アプリの収益化とは?主な方法と成功のポイントを解説

スマートフォンやタブレット向けのアプリにはさまざまな種類があり、生活や仕事などで広く利用されています。
アプリの開発にあたっては、そのアプリをどのように収益化するかを考えることが重要です。しかし、アプリの収益化を成功させるのは容易ではありません。

本記事では、アプリで収益を得るための主な方法と、成功させるために押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

目次

アプリの収益化とはアプリを通じて収益を得ること

アプリの収益化とは、スマートフォンやタブレット向けに開発したアプリを通じて、収益を得られるようにすることです。

アプリを収益化するには、アプリを多くのユーザーに利用してもらい、直接的または間接的に収入を得る仕組みを作る必要があります。具体的な方法は複数ありますが、ユーザーが何を求めているのかを深く理解し、どの方法がターゲットユーザーに適しているかを見極め、戦略的に実行していくことが大切です。

しかし、それを実行するのは容易ではありません。収益化手段を設けるだけでなく、ユーザー体験を損なわない工夫なども求められるでしょう。

アプリを収益化する7つの方法

アプリを収益化するには、いくつかの方法があります。主な方法は以下のとおりです。

1.アプリを有料で提供する

アプリ自体を有料で提供する方法は、代表的な収益化の手段です。ゲームアプリなどには有料で提供されているものがありますが、アプリ全体としては有料のものは多くはありません。

有料のアプリが少ない主な理由は、便利な無料のアプリが多くあるといった背景から、有料では購入されにくいことです。有料アプリで収益化を図るには、ターゲット層に対する強い訴求力や独自性などが求められるでしょう。

2.アプリ課金を行う

アプリ課金とは、アプリのインストール後に特定のサービスや商品などを有料で提供する仕組みのことです。ゲームアプリにおいてアイテムを有料で提供する仕組みは、アプリ課金の代表例といえます。

アプリ課金には、「アプリ内課金」と「アプリ外課金」の2種類があります。

  • ・アプリ内課金
    App StoreやGoogle Playといったプラットフォーム側の決済システムを利用する課金方式で、アプリを展開する事業者さまは決済手数料をプラットフォーム側に支払う必要があります。
  • ・アプリ外課金
    アプリの外部にあるWebサイトなどを利用して、商品やサービスの購入・決済を行う課金方式です。プラットフォームへの決済手数料を削減できる、ポイント制度やキャンペーンを柔軟に設計できるといった理由から、近年はアプリ外課金を導入する事業者さまが増えています。

    アプリ外課金については、以下の記事で詳しく説明しております。

アプリ外課金とは?事業者必見!メリット・デメリットや検討のポイントを解説

また検討を導入されている事業者さまには下記のページで詳しく当社のアプリ外課金のメリットをご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

3.フリーミアムモデルを導入する

フリーミアムモデルとは、アプリの基本機能を無料で提供し、追加機能やプレミアム機能を有料で提供する仕組みのことです。写真などのデータの保存量の追加や、特定の機能の利用回数の増加を有料で提供するのが代表例です。

フリーミアムモデルでは、無料版を通じてユーザーにアプリの魅力を感じてもらい、有料版への移行を自然に促していく設計が重要になります。課金ポイントのタイミングや価格設定にも工夫が求められるでしょう。

4.有料サブスクリプションサービスを提供する

有料サブスクリプションサービスを提供することも、アプリ収益化の方法です。定額料金で商品やサービスを一定期間利用できるサブスクリプションサービスは、安定した収益が見込めるため、多くのアプリで採用されています。音楽配信、動画配信、フィットネス、学習アプリなどが代表例です。

魅力的なコンテンツを継続的に提供し、ユーザーに「使い続けたい」と思ってもらえる仕組みづくりが、有料サブスクリプションサービスの成功のカギをにぎります。

5.広告を掲載する

アプリ内に広告を掲載して広告収入を得る方法も、アプリ収益化の一般的な方法です。広告にはさまざまなタイプがあります。

<アプリ内に掲載できる広告のタイプ>

  • ・バナー広告:画面の上下などに表示される広告
  • ・インタースティシャル広告:画面が切り替わる際などに表示される全画面広告
  • ・動画リワード広告:動画広告を視聴することで、アプリ内の通貨やアイテムなどの特典が得られる広告

広告収入は、広告が表示された回数(インプレッション)やクリック数に応じて発生するのが一般的です。ユーザー数を増やすことが収益拡大につながるため、集客戦略と広告表示のバランスがポイントとなります。

6.スポンサーシップを実施する

スポンサーシップとは、特定の企業やブランドからスポンサー料を得て、その代わりとして企業やブランドのプロモーションを実施する契約のことです。プロモーションの形式は広告掲出になることが多いため、収益化の方法としては前述の広告に近いといえるでしょう。

スポンサー獲得のためには、アプリの魅力やユーザー層を明確に示し、相手企業にとってのメリットを伝えることが重要です。

7.ECを展開する

アプリ内で自社製品やサービスを販売するECを展開するのも、アプリ収益化の方法です。アパレル、食品、雑貨など、商品をアプリ経由で販売すれば、収益を直接得られます。

アプリにEC機能を組み込む際には、スムーズな決済フローと、ユーザーが安心して購入できる仕組みの構築が重要です。

アプリの収益化を目指す際に押さえておくべきKPI

アプリの収益化を目指す際には、いくつかのKPI(重要業績評価指標)を押さえておく必要があります。主なKPIは以下のとおりです。

ダウンロード数

ダウンロード数は、アプリがどれくらいのユーザーを獲得したかを示す指標です。ダウンロード数が増えれば、それだけ多くのユーザーを獲得したことを意味します。

しかし、ダウンロード数だけを追い求めても、収益には直結しません。後述するアクティブユーザー数や継続率と併せて評価することが重要です。

アクティブユーザー数

ダウンロード後、実際にアプリを利用しているアクティブユーザー数は、アプリ収益化の重要なKPIとなります。アクティブユーザーを増やすことができれば、広告表示や課金機会も増え、収益化を目指せます。

アクティブユーザー数のKPIは、日間、週間、月間で目標を定め、伸び率や定着率を測るといいでしょう。

継続率

継続率は、アプリをダウンロードしたユーザーが一定期間後にもアプリを利用し続けている割合を示す指標で、「リテンション率」ともいいます。継続率は、継続ユーザー数を新規ユーザー数で割ると算出可能です。

継続率が高いアプリは、ユーザー満足度が高く、収益化のポテンシャルも高いといえるでしょう。反対に、継続率が低いアプリは、コンテンツの質や使い勝手などの見直しが必要です。

アプリの収益化を成功させるポイント

アプリの収益化を成功させるのは容易ではありませんが、いくつかのポイントを押さえることで、成功の可能性が高まります。主なポイントは以下のとおりです。

ユーザーニーズを深く理解する

アプリの収益化を成功させるには、ユーザーが何を求めているのかを正確に把握することが大切です。市場調査のほか、試験的に開発したプロトタイプを通じてユーザーの反応を確かめるといった取り組みを通じて、ターゲット層が本当に求めている機能やサービスを把握しましょう。

多くのユーザーのニーズを満たすことができれば、ダウンロード数や継続率が向上し、収益化のチャンスも広がります。

ASOを実施する

ASO(App Store Optimization:アプリストア最適化)とは、アプリストアでの検索結果で上位を獲得し、ダウンロード数を増やす施策のことです。具体的には、適切なキーワード設定やアプリアイコン・スクリーンショットの改善、レビュー促進などを行います。

ASOを適切に実施すると、ユーザーの認知やダウンロード数が拡大します。プロモーションを実施することなく、収益化に近づけるでしょう。

ユーザーの評価と継続率を高める

ユーザーの評価と継続率を高めることも、アプリ収益化のポイントです。

既存ユーザーの高評価は、新規ユーザーのダウンロード意欲に影響します。アプリの使いやすさやデザイン、機能性を向上させ、ポジティブな口コミを集めることが大切です。
継続率を高めるためには、コンテンツの更新や機能のアップデートなど、ユーザーのロイヤリティを高める施策を行う必要があります。

SNSなどでプロモーションを行う

SNSを活用したプロモーションは、コストはかかるものの、ダウンロード数の拡大を期待できます。

X、Instagram、TikTok、FacebookといったSNSは、それぞれユーザー層が異なるため、アプリのターゲット層がよく利用しているSNSでプロモーションを行うといいでしょう。

収益化戦略を実行する人材を確保する

収益化戦略を実行する人材の確保も、アプリの収益化を成功させるうえで大切です。具体的には、マーケティングやデザインといった専門スキルを持つ人材が必要となります。

そうした人材を獲得するには、既存社員を育成するか、新規に採用する方法があります。獲得が難しい場合は、外部への発注なども検討しましょう。

収益化の方法を複数組み合わせる

アプリの収益化を成功させるには、前述した収益化の方法を複数組み合わせることもポイントです。アプリ課金と広告掲載、有料アプリの提供とスポンサーシップといった組み合わせにより、成功の可能性が高まっていきます。

大切なのは、ユーザー体験を損なわないようバランスをとること。常にユーザー目線を意識しながら、最適な組み合わせを検討しましょう。

アプリの収益化を目指す際の注意点

アプリの収益化を目指す際は、いくつかの注意点があります。主な注意点は以下のとおりです。

広告が多すぎるとユーザー満足度が下がる

収益を上げるために広告を多く掲載しすぎると、アプリの使い勝手が悪くなり、ユーザーの離脱を招く可能性があります。

広告表示は、ユーザーが広告をストレスに感じないよう、表示頻度を上げすぎないことが重要です。特に、インタースティシャル広告や動画広告は、表示タイミングに配慮しましょう。

広告プラットフォームを間違えると成果が出にくい

広告収益を得るには、アプリのジャンルやターゲットユーザーに適した広告プラットフォームを選ぶことが大切です。広告プラットフォームとは、広告の配信、管理などを一元的に行うシステムのことを指し、どれを選ぶかによって、アプリに掲載される広告の内容が変わってきます。

アプリのターゲットユーザーに合わない広告配信は、収益化効果が低いばかりか、ユーザーに不快感を与えるリスクもあります。複数のプラットフォームを比較・検証し、最適なものを導入しましょう。

一定の収益が出たら確定申告が必要

アプリによって一定の収益が出たら、確定申告が必要になります。特に、個人事業主や副業としてアプリ運営を行っている場合は、税務上の手続きを忘れないよう注意が必要です。

収入状況を正確に把握し、必要に応じて税理士などの専門家に相談することも検討しましょう。

アプリ外課金で収益化を目指すなら、決済代行会社の利用がおすすめ

紹介した収益を上げる7 つの手法の中でも、ストア手数料を抑えコスト削減という観点で収益率改善に繋がる選択肢の一つが "アプリ外課金" です。しかし、アプリ外課金では自社で決済システムを構築・運用する手間や専門知識が必要になります。そこで、この負担を大幅に軽減し、より効率的に収益化を進めるために活用したいのが決済代行会社です。

決済代行会社ならではのソリューションと独自性

決済代行会社は、単に決済システムを提供するだけでなく、アプリ運営者の収益最大化をサポートするための多様なソリューションや独自性を持っています。
例えば、SBペイメントサービスでは、以下のような強みがあります。

事業者さまの課題 SBペイメントサービスの強み(ソリューション)
Webサイトの構築・運用にかかる費用やリソース 事業者さまのご負担を抑えて決済手段をご利用いただけるよう、契約手続きやシステム構築などのご支援が可能
不正アクセスや個人情報漏えいのリスク クレジットカード情報保護の国際基準「PCI DSS」に適合。また不正検知サービスや、クレジットカード情報の非保持化、本人認証サービス(EMV 3⁻Dセキュア)対応といったセキュリティ対策にも積極的に取り組み
ユーザーの利便性の低下 キャリア決済やPayPayといった、40ブランド以上の決済手段から最適な決済手段を導入可能
自社Webサイトの認知・集客方法 ソフトバンクのスマホユーザーに強い顧客基盤を生かした集客施策で、自社Webサイトの認知・集客拡大を後押し

アプリ外課金を導入する際は、決済代行会社のこうした専門性やセキュリティ体制を比較検討し、自社のアプリに最適なパートナーを選ぶことが成功へのカギとなります。他にも、当社ではアプリ外課金を含めたゲーム業界での導入実績も豊富にありますので、アプリ外課金を導入される際には、ぜひSBペイメントサービスへご相談ください。

よくあるご質問

Q.
アプリの収益化とは?
A.
アプリの収益化とは、スマートフォンやタブレット向けに開発したアプリを通じて、直接または間接的に収益を得ることを指します。アプリを収益化するには、アプリを多くのユーザーに利用してもらい、直接的または間接的に収入を得る仕組みを作ることが重要です。
Q.
アプリの収益化で重要になるKPIは?
A.
アプリ収益化において特に重要なKPIは、継続率です。アプリがどれくらいのユーザーを獲得したかを表す「ダウンロード数」、アプリを実際に利用しているユーザー数を表す「アクティブユーザー数」、アプリをダウンロードしたユーザーが一定期間後にもアプリを利用し続けている割合を示す「継続率」の3つです。これらの指標を定期的にチェックし、改善施策を講じていくことが収益化成功への近道となります。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。

監修者情報

SBペイメントサービス編集部

SBペイメントサービスはソフトバンクグループの一員として決済事業を担い、2004年に設立以降、幅広い業界の事業者さまに決済システムの導入を行っている。
当社のコラムでは、決済分野だけでなく、ECサイト運営やビジネスに役立つ情報を継続的に事業者さまに発信している。

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