ECサイトを改善する方法とは?よくある課題や改善手順を解説

EC事業者さまの中には「ECサイトの売上がいまいち伸びない」「改善が必要だと思うものの、何を改善すれば良いのだろう?」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。ECサイトは一度構築すれば売上が維持できるとは限りません。対策が必要なポイントを的確に見極めて、改善し続ける必要があります。

今回は、ECサイトによくある課題や改善する手順、具体的な改善方法について解説します。ぜひ参考にしてください。

目次

ECサイトによくある課題

ECサイトの売上が伸びない背景には、いくつかの要因が考えられます。ECサイトによくある課題は次のとおりです。

ECサイトへの集客が少ない

ECサイトを訪れるお客さまが少ない場合、購入に至るお客さまの数も必然的に限られてしまいます。
一定数以上の集客を成功させることは、ECサイトの売上を伸ばすための第一歩と捉えてください。

ECサイトに集客する主な手法として、「SEO」「Web広告」「SNSの活用」の3つが挙げられます。Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなどの分析ツールを活用し、現状の流入経路と流入数を把握することが大切です。そのうえで、どの手法がうまくいっていないのか原因を特定し、対策を講じていく必要があるでしょう。

集客後のCVRが低い

ECサイトへの集客自体は成功していても、訪問したお客さまのCVR(コンバージョン率)が低ければ売上にはつながりません。流入数が一定数確保できているにもかかわらずCVRが低いということは、ECサイトを閲覧したものの購入に至らず、離脱しているお客さまが多いことを意味しているからです。

CVRを改善するには、ECサイトの改善に取り組む必要があります。お客さまが離脱しているポイントや購入に至らない理由を十分に分析し、仮説を立てたうえで改善を図っていくことが重要です。

客単価が低い

ECサイトへの集客ができており、商品を購入しているお客さまが確保できていたとしても、客単価が低いと売上を伸ばすことができません。
例えば、客単価が1,000円のECサイトと1万円のECサイトでは、同じ集客数やCVRであっても売上に10倍の開きが生じてしまいます。

ECサイトを改善する手順

ECサイトの改善は、どのような手順で進めれば良いのでしょうか。続いては、ECサイトの改善に取り組む際の基本的な手順について解説します。

1. 課題を把握する

初めに取り組むべきことは、現状ECサイトが抱えている課題の把握です。売上が伸びない原因は集客にあるのか、CVRや客単価にあるのかなど、課題を特定しておく必要があります。

例えば、「売上が少ない」といった漠然とした課題ではなく、「集客が少ない」「客単価が低い」といった具体的な課題を把握しておくことが大切です。具体的な課題を把握したら、解決すべき課題の優先順位を決めておきます。

2. 数値目標を設定する

取り組むべき課題が明確になったら、次に課題解決に必要な数値目標を設定しましょう。漠然と「集客を強化する」といった目標を掲げるのではなく、「セッション数を月間1万以上にする」といった具体的な数値を設定することが重要です。

数値目標が明確になっていれば、目標に対する達成度や改善策の効果を客観的に把握しやすくなります。まずは目標とする売上などのKGI(重要目標達成指標)を決め、KGIを達成するために必要なKPI(重要業績評価指標)を定めるのが基本的な手順です。

3. 改善方法を決めて実施する

次に、数値目標を達成するために必要な改善方法を検討しましょう。改善方法を決める際に重要な観点として、お客さまの目線に立つことが挙げられます。お客さまにとって探している商品が見つけやすいか、商品を購入するまでのプロセスが複雑ではないか、購入するにあたって不安に感じる点はないかといったことを総合的に検討したうえで、改善策を決定するのがポイントです。
改善方法が決まったら、実際にECサイトへと反映させます。

4. 効果測定を行い、次の方針を決める

改善策を講じたら、必ず効果測定を行ってください。例えば、セッション数を増やすための施策を講じたのであれば、実際にどれだけセッション数が改善されたのかを測定します。効果が見られたかどうかを検証し、次の方針を決めて実行するプロセスを繰り返すのが基本的な流れです。

改善策は、初めから狙いどおりの効果をもたらすとは限りません。想定よりも効果が表れなかったり、仮説とは異なる結果が出てしまったりすることもあるはずです。なぜ効果が出ないのか原因を検証し、PDCAサイクルを回しながらECサイトを改善していく必要があります。

ECサイトの課題を把握する方法

ECサイトの課題を把握するには、どのような点に着目すれば良いのでしょうか。特に重要度の高いポイントについて解説します。

アクセス数の多いページ(ボリュームゾーン)を確認する

まずは、現状ECサイト内でどのページへのアクセスが多いのか確認してください。アクセスの多いページをボリュームゾーンといいます。現時点でアクセス数が少ないページを改善するよりも、ボリュームゾーンとなっているページを改善するほうが高い改善効果を得られるでしょう。

流入経路を把握する

お客さまの流入経路についても必ず確認しましょう。ECサイトへの主な流入経路は以下のとおりです。

<ECサイトへの主な流入経路>

  • ・自然検索(オーガニック検索)
  • ・Web広告
  • ・SNS
  • ・他サイトからの流入

流入が多い経路を優先して改善することで、より高い効果を得られる可能性が高まります。
例えば、自然検索からの流入が多いのであればSEOを強化したほうが効果的です。Web広告がメインであれば、広告クリエイティブの改善やお客さまの属性に合わせたチューニングに取り組むといった対策が想定されます。

アクセス数が多いデバイスを確認する

ECサイトへのアクセス数が多いデバイスも把握しておく必要があります。アクセス数が多いデバイスの対策を優先するほうが、大きなインパクトが表れる確率が高いからです。

現状、スマートフォンからのアクセスが多いのであれば、スマートフォンへの最適化をいっそう強化することが重点課題となります。近年はECサイトにスマートフォンでアクセスするお客さまが増えているため、一般的にはスマートフォンの最適化を図るのが得策です。

アクセス数とCVRのバランスが悪いペーシを確認する

アクセス数とCVRのバランスを注視するのも重要なポイントといえます。アクセス数とCVRのバランスが悪いページは、何らかの理由で効果的に売上へとつながっていないことが懸念されるからです。

アクセス数は多いもののCVRが低いページは、購入へとつながる導線に問題があると考えられます。購入ボタンが見つけにくいなど、お客さまが購入するにあたって操作方法に迷う点はないか検証し、必要に応じて改善を図りましょう。

アクセス数が少なくCVRが高いページは、集客に問題を抱えていることが想定されます。該当するページへのアクセスを増やすことで売上につながる確率が高いため、EC事業者にとって大きなチャンスです。現状、アクセスが多いページから遷移できるようにしたり、SEOを適切に講じたりすることにより、集客の増強を図ることをおすすめします。

ECサイトの改善方法

ECサイトを改善するには、どのような施策を講じれば良いのでしょうか。集客・CVR・客単価をそれぞれ改善するための具体的な方策を紹介します。

集客を改善する方法

集客を改善する際には、流入が多い経路を優先的に改善するのが基本です。流入数を経路ごとに確認したうえで、優先すべき経路に次の施策を講じましょう。

広告を出稿する

Web広告の活用は、集客改善に有効な施策のひとつといえます。リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などのうち、自社の商材と親和性の高い広告を選んで出稿しましょう。広告は即効性の高い集客方法である反面、クリエイティブやキーワードなどの試行錯誤が不可欠な施策です。効果測定と改善を繰り返し、広告効果を高めていくことが求められます。

SEOを行う

SEOは、自然流入を増やすための基本的な施策といえます。お客さまのニーズに合ったキーワードの選定やコンテンツの充実化、お客さまと検索エンジンの双方にとってわかりやすいサイト構造への改善などを図る必要があるでしょう。SEOを行ったら必ず効果測定を行い、検証と改善を繰り返していくことが大切です。

ECサイトに有効なSEO施策については、以下の記事で詳しく説明しております。
ECサイトで有効なSEOとは?コンテンツマーケティングで集客する方法 | SBペイメントサービス

SNSを活用する

SNSにECサイトの公式アカウントを開設し、フォロワーを獲得していく方法もあります。お客さまとのコミュニケーションを通じてECサイトの認知度を高め、見込み顧客を取り込んでいきましょう。
SNSによっては、商品を直接販売できるサービスもあります。Instagramを活用したライブコマースなど、ファンとのコミュニケーションを強化するのも集客に効果的な手法のひとつです。

ライブコマースについては、以下の記事で詳しく説明しております。
ライブコマースとは?導入するメリットや成功事例などを解説 | SBペイメントサービス

リピーターを増やす

2回目以降の購入者を対象としたキャンペーンの実施やクーポンの配布、ポイント制度の導入など、リピーターを増やす施策を講じるのも有効な集客方法です。既存のお客さま向けにメールマガジンを発行したり、SNSやオウンドメディアを通じて商品に関する情報を発信したりすることで、リピーター獲得を強化しましょう。

ECサイトの集客強化については、以下の記事で詳しく説明しております。
ECサイトの集客方法とは?代表的な方法と成功のポイントを解説 | SBペイメントサービス

CVRを改善する方法

次に、CVRを改善する方法をご紹介します。特に重視するべき施策は下記の8点です。

スマートフォンを優先して最適化する

近年の傾向として、ECサイトの利用客はスマートフォンで商品を探し、購入に至るケースが増えています。CVRの改善を図るのであれば、スマートフォン表示の最適化やユーザー体験の改善を優先して取り組むのが得策でしょう。現状、スマートフォンに最適化されていないようなら、早急な対策をおすすめします。

表示スピードを速くする

ECサイトの表示スピードは、CVRに少なからず影響を与えます。ECサイトを利用するお客さまは、基本的に「待たされる」ことを嫌うため、表示スピードの遅さは離脱に直結します。必要以上に高解像度の画像掲載は避け、できるだけシンプルなサイト構造にするなどして、表示スピードの改善に取り組んでください。

UIを見直す

お客さまが欲しい商品をスムーズに見つけられるよう、UIを見直すのも重要なポイントです。よく売れている商品を見やすい位置へ移動したり、レイアウトを見直して商品の一覧性を高めたりするなど、商品を探しやすく選びやすいUIを心掛けましょう。商品カテゴリーの表示やサイト内検索の充実化を図るのもひとつの方法です。

ECサイトのデザインについては、以下の記事で詳しく説明しております。
ECサイトはどうデザインする?売れるECサイトのデザインを解説 | SBペイメントサービス

商品情報を充実させる

一つひとつの商品情報を充実させることも、CVR改善に向けた重要な施策といえます。テキスト・画像・動画を充実させ商品内容を十分に伝えることに加え、商品のデメリットにもふれる説明や、レビューの紹介を加えるのも有効な方法です。

商品説明や商品写真の掲載方法については、以下の記事で詳しく説明しております。
売上向上が期待できるECサイトの商品説明とは?特徴や書くコツを解説 | SBペイメントサービス
ECサイトの商品写真を撮影する方法とは?ポイントやテクニックを紹介 | SBペイメントサービス

店舗や運営会社の情報を記載する

ECサイトには、特定商取引法に基づく表記が欠かせません。お客さまに不安を感じさせないようにするためにも、店舗や運営会社の情報をきちんと記載することが大切です。ロゴの掲載や利用規約・プライバシーポリシーの掲載、運営会社に関する情報の明示などを通じて、お客さまの信頼を得られるECサイトを目指しましょう。

特定商取引法に基づく表記に必要な項目や具体的な書き方については、以下の記事で詳しく説明しております。
特定商取引法に基づく表記とは?必要な項目や書き方、罰則などを解説 | SBペイメントサービス

FAQページを作成する

お客さまが疑問点や不明点を解消できるよう、FAQページを作成しておくといいでしょう。FAQページと併せて、問い合わせ窓口の設置やWeb接客ツールの導入も、お客さまの不安や疑問を解消する施策として有効です。

Web接客ツールについては、以下の記事で詳しく説明しております。
WEB接客ツールとは?ECサイトの課題を解決する注目のツ-ルをご紹介 | SBペイメントサービス

入力フォームを見直す

購入時に必要な情報を入力するフォームは、項目を極力少なくすることや、入力方法をわかりやすくすることが重要です。お客さまがストレスを感じることなく入力できるよう、シンプルな外観や入力方法にする必要があります。
例えば、全角・半角の区別がエラーの原因になると、お客さまにストレスを与えかねません。入力時に全角・半角が自動指定されるように改善するなど、細部まで配慮しましょう。

カゴ落ちを減らす

商品をカートに入れたものの、何らかの理由で購入に至らないことをカゴ落ちといいます。購入・決済・配送方法がわかりにくいことや、決済手段が限られていることなどが、カゴ落ちの主な原因です。
購入・決済・配送方法を明確に示すことや、決済手段をできるだけ多く用意しておくといった対策を講じる必要があります。

カゴ落ちについては、以下の記事で詳しく説明しております。
カゴ落ちとは?ECサイトのカゴ落ちの原因や対策・改善方法を解説 | SBペイメントサービス

客単価を改善する方法

客単価を改善する代表的な対策は、「アップセル」「クロスセル」の強化です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

アップセル

アップセルとは、より単価が高い商品を提案する手法です。価格が高い商品を購入してもらうことにより、客単価の改善につなげます。ECサイトにおいては、「この商品を閲覧した人はこんな商品も買っています」といった表示をすることにより、購入を検討している商品よりもグレードの高い商品に興味や関心を持ってもらうことが大切です。

クロスセル

クロスセルとは、購入を検討している商品や過去に購入したものの関連商品を提案する手法です。関連商品を購入してもらうことにより、客単価の改善につながります。ECサイトにおいては、商品を購入したお客さまに対して、関連商品に関する情報を自動でレコメンドする仕組みを整えておくと効果的です。関連商品を併せて活用することで利便性や機能性が高まれば、お客さまにも喜んでいただくことができるでしょう。

決済代行会社を利用すれば、決済手段が増えても管理が容易

お客さまにとって使い勝手の良いECサイトにするには、決済手段を豊富に取り揃えておくことが重要です。一方で、複数の決済機関と個別に契約すると、手続きや管理に手間がかかります。

決済代行会社を利用することにより、決済機関と契約する際の窓口を一本化できます。契約の手間が軽減され、複数の決済手段をより手軽に導入しやすくなるでしょう。
また、導入に伴うシステム開発についても決済代行会社に実施してもらえるため、自社でのシステム開発が不要となります。決済システムの導入後、管理ツールを一元化できることや、売上を一元管理できることも決済代行会社を活用する大きなメリットです。

決済代行会社では、セキュリティ対策や集客支援サービスなどのオプションも提供しています。こうしたサービスを利用することで、ECサイトの安全性や利便性をいっそう高めることも可能です。決済代行会社を活用して、お客さまにとって利用しやすいECサイトを実現してみてはいかがでしょうか。

決済代行については、以下の記事で詳しく説明しております。
決済代行とは?決済代行サービスの仕組みとメリットを徹底解説 | SBペイメントサービス

決済手段の導入には、SBペイメントサービスがおすすめ

決済手段を導入する際には、SBペイメントサービスのご利用がおすすめです。40ブランド以上の決済手段を提供しており、複数の決済方法を一度の手続きで導入できます。また、連携済みのECカートやメールリンク決済であればシステム開発が不要となるだけでなく、システム開発が必要な事業者さまにはニーズに合わせた接続方法をご用意している点も大きな特徴です。システム開発の負担を減らしつつ、豊富な決済手段を手軽に導入できることは、事業者さまにとって大きなメリットといえるでしょう。

また、SBペイメントサービスはセキュリティ対策やサポートも充実しています。AI不正検知サービスや3Dセキュア2.0の導入など、事業者さまとお客さまに安心してご利用いただける環境の構築が可能です。マーケティング支援プランもご用意しているため、ECサイトの運営をいっそう強化していただくこともできます。さまざまな決済手段を導入し、ECサイトの売上強化を図りたい事業者さまは、業界最大規模の実績を持つSBペイメントサービスをぜひご利用ください。

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オンライン決済については、以下の記事で詳しく説明しております。
オンライン決済とは?メリットやデメリット、特徴を解説 | SBペイメントサービス

よくあるご質問

Q.
ECサイトの主な流入経路は?
A.
ECサイトへの主な流入経路は「自然検索(オーガニック検索)」「Web広告」「SNS」「他サイトからの流入」の4パターンです。流入が多い経路を優先して改善することで、より高い効果を得られる可能性が高まります。
Q.
ECサイトの集客を増やすには?
A.
ECサイトへの集客を増やす方法として、「広告を出稿する」「SEOを行う」「SNSを活用する」「リピーターを増やす」の4つの施策が挙げられます。
Web広告を活用する場合は、自社の商材と親和性の高い広告を選んで出稿しましょう。SEOは、お客さまのニーズに合ったキーワードの選定やコンテンツの充実化、お客さまと検索エンジンの双方にとってわかりやすいサイト構造への改善などが有効です。SNSでお客さまとのコミュニケーションを図ることでECサイトの認知度を高め、見込み顧客を取り込む方法もあります。なお、リピーターを増やすには、2回目以降の購入者を対象としたキャンペーンの実施や、既存のお客さま向けのメールマガジン発行などが効果的です。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。

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