・サービスを支払う際の決済手段に関する調査」)
一方で、一般社団法人日本クレジット協会の調査によると、2025年のクレジットカード不正利用被害額は約510億円で、2020年の約253億円から5年で2倍超の被害となりました。(出典:一般社団法人日本クレジット協会「日本のクレジット統計 2025年版」)
こうした不正利用の被害を防ぐことを目的として活用されているのが、クレジットカード不正利用検知システムです。
クレジットカード不正利用の主な手口
クレジットカード不正利用の手口は巧妙化が続いており、ECサイトではクレジットカード情報のみで非対面決済ができるため、次のようなさまざまな被害が生じています。
| フィッシング | 偽サイトでクレジットカード情報を入力させて情報を詐取する |
|---|---|
| クレジットマスターアタック | 利用可能なクレジットカード情報を自動ツールで割り出して悪用する |
| カードテスティング | 少額決済を繰り返して有効なクレジットカード情報を選別する |
| アカウント乗っ取り | アカウントを不正取得し、登録済みのクレジットカード情報を悪用する |
クレジットカード不正利用検知システムはこうした手口に対応し、事業者さまとお客さまが安心して利用できる決済環境の構築に寄与します。クレジットカード不正利用の手口や対策については、以下の記事で詳しく説明しております。
クレジットカードの不正利用の手口とは?原因と被害を防ぐ対策を解説
急増するクレジットマスターアタックとは?事業者が受ける被害と対策について解説
クレジットカード不正利用検知システムの重要性
クレジットカードの不正利用は、次のようなさまざまな被害につながります。
- 商品やサービスの持ち逃げ
- チャージバックによる売上損失
- 企業やブランドの信頼失墜
- 決済手数料や調査コストの発生
- 加盟店契約の条件悪化や解除
- お客さまの購入機会の損失
- お客さまのUX(顧客体験)の悪化
経済的な損失や企業イメージの毀損だけでなく、追加認証の増加によるお客さまの利便性低下などにより、中長期的な経営にも悪影響を与えかねない点が深刻です。クレジットカード不正利用検知システムを導入することで、こうしたリスクを低減し、安全性と利便性を両立した決済環境を整えることができます。
クレジットカード不正利用検知システムの仕組み
クレジットカードの不正利用の手口は高度化が進んでいるため、従来の手法では十分に対応できないケースが増えました。クレジットカード不正利用検知システムでは、次のような手法を組み合わせて取引情報や利用者情報を多角的に分析し、リアルタイムでリスクを評価しています。
- 取引データのリアルタイム分析
- ルールベースによる判定
- お客さま情報や端末情報を分析
- EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)との連携
- AIや機械学習を活用した不正パターン検知
取引データのリアルタイム分析
不正利用検知システムの基本が、決済時に発生する取引データのリアルタイム分析です。決済時に購入金額や商品、決済回数や利用時間帯などの情報から、不正利用のリスクをスコアリングします。例えば、普段は少額決済が多いお客さまが高額商品を購入した場合や、短時間に複数回の決済が行われた場合は、不正利用のリスクが高いと判定される可能性があります。
ルールベースによる判定
不正利用検知システムには、事業者さまが独自の判定ルールを設定できる機能もあります。例えば、以下のような決済を警戒対象にすると、疑わしい決済はブロックされます。
- 一定額以上の取り引き
- 短時間で複数回の決済
- 特定の国や地域からの決済
- 高額商品の連続購入
柔軟なルール設定を行うことで、事業内容や商品・サービスに合わせた不正利用対策が可能です。AIによる判定と組み合わせることで、より高精度な不正検知を実現できます。
お客さま情報や端末情報を分析
不正利用検知システムでは、お客さまや端末に関する次のような情報も分析対象となります。
- IPアドレス
- 利用端末情報
- OSやブラウザ情報
- アクセス地域
- 配送先住所
- 過去の利用履歴
- ログイン状況
例えば、これまで日本国内で利用していたお客さまが海外から高額商品を購入した場合は、不審な決済と判定される可能性があります。
EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)との連携
EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)は、クレジットカード決済時に本人認証を行うことで、不正利用リスクを低減する仕組みです。クレジットカード不正利用検知システムとEMV 3-Dセキュアを連携させることで、リスクに応じた本人認証を実現しやすくなります。例えば、高リスクの決済に絞り込んで本人認証を求める「リスクベース認証」を実施することで、利便性とセキュリティを両立できます。
AIや機械学習を活用した不正パターン検知
AIや機械学習を活用した、高度なシステムを利用できるケースもあります。従来のルールベース型システムでは、あらかじめ設定した条件に基づいて不正を判定していましたが、この方法では複雑な不正手口への対応が遅れる場合があります。AIを活用した不正利用検知システムでは、過去の正常取引や不正取引のデータから不正利用の傾向を抽出し、決済発生時に学習データと照合しながら不正リスクを評価できます。
クレジットカード不正利用検知システムを導入するメリット
クレジットカード不正利用検知システムを導入することで、事業者さまは次のようなメリットが得られます。
- 売上損失やチャージバックのリスク軽減
- 不正利用チェックの業務効率化
- UX(顧客体験)の改善
売上損失やチャージバックのリスク軽減
クレジットカード情報の不正利用によるチャージバックの被害が増えています。クレジットカードは会員保護を優先するため、事業者さまが商品を発送している場合でも売上の返金義務が生じるため、商品と売上の双方に損失が生じてしまいます。
不正利用検知システムで不審な決済を検出できれば、こうしたチャージバックの被害を防げるため、収益性の改善にもつながるでしょう。チャージバックの被害や対策については、以下の記事で詳しく説明しております。
チャージバックとは?クレジットカード不正利用の対策を解説
不正利用チェックの業務効率化
従来の不正利用対策の手法では、取引件数が増えるほど確認作業の負担が大きくなり、人的コストや見落としリスクが高まることが課題でした。クレジットカード不正利用検知システムの導入により、次のように不正チェックのプロセスが自動化されます。
| 従来のプロセス |
|
|---|---|
| システム導入後のプロセス |
|
システムが自動でリスク評価を行うようになるため、大幅な業務効率化が実現できます。
UX(顧客体験)の改善
クレジットカードの不正利用対策は重要ですが、画一的に強化しすぎると、問題のない決済まで追加認証が必要になります。例えば、本人認証にはお客さまの手間がかかるため、常に行うとカゴ落ちの増加による機会損失につながりかねません。EMV 3-Dセキュアなどの仕組みと不正利用検知システムを組み合わせることで、リスクに応じた本人認証を行いながら、お客さまの利便性にも配慮した決済環境を構築しやすくなります。
クレジットカード不正利用検知システムの導入はSBペイメントサービスにお任せください
クレジットカード不正利用検知システムを導入することで、不審な決済を自動的に検知できるようになり、チャージバックや売上損失の防止、お客さまの利便性向上などのメリットが得られます。ルールベース判定やEMV 3-Dセキュアを補完するセキュリティ対策として、AIや機械学習を活用した不正パターン検知が注目を集めています。
SBペイメントサービスの「AI不正検知」では、年間11兆円を超える決済データの取り扱い実績により、人間が気付きにくいクレジットカードの不正利用にも対応可能です。リアルタイムスコアリングやEMV 3-Dセキュアと連携し、不正利用対策の強化と運用負担の軽減をご支援いたします。当社が提供する「AI不正検知」の詳細や決済代行サービスについては、下記のリンクからお問い合わせください。
よくあるご質問
- Q.
- 中小規模のECサイトでも導入すべき?
- A.
- ECサイトの規模に関わらず、不正利用検知システムの導入を検討する価値は十分にあります。近年では、事業者さまが大規模な開発を行う必要のない不正利用検知システムも増えているため、中小規模のECサイトでも気軽に導入可能です。
- Q.
- 不正利用検知システムはどのように導入できる?
- A.
- 次の2種類の導入方法があります。
- 不正利用検知システムを直接導入
柔軟なカスタマイズが可能だが運用負荷が大きい - 決済代行サービスのオプションとして導入
決済機能と不正利用対策を一気通貫で導入できる
- 不正利用検知システムを直接導入
- Q.
- 導入にはどのくらいの期間がかかる?
- A.
- サービスの種類や既存システムとの連携方法によって異なります。決済代行サービスと連携した不正利用検知システムは短期間で導入できる傾向があり、SBペイメントサービスの場合は以下のとおりです。
- SBペイメントサービスのオンライン決済サービスをご利用中の場合
最短5営業日 - これから決済代行サービスを導入される場合
約1~1.5か月
- SBペイメントサービスのオンライン決済サービスをご利用中の場合
その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。



