ECサイト・ビジネスモデル

BtoB ECサイトとは?メリットや構築方法、おすすめサービスを紹介

企業間取引向けのBtoB ECサイトは、近年市場規模が増加しています。BtoB ECサイトを開設・運営することは、事業者さまにはもちろん、顧客企業にもメリットがありますが、スムーズに導入し成功させるためには注意点もあります。

そこで本記事では、BtoB ECサイトのメリット・デメリットに加えて、構築方法や必要な機能、用いられる決済方法などについて解説します。おすすめの構築サービスや決済サービスもご紹介しますので、BtoB ECサイトの導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

BtoB ECサイトとは?

BtoB ECサイトとは、企業や法人同士の取り引きを行うECサイトのこと。
従来のECサイトは、一般消費者をターゲットにしたBtoCの形態が一般的でした。しかし、近年は業務効率化を目指す企業の増加やITツールの普及などを背景にBtoB EC市場が拡大し、自社のBtoB ECサイトを開設・運営して、販路拡大や売上向上などを図る企業が増えています。

BtoB ECのもうひとつの形態「EDI」

BtoB ECの取引形態には、BtoB ECサイトとは別に「EDI(Electronic Data Interchange)」があります。
EDIは「電子データ交換」と訳され、一般的には企業間のデータ交換を行うことを目的に導入される仕組みを指します。

EDIは企業間で取り決めたルールや回線の中で受発注を行うことを目的としているため、すでに一定数の取り引きがある場合に導入すると業務の効率化が可能です。
ただし、顧客と互換性のある通信システムを導入する必要があることをはじめ、BtoB ECサイトと比べて柔軟性や拡張性が低いという側面もあります。

BtoB EC市場の拡大

経済産業省の「令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、日本のBtoB ECの市場規模は2021年時点で約372.7兆円です。2017年時点では約318.1兆円のため、5年間で約54.6兆円、市場規模が拡大していることがわかります。すべてのBtoB商取引に占めるECの割合を示す「EC化率」も年々高くなっており、2021年に35.6%に達しました。

日本のBtoB EC市場規模

出典:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書」(2022年8月)

BtoB ECが盛んな業種

経済産業省の「令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書」では、業種別のBtoB ECの市場規模やEC化率も公表されています。
2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大を背景に、EC化はどの業種でも進んでおり、なかでも「運送用機械」「食品」「電気・情報関連機器」を含む製造業が、市場規模・EC化率ともに大きく伸びています。

BtoB EC市場規模の業種別内訳

出典:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書」(2022年8月)

BtoB EC市場が拡大している理由

BtoB EC市場は、さまざまな理由を背景に拡大しています。ここでは、市場が拡大をしている5つの理由を見ていきましょう。

業務効率化を図る企業が増加しているため

BtoB EC市場が拡大している理由として、業務効率化を目指す企業が増加していることが挙げられます。
2016年に働き方改革が提唱されたことを受けて、多くの企業が長時間労働の解消や生産性向上に向けて業務効率化を目指すようになりました。
BtoB ECサイトを導入すると、FAXや書類の郵送といったアナログな業務が削減され、限りあるリソースを有効活用できるようになります。こうしたことから、BtoB ECサイトは企業の業務効率化の一環としても注目されているのです。

DX化を推進する動きが活発になっているため

ITツールの導入などでデジタル化を図り、業務プロセスやサービスの在り方を改善していく「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が推進されていることも、BtoB EC市場拡大の背景にあります。
また、スマートフォンやタブレットなどの各種デバイスが普及したことも、BtoB ECの市場規模拡大を後押ししている要因のひとつです。

顧客や競合がEC化に取り組んでいるため

前述したように、EC化率はさまざまな業種で向上しています。顧客や競合他社のBtoB EC化を受けて、BtoB ECサイトを導入する企業も増えているのです。

BCPの重要性が増しているため

「BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)」は、自然災害や国際情勢による緊急事態が生じた際、企業が損害を最小限に抑えながら事業継続や早期復旧を実現するために策定する計画のこと。
近年は新型コロナウイルス感染症の拡大などを背景に、資材の調達難や原材料の高騰が世界的に発生しており、BCP策定の重要性も増しています。
こうした流れの中、取引データをクラウド上で管理できるBtoB ECの導入が注目を集めているのです。

低コストのECサイト構築サービスが広がっているため

低コストでECサイトを構築できるサービスが複数登場していることも、BtoB EC市場の拡大を後押ししています。
ECサイトを構築するにはいくつか手法がありますが、なかでもECサイトに求められる機能が標準搭載されている「パッケージ型」やクラウド上のプラットフォームを利用して構築する「クラウド型」なら、自前でシステムを開発するよりも、手軽かつ低コストでBtoB ECサイトを導入できます。

BtoB ECサイトの種類

BtoB ECサイトは、「クローズドBtoB型」と「スモールBtoB型」の2種類に大きく分けられます。それぞれの特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。

クローズドBtoB型

クローズドBtoB型のECサイトは、既存の顧客と頻繁に、または定期的に取り引きがある場合に利用されます。
クローズドと呼ばれるとおり、Webで検索しても表示されずURLを共有されたユーザーしかアクセスできなかったり、ログインして初めてページを表示できたりする点が特徴です。
また、同じ商品やサービスでも顧客によって価格や表示する商品を変えることもできます。

クローズドBtoB型の場合、一定量の取り引きがある企業間同士では効率化が図れますが、決まったユーザーしかアクセスできません。そのため、売り手目線のサイト設計になりがちな側面もあり、買い手からすると使い勝手が悪いと感じられるECサイトも多くあります。

スモールBtoB型

スモールBtoB型のECサイトは、一般的なBtoCのECサイトと同じような形態です。インターネットで公開されているため、日本中あるいは世界中の企業をターゲットにすることができます。

通常、BtoBの取り引きは営業活動メインで行われるため、小規模企業や取引金額の小さい営業先は優先順位が低くなり、営業の手が回りません。その点、スモールBtoB型のECサイトなら、こうした小規模企業も取りこぼすことなく顧客にすることが可能です。
また、スモールBtoB型のECサイトを運営すれば、今までに問い合わせがなかった遠方企業や個人からの購入も見込めます。
BtoCのECサイトと形態が似ているため、クローズドBtoB型よりもサイトの構築が容易な点も魅力です。

BtoB ECサイトの特徴

BtoB ECサイトには、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは、BtoC ECサイトと比較しながら、BtoB ECサイトの特徴をご紹介します。

クローズドの場合、限られたユーザーのみが利用できる

前述したように、BtoB ECサイトには、限られたユーザーしか閲覧・購入できないクローズドBtoB型があります。
BtoC ECサイトは基本的にすべてのユーザーが同じ商品やサービスを閲覧・購入できますが、クローズドBtoB型のECサイトではURLを共有された限られたユーザーしか利用できません。また、顧客によって閲覧・購入できる商品が制限されることがある点が大きな違いです。

検討から購入までの時間が長い

BtoC ECサイトの場合は、買い手が購入の意思を持った時点で注文と決済を行うことがほとんどで、検討から購入までの時間は短いです。
その点、BtoB ECサイトは売り手企業の出した見積りをもとに買い手企業が購入を検討し、問題がなければ発注をかけることとなります。そのため、購入までの時間がBtoC ECサイトよりも長くなりやすいのです。

高額商品や大量購入が多い

1回の取り引きの量も金額も、BtoB ECサイトとBtoC ECサイトでは大きく異なります。
BtoCの場合は1個単位で数百円から取り引きが行われますが、BtoBは高額商品や大量購入が多くなります。

取り引きの条件によって商品価格が変動する

BtoC ECサイトの場合は、どのユーザーにも同じ商品価格が表示されます。
一方、BtoB ECサイトは、顧客や発注量、掛け率などに合わせてサイトで表示される価格が変わるケースが少なくありません。

掛売が多い

BtoC ECサイトでは、商品やサービスを受け取る前にクレジットカード決済やコンビニ決済などの方法で支払いを済ませたり、受け取り時に代金引換などの方法で支払ったりするのが一般的です。
それに対してBtoB ECサイトは、納品済みの商品やサービスの料金を、翌月にまとめて請求する掛売が中心となります。

BtoBビジネスをECサイトで行うメリット

BtoBビジネスをECサイトで行うことで、事業者さまやその顧客には具体的にどのようなメリットや効果が期待できるのでしょうか。ここでは、BtoB ECサイトのメリットを4つご紹介します。

新規顧客を獲得できる

BtoB ECサイトを導入すれば、買い手はインターネット環境さえあれば時間や場所を問わず閲覧や発注ができるようになります。遠方企業や小規模企業など、従来のビジネスモデルではフォローしきれなかった企業にも情報を届けられるようになり、新規顧客を獲得するうえで有利です。

業務を効率化できる

BtoB ECサイトでは、従来の受注対応で必要だったデータの入力や確認などの作業を自動化できるため、業務の効率化を図れます。
また、BtoB ECサイト上に在庫数や納期の目安を掲載したり、見積りの自動発行機能を搭載したりすれば、これまでに発生していた問い合わせへの対応業務も軽減できるようになるでしょう。

マーケティングに活用できる

BtoB ECサイトを導入すると、売上や販売数、リピート率、利用状況などの取引データを蓄積できます。そうしたデータを分析し、活用することで、より効率的なマーケティング施策を実行できるようになるでしょう。
また、サイト上で顧客に対してキャンペーンや限定販売などの販促施策も実施でき、さらなる受注増加も見込めます。

顧客にも多くのメリットがある

取り引きをEC化することは、顧客側にも多くのメリットがあります。
インターネット環境さえあれば、顧客は時間や場所を問わず商品や在庫の情報、納期などをチェックできるようになり、受発注も手軽に行えます。取り引きのフローもシンプルになるため、顧客側も利便性の向上や業務負担の軽減といったメリットを得られるのです。

BtoBビジネスをECサイトで行うデメリット

BtoB ECサイトの導入には、以下のようにデメリットもあります。デメリットを知ることは、自社のビジネスに適したBtoB ECサイトを構築するためにも大切です。

導入費用が高くなりやすい

BtoB ECサイトの導入コストは、BtoC ECサイトと比較して高くなりやすい傾向があります。これは、企業ごとに異なる取引形態をとる必要があり、事業者さま独自のシステム構築をしなければならないケースもあるためです。
構築方法やECサイトの規模によっては、初期費用として数百万から数千万円程度かかる可能性もあるでしょう。

サイト導入に伴い、既存顧客への適切なフォローが必要

これまで取り引きを電話やFAXで行っていた場合は、BtoB ECサイトの導入に伴い取り引きの方法が変わることを既存顧客に説明し、了承を得て対応してもらわなければなりません。
取り引きの方法の変更をスムーズに進めるためには、マニュアルの作成やデモサイトを使った操作方法の説明といったフォローが必要となります。

取り引きのフローを顧客ごとに構築する必要がある

BtoB ECサイトは、顧客ごとに取り引きのフローが変わるケースも珍しくないため、導入にあたっては各顧客に適したフローの構築が必要です。
また、BtoB ECサイトは、構築からリリースまでに1年以上かかる場合もあります。そのため、取り引きのフローの見直しを行った時点からさまざまな変更が生じる可能性も考慮しなければなりません。システム開発のフェーズに入っても、実際にECサイトを管理・運営するスタッフとこまめにコミュニケーションをとりながら構築を進める必要があるでしょう。

BtoB ECサイトの構築方法

BtoB ECサイトの構築方法は「ASP型」「パッケージ型」「クラウド型」「フルスクラッチ型」の4タイプあり、それぞれできることや費用感が異なります。構築方法ごとの特徴やメリット・デメリットを踏まえて自社の状況や用途に合わせた方法を選定し、サイト構築を進めてください。

ASP型

ASP型は、クラウド上で提供されるサービスを使った構築方法です。ECサイトに必要な基本的な機能がそろっており、テンプレートも用意されているため、手軽かつ数万円程度の低コストでECサイトを構築できます。導入までにかかる期間も短く、リリース後のバージョンアップやセキュリティ対応はベンダーが行ってくれるため便利です。

デメリットとしては、ほかの構築方法と比べてカスタマイズ性が低く、拡張性に欠けることが挙げられます。利用するクラウドシステムに合わせてECサイトを作成するため、独自性の高いECサイトを構築したい場合には不便に感じられる可能性があります。

パッケージ型

パッケージ型はECサイトに必要な機能が標準搭載されており、足りない部分をカスタマイズしていく構築方法。機能がある程度そろっているため、ECサイトの構築をゼロからスタートすることなく、自社の要件に合わせて作成できます。

デメリットは、ECのシステムが自動でアップデートされないため、3~5年程度で古くなってしまうことです。古くなったシステムはリニューアルする必要があり、その都度コストがかかります。
また、標準搭載されている機能やカスタマイズ性がシステムを提供するベンダーによって異なるため、自社のECサイトで実現したいことに対応できるシステムかどうかをチェックする必要があります。

クラウド型

クラウド型の場合は、クラウド上のプラットフォームを利用してECサイトを構築できます。システムが常に最新状態に保たれ、拡張性にも優れており、フルカスタマイズも可能。ASP型に比べ、独自性の高いECサイトを実現できる点がメリットです。
コスト感は初期費用・月額費用ともにパッケージ型と同程度ですが、クラウド型はシステムのリニューアルが不要なため、中長期的に考えるとコストは抑えられます。

ただし、クラウドのためソースコードが公開されていない点には注意が必要です。オープンソースでの開発が必要な企業には不向きな構築方法といえます。

フルスクラッチ型

フルスクラッチ型は、必要な機能やデザインなどの要件に合わせて、ゼロからオーダーメイドでECサイトを構築する方法です。ほかの構築方法と比べて開発期間が長くコストもかかりますが、要件を完全に満たすECサイトを実現できるメリットがあります。

デメリットは、構築後のECサイトの改修やセキュリティ対策は自社で対応しなければならないことです。そのため、十分なコストやリソースを確保したうえで検討することをおすすめします。

おすすめのBtoB ECサイトの構築サービス

現在はさまざまなBtoB ECサイトの構築サービスが登場しています。ここでは、おすすめの構築サービスを3つご紹介しますので、参考にしてください。

楽楽B2B

法人向けのBtoB受発注システム「楽楽B2B」は、顧客からのFAX注文をWeb注文に置き換えて受注業務を自動化することができます。受注内容の入力業務が不要となるためコスト削減につながり、浮いたリソースで売上向上やさらなる業務効率化を図ることも可能です。
また、情報自体を非表示にする「クローズドサイト」や、カタログ販売のような限られた情報だけが公開可能な「セミクローズドサイト」の構築にも対応しています。

アラジンEC

BtoB ECのWeb受発注システム「アラジンEC」は、企業間取引に必要な機能がパッケージ化されています。業種や業界特有の商習慣、企業ごとの独自の取引方法などに柔軟にカスタマイズすることも可能です。
基幹業務管理システムの開発・販売に関する長年の経験とノウハウがあり、どのような基幹システムでも「受注をデジタル化したい」「発注をデジタル化したい」といったニーズに対応できることを強みとしています。

Shopify

「Shopify」は、手軽にECサイトを構築できるECカートシステムです。ECサイトに必要な基本機能と追加アプリを組み合わせることでBtoB ECサイトも構築できます。卸売機能を追加できるアプリやサイト構築に使えるテーマ(デザインテンプレート)が充実しており、低コストで始められる点も魅力です。

また、大企業や取り引きの量が多いショップ向けの「Shopify Plusプラン」に加入すれば、テーマや価格設定、チェックアウトなどの高度なカスタマイズ機能も利用できるため、さらに卸売ビジネスを拡大できます。

BtoB ECサイトに必要な機能

BtoB ECサイトの構築サービスは、それぞれ多彩な機能を搭載していますが、構築する際には自社にとって必要な機能を持つサービスを選ぶことが大切です。
ここでは、BtoB ECサイトに最低限必要な、6つの機能について見ていきましょう。

顧客情報の管理機能

BtoB取引では顧客によって商品価格が異なることがあり、顧客別に商品情報を管理する必要があります。
そのため、BtoB ECサイトには、請求先や与信管理、商品価格設定などの情報を顧客別に管理する機能が求められます。

顧客の管理機能

BtoB ECサイトには、顧客ごとに取引情報を管理する機能も必要です。
割引率や決済方法、決済締め日、最大購入金額などを顧客ごとに管理できれば、マーケティング活動と連動させて個別の販促活動に活かすこともできるようになります。

見積り管理機能

見積り管理機能があれば、見積書や領収書の自動発行ができるようになります。BtoB取引の場合、購入前に稟議申請が必要なケースも珍しくありません。自動見積り機能や見積り保存機能があれば、顧客はスムーズに稟議を進めることが可能です。

承認フロー機能

BtoB取引を行う企業は、1つの案件あたりの単価が巨額になることが多く、個人の意思で購入に進むケースは少ないものです。BtoB ECサイトには、こうした事態に備えて、承認フローを自在に設定できる機能も求められます。

受発注の管理機能

受発注管理機能もBtoB ECサイトには欠かせません。この機能を使えば、仮注文の時点で在庫を引き当て、サプライヤーや製造部門、配送部門へ通知することができます。また、与信管理システムと連動させると、与信金額を超過していた場合に警告を出したり、注文不可にしたりすることも可能です。

ディスカウント管理機能

BtoB ECサイトの多くが、ボリュームディスカウントやキャンペーン、顧客に応じた割引などを実施します。顧客によって実施するディスカウント施策が異なるため、ディスカウント管理機能もBtoB ECサイトには必要です。

BtoB ECサイトで用いられる決済方法

BtoB ECサイトでは、掛売などさまざまな決済方法を導入することが可能です。どの決済方法を使えるのかは、事業者さま側と顧客のどちらにも大きく影響します。ここでは、BtoB ECサイトで主に用いられる、5つの決済方法の特徴を見ていきましょう。

掛売

掛売は、一定期間の取引代金を支払期日にまとめて回収する決済方法です。
資金繰りに余裕が生まれるため大きな取り引きがしやすくなることや、決済手続きを最低限に抑えられる点が買い手のメリットです。こうした点から掛売を好む買い手は多く、売り手も機会損失を防げます。

デメリットとしては、売り手に未回収リスクがあることが挙げられます。これを防ぐためにも、必要に応じて与信審査や請求書の発行、代金回収、入金管理、督促などの対応をとることが大切です。

代金引換

代金引換は、商品の到着時に取引金額と代引き手数料の合計額を宅配業者に回収してもらう決済方法です。回収後は、代引き手数料と振込手数料を差し引いた金額が、宅配業者から事業者さまへ入金されます。未回収リスクがないことがメリットです。

ただし、代金引換は代引き手数料がかかります。また、顧客の不在などが理由で商品の引き渡しができず、取り引きに遅延が発生するリスクも考慮しなければなりません。

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、カード会社経由で毎月決められた日に取引代金が入金される決済方法です。顧客が入金するたびに発生する確認作業を減らせる点と、カード会社を経由するために与信管理や請求書発行を自社で行わずに済むことがメリットです。

しかし、顧客によっては自社のコーポレートカードを持っていない、個人名義のクレジットカードは使いたくないなどの理由で、クレジットカード決済を避ける可能性もあります。
ECサイトの決済方法をクレジットカード決済のみにすると顧客を逃すリスクもあるため、ほかの決済方法も用意しておくことをおすすめします。

口座振替(自動引き落とし)

口座振替は、事前登録した指定口座から取引代金を自動的に引き落とす方法です。金額や引き落としのタイミングは事前に設定しておくため、取引代金の回収が毎月発生するような継続的な取り引きに向いている決済方法といえます。ほかの決済方法と比べて、手数料を抑えられる点もメリットです。

一方で、口座振替の登録から利用開始までに時間がかかる、残高不足による未回収リスクがあるといったデメリットもあります。

銀行振込(前払い)

銀行振込は、売り手の指定する金融機関の口座に、事前に支払いを済ませてもらう決済方法です。商品は入金を確認してから発送されるため、代金の未回収リスクがありません。

ただし、入金を確認できるまで商品を発送できないため、納期が短い場合は取り引きに遅延が発生するリスクがある点に注意しなければなりません。また、入金のたびに確認作業が発生する、前払いを避けたがる買い手が多いといった点がデメリットです。

BtoB ECサイトにおすすめの決済サービス

BtoB ECサイトに導入できる決済サービスはさまざまな種類があるため、どのサービスを選ぶべきか悩んでしまう事業者さまも多いでしょう。ここでは、BtoB ECサイトにおすすめの決済サービスを2つご紹介します。

マネーフォワード ケッサイ

マネーフォワード ケッサイは、マネーフォワードケッサイ株式会社が提供する、与信審査から未入金の際の督促までを代行してくれる企業間後払い決済サービスです。スタートアップから大手まで幅広い企業に導入事例があります。
マネーフォワード ケッサイは「100%入金保証」をうたっており、安心して掛売を導入することができます。また、個人事業主の与信審査にも対応しているため、BtoB ECサイトで個人事業主を含む新規顧客を獲得したい場合にも重宝するサービスです。

NP掛け払い

株式会社ネットプロテクションズが提供するNP掛け払いは、請求書払い関連のすべての業務を代行してくれる企業間決済サービスです。新規顧客の与信審査から請求書発行、入金管理、未入金の際の督促はもちろん、未払金の回収リスクの保証も代行してもらえます。
NP掛け払いは書類や印鑑の提出が不要なため、既存顧客もスムーズに請求書払いに移行できます。入金を待たずに商品を発送できるため納品スピードも向上し、クレームやトラブルを減らす効果も期待できるでしょう。

BtoB ECサイトで決済代行会社を利用するメリット

BtoB ECサイトの運営における決済関連業務の負担を大きく軽減できるのが、決済代行会社の利用です。ここでは、決済代行会社を利用するメリットを5つご紹介します。

目的に合った決済方法を教えてもらえる

事業者さまがBtoB ECサイトの決済手段を選定する場合、それぞれの決済方法の手数料率や決済フローなどを検討する必要があり、自社ECサイトに適した方法を見極めるまでに時間も手間もかかります。
その点、決済代行会社を利用すれば、事業者さまのニーズやECサイトに合った決済方法はどれなのかアドバイスを受けることが可能です。

決済機関との契約の手間を軽減できる

決済代行会社を利用すると、各決済機関との契約の手間を大きく軽減できます。
例えば、複数の国際ブランドに対応したクレジットカード決済を導入する場合は、それぞれのカード会社と個別契約を結ばなくてはなりません。しかし、決済代行会社は各カード会社との契約を一本化することができます。
各決済機関に提出する申請書類を作成したり、決済機関ごとの審査状況を確認したりする手間も省けるため、スムーズに決済システムを導入することが可能です。

システム開発の手間を軽減できる

決済システムは提供する決済機関によって仕様が異なり、事業者さまが導入する際は決済システムの仕様に合わせて自社システムを開発する必要があります。
決済代行会社を利用すれば、そうした手間は軽減されます。決済代行会社は複数の決済機関のシステムと連携しているため、事業者さまは決済代行会社とのシステムを構築するだけで済むのです。

管理ツールを一元化できる

事業者さまが決済機関と個別契約する場合は、各決済機関に対応した個別の管理ツールを運用しなければなりません。
決済代行会社を利用すれば、複数の決済機関の管理ツールを一元化することができます。これにより、処理作業も効率良く進められるようになるでしょう。

売上を一元管理できる

各決済機関の売上を一元管理できるようになるのも、決済代行会社を利用するメリットです。手数料率を差し引いた売上金額を同じ入金日に一括で振り込んでもらえるため、入金のたびに確認する手間も省けます。売上管理業務の負担の大幅な削減が可能です。

BtoB ECサイトの決済代行には、SBペイメントサービスがおすすめ

決済代行会社を利用することで、BtoB ECサイト運営における業務効率化やリスク軽減など、さまざまな効果が見込めます。
さらに、SBペイメントサービスには次のようなメリットがあります。決済代行会社選びにお悩みの場合は、ぜひご相談ください。

決済手段が豊富

SBペイメントサービスは事業者さまのニーズにお応えする豊富な決済サービスをご用意しており、BtoB ECサイトのすべての決済手段を一元管理できます。

また、オンライン決済サービスのシステム接続方式は、「リンク型」と「API型」を採用しています。リンク型は、SBペイメントサービスの提供する決済画面を呼び出して決済処理をする接続方式です。事業者さま側で決済画面を構築することなく、手軽かつスピーディーに導入することができます。
一方のAPI型は、事業者さまとSBペイメントサービスがサーバ間で決済情報を送受信して、決済処理を進める接続方式。事業者さま側で決済画面を自由に設計することができます。

実績が豊富

SBペイメントサービスは、すでにさまざまな事業者さまからご利用いただいております。年間5兆円を超える大規模トランザクションを処理する高度な決済システムを提供しているため、事業者さまはECサイトの規模にかかわらず安心して取り引きを進めることができます。

セキュリティ・サポート体制が充実

SBペイメントサービスは、ソフトバンクグループ株式会社の決済システムと決済情報を管理してきた実績をもとに、厳重な管理体制で確実な処理を実行。また、国際的セキュリティ基準「PCI DSS」の「完全準拠認定」をはじめ、複数の規格の認証を取得して安全性を担保しています。

サポート体制が充実していることも強みのひとつです。契約からシステムの導入・運用にご不明点があれば、経験豊富な「加盟店サポート」がしっかりとサポートいたします。

よくあるご質問

Q.
BtoB ECサイトとは何ですか?
A.
BtoB ECサイトとは、企業や法人同士の取り引きを行うECサイトのことです。従来のECサイトは一般消費者をターゲットにしたBtoCの形態が一般的でした。しかし近年は、業務効率化を目指す企業の増加やITツールの普及を背景にBtoB EC市場が拡大し、BtoB ECサイトを開設・運営して販路拡大や売上向上などを図る企業が増加しています。
Q.
BtoB ECサイトの市場規模は?
A.
経済産業省の「令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、日本のBtoB ECの市場規模は2021年時点で約372.7兆円です。2017年時点から5年間で約54.6兆円、市場規模が拡大しています。すべてのBtoB商取引に占めるECの割合を示す「EC化率」も年々高くなっており、2021年には35.6%に達しました。
なかでも、「運送用機械」「食品」「電気・情報関連機器」を含む製造業が、市場規模・EC化率ともに大きく伸びています。
Q.
BtoB ECサイトのメリットは?
A.
BtoBビジネスをECサイトで行うことで、事業者さまには「新規顧客を獲得できる」「業務を効率化できる」「マーケティングに活用できる」といったメリットがあります。
また、BtoB ECサイトがあれば、顧客側は時間や場所を問わず商品情報や在庫情報、納期などを確認でき、同時に受発注も手軽に行えます。顧客側にも利便性の向上や業務負担の軽減といったメリットがあるのです。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。

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