ECサイト上のお買い物で近年利用が伸びている決済方法のひとつに、キャリア決済があります。キャリア決済がEC事業者さま・お客さまに徐々に浸透してきているなか、ご導入をご検討されているEC事業者さまも多いことでしょう。
当コラムでは、キャリア決済にどのような導入メリットがあるのか、詳しく解説していきます。
目次
キャリア決済とは?スマホEC市場は5年で3倍以上に!
キャリア決済とは、ECサイトでお買い物する際に、各キャリアのIDとパスワード認証を利用して決済を行い、月々の利用料金に商品代金を合算し請求する決済手段です。例えば、月々スマートフォンの料金を5,000円支払っているとします。そこにキャリア決済で1,000円のお買い物をすると、これがスマートフォンの料金に加算され、6,000円の利用料金として請求されるわけです。
キャリア決済が浸透してきている背景として、スマホEC市場の拡大があります。スマホEC市場は2012年には6,900億円の市場規模でしたが、2017年には2兆5,400億円と3倍以上に成長。さらに右肩上がりの伸びを見せており、2019年には3兆1,200億円まで増加すると予測されています。

(出典)富士経済「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2018」
どのようなEC業種でスマホでの購入比率が伸びているのか
ECサイトで商品やサービスを購入する際に、PC・タブレットではなくスマートフォンを利用して決済を行うお客さまが多くなってきていますが、どのEC業種でスマホでの購入比率が伸びているのでしょうか。
下記の表<EC市場スマホでの購入比率>の2015年と2016年で業種別に比較すると、書籍・アパレル、生活雑貨、ビューティ、家電製品、健康食品・医薬品、食品・産直品など、さまざまな分野で概ね前年比1%~2%の成長が見られます。
この結果より、特にどこかの業種で偏って利用されているわけではなく、どの領域においてもスマホでの購入比率が伸びてきているといえます。こういった状況からもスマホを利用して決済することに慣れたお客さまに対し、クレジットカード情報入力が不要で簡単に決済できるキャリア決済を提供することは、ECサイトにおける利便性向上のため重要となります。
<EC市場スマホでの購入比率>
業種 | 2015年 | 2016年 | 前年比 |
---|---|---|---|
書籍・ソフト | 28.6% | 30.9% | +2.3% |
食品・産直品 | 17.6% | 19.8% | +2.2% |
アパレル | 42.9% | 45.1% | +2.2% |
家電製品・パソコン | 22.1% | 23.7% | +1.6% |
健康食品・医薬品 | 21.9% | 23.2% | +1.3% |
生活雑貨 | 28.2% | 29.3% | +1.1% |
ビューティー | 30.3% | 31.2% | +0.9% |
(出典)富士経済「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2018」
また、「キャリア決済したいがECサイトで決済手段として用意されていない」という場合、お客さまはどのような行動をとるのでしょうか。
下記の「希望するお支払い手段がない場合どうしますか?」というアンケート調査の結果、「同じサイトで別の決済手段(クレジットカードや代金引換など)を利用してお買い物をする」お客さまは、わずか4人に1人しかいないという結果が出ています。言い換えると、4人のうち3人ものお客さまは購入をせずにサイトから離脱してしまうということになります。
この結果から、EC事業者さまは複数の決済手段を用意していないと、販売機会の損失に繋がる可能性が高くなると言えます。
<アンケート調査:希望するお支払い手段がない場合どうしますか?>

(出典)ネットプロダクションズ社によるアンケート調査
調査方法:インターネットリサーチ
実施期間:2016年3月25日~26日
対象:全国の10代~50代の男女2,065人
最もシンプルな決済方法だから離脱率も低い!

キャリア決済のメリットとして、シンプルな決済方法が挙げられます。
例えば、お客さまがクレジットカードでお支払いされる場合、お支払い手段を選択後、カード番号などを入力し、さらに本人認証をパスワードなどで行う必要があります。しかし、キャリア決済であれば、お支払い手段を選択後、各キャリアの提供する画面にログインし4桁の暗証番号を入力するだけでお支払いが完了となります。カード情報を細かく打ち込む必要がなく、電車移動などの隙間時間でも簡単に決済できるため、お支払い完了前にサイトを離脱することが少なくなります。
またキャリア決済をご導入することで、クレジットカードをお持ちでない若年層のお客さまや、ECサイトでのカード情報を入力することに抵抗があるお客さま方にもご利用いただけ、新たな層の拡大にも繋がります。加えて、EC事業者さまはキャリア決済をご導入されると、リアルタイムで商品購入の入金通知が届きますので、商品発送をスピーディーに行えたり、売上管理をしやすくなるというメリットもあります。
クレジットカード決済売上への悪影響はあるのか?
キャリア決済を導入することによる懸念のひとつに、「クレジットカード決済売上への悪影響があるのではないか」というものがあります。キャリア決済はクレジットカードと比較して手数料が高く設定されているため、本来クレジットカードで売れるはずだったものが売れなくなるのではないか、という懸念です。
しかし、それはご心配には及びません。キャリア決済の導入前後でどのように売上が変わるのかを当社で調査した結果、グルメサイト、オンライン化粧品販売、コンサートなどのチケット会員サービス、ウェブマガジンといった各業種でいずれも売上が大きく成長したという結果が出ています。このことから、キャリア決済を導入することは、一方の決済手段からの売上が減るものではなく、お客さまの多様な決済ニーズを満たせることで全体売上の成長に貢献することができるといえます。
<キャリア決済導入前後の業種別売上推移>

調査方法:当社実績調べ
調査期間:2016年7月~2018年4月
キャリア3社を一括導入できるのが当社の強み
キャリア決済では、主要キャリア3社のサービスが存在します。SoftBankの「ソフトバンクまとめて支払い」、NTTドコモの「d払い」、auの「auかんたん決済」です。
キャリア決済を導入するためには各キャリアと契約を結ぶ必要がありますが、3社それぞれと個別に契約するのはEC事業者さまにとって負担であり、あまり現実的とはいえません。ただ一方で、いずれか1社のみと契約するというのもおすすめできません。「キャリア決済ができます」とうたった場合、お客さまは3社すべてのキャリア決済が使えることを想定してしまうからです。
そこで、キャリア決済の契約を代行する当社の出番です。当社の強みは、「ソフトバンクまとめて支払い」、「d払い(キャリア)」、「auかんたん決済」の3キャリアの決済をまとめてご導入いただけることです。また導入後の売上管理も一本化できるためEC事業者さまの経理作業の負担軽減にもつながります。
当社では、さまざまな課金方式にも対応しており、商品購入時にその都度決済する「都度課金タイプ」はもちろん、月額の動画配信サービス・音楽配信サービスのように決まった金額を定期的に払う「継続課金タイプ」の支払いにも3キャリア全てで対応しています。すでにショッピングやファッション、動画・音楽・ゲームといったデジタルコンテンツなど、幅広いサービスカテゴリーに導入実績を持っていることも当社の強みです。
さまざまな業種やビジネスモデルに対応できるキャリア決済の導入をご検討されているEC事業者さまは、ぜひ一度当社にお問い合わせください。