アプリ外課金とは?事業者必見!メリットやスマホ法の影響を解説

アプリ外部のWebサイトで課金を行う「アプリ外課金」は、近年あらためて注目されている課金方式です。スマホ法の施行や、Apple・Googleによる決済ルールの見直しを背景に、アプリ事業者さまが決済手段を選択できる余地が広がっています。

アプリ外課金を活用することで、プラットフォーム手数料を抑えた販売設計や、多様な決済手段の提供が可能になる一方、Webサイトの構築やユーザー導線の設計など、検討すべき点も少なくありません。

本記事では、アプリ外課金の基本的な仕組みから、広がっている背景、メリット・デメリット、導入時のポイントまでを、スマホ法の影響も踏まえて解説します。

目次

アプリ外課金とは、アプリ外のWebサイトで課金をすること

アプリ外課金とは、アプリの機能やコンテンツを購入する際に、アプリ内部ではなく外部のWebサイトで購入する課金方式のことです。
アプリ内での課金は通常、App StoreやGoogle Playといったプラットフォーム側の決済システムを利用するため、事業者さまは販売額の最大30%程度の決済手数料をプラットフォーム側に対して支払う必要があります。一方、アプリ外課金では外部のWebサイトにユーザーを誘導し、事業者さまが用意した決済システムを使用するため、決済手数料を削減することが可能です。

例えば、App Storeで配信されるアプリでは、従来、すべての課金がApp Storeの決済システムを通じて行われてきました。しかし、アプリ外課金を利用することで、事業者さまは自社で導入した決済システムを活用でき、コスト削減や独自の課金方法を構築できるメリットがあります。

アプリ外課金が広がっている理由

近年、アプリ外課金が改めて注目されている背景には、制度面とプラットフォーム運用の両面で環境が大きく変化していることがあります。

まず、日本では2025年12月にスマホソフトウェア競争促進法(スマホ法)が施行され、アプリ内課金の強制や、外部決済への誘導を不当に制限する行為が禁止されました。これにより、アプリ事業者さまは、アプリ外課金を含む複数の決済手段を検討できる環境が制度上整備されました。

こうした法整備を受け、AppleやGoogleも、アプリ外課金や外部決済に関する独自のルールや手数料体系を公表しました。これにより、アプリ事業者さまはプラットフォーム側が提供する「アプリ内課金一択」ではなく、決済方法ごとのコストやユーザー体験を比較したうえで、最適な販売設計を検討できるようになっています。

また、事業者さま側だけでなく、ユーザー側でも「アプリで利用し、Webで購入する」といった行動が徐々に浸透しつつあります。Web限定の価格や特典、利用できる決済手段の多さなどを理由に、アプリ外課金を選択するユーザーが増えている点も、普及を後押しする要因といえるでしょう。
実際に2025年3月にSBペイメントサービスがスマホゲームアプリを普段プレーする男女1,673人に調査した結果によると、「アプリ内課金よりお得な場合アプリ外課金を利用したい」と回答した割合は全体の4割以上となりました。特に若年層である20代・30代は5割以上と過半数の方が利用したいと回答し、アプリ外課金にポジティブな意向を見せていました。

【年代別】アプリ内課金よりお得な場合のアプリ外課金の利用意向

【年代別】アプリ内課金よりお得な場合のアプリ外課金の利用意向を示した図

このように、アプリ外課金の広がりは、一時的な規制緩和によるものではなく、制度・プラットフォーム運用・ユーザー行動の変化が重なった結果として進んでいます。

スマホ法については、以下の記事で詳しく説明しております。
スマホ法で何が変わる?Apple/Googleの対応とアプリ外課金の導入ポイント

アプリ外課金が与える行動の変化とは

スマホ法の施行により、アプリ外課金は「検討できる選択肢」から「現実的に設計すべき選択肢」へと位置づけが変わりつつあります。これまでアプリの課金は、アプリストアが定めたルールに沿って行うのが一般的でしたが、現在はアプリ事業者さま自身が、課金導線や販売方法を比較・選択できる環境が整っています。

こうした変化は、事業者さま側の販売設計やマーケティングだけでなく、ユーザーの購入行動にも影響を及ぼします。本章では、スマホ法施行後の環境変化を踏まえ、アプリ外課金が事業者さま・ユーザー双方の行動にどのような変化をもたらすのかを整理します。

事業者さま側の行動変化

スマホ法によってアプリ外課金への導線を設計しやすくなることで、アプリ事業者さまのマーケティングや販売戦略にも変化が生まれます。

① アプリ内導線の設計が積極的に行われる

これまでは外部サイトへのリンク掲載が制限されていたため、アプリ内で完結する課金設計が中心でした。今後は、アプリからWebサイトへ誘導したり、アプリ上でWeb限定価格やキャンペーン内容を案内したりと、アプリ外での購入を後押しする導線設計が広がるでしょう。

② CRM(顧客管理)の強化へシフト

Web経由での購入が増えると、アプリストアを介さずにユーザー情報を把握できる場面が増えます。そのため、メールやLINE、Web会員IDとの連携など、アプリ外チャネルを活用した継続的なコミュニケーションが重要になるでしょう。アプリストアに依存せず、長期的な顧客関係を構築しようとする動きが強まります。

③ 価格戦略・販売方法の自由度が向上

アプリ外課金が一般化することで、アプリストアの制約を受けにくくなり、Web限定割引やポイント還元、サブスクリプションの価格設計など、より柔軟な販売方法を検討しやすくなります。

ユーザー側の行動変化

事業者さま側の提供方法が変わることで、ユーザーの購入行動にも変化が生まれます。

① 「アプリで遊ぶ/Webで買う」という行動が浸透

これまではアプリ内でそのまま購入するケースが多く見られましたが、今後は「Webショップで購入し、アプリで利用する」という行動が一般的になる可能性があります。ユーザーは、価格や特典を比較しながら、より条件の良い購入方法を選ぶようになると考えられるでしょう。

② キャンペーン比較の行動が活発化

アプリ外で購入するメリットを示すため、Web限定ポイントの付与や限定アイテムの増量といったキャンペーンが行われるようになります。その結果、「お得さ」を求めてWeb経由で購入する傾向が強まるでしょう。

アプリ外課金を実施している主なサービス

アプリ外課金は、特に電子書籍や音楽を提供するリーダーアプリを中心に広がっていますが、すでにゲームアプリで導入されている例もあります。ゲームアプリでアプリ外課金を実施しているサービスを一部取り上げてご紹介します。

バンダイナムコエンターテインメント:「WEB STORE」で購入するとアイテムが増量

株式会社バンダイナムコエンターテインメントは、同社のゲーム内で利用するアイテムを購入できる「WEB STORE」を運営しています。「WEB STORE」で購入するとアイテムが増量になるといった、プレイヤーにとってメリットがあるのが特徴です。(2025年12月時点)

コナミグループ:スポーツゲームのアイテムをさまざまな決済手段で購入可能

コナミグループ株式会社では、Webストア「KONAMI Gamesストア」を通じて、さまざまなゲームアイテムを販売しています。野球、サッカー、麻雀といったゲームのアイテムを、クレジットカードやPayPayなど、多様な決済手段で購入可能です。

MIXI:アイテムを購入するたびにポイントが付与される仕組みを導入

人気ゲーム「モンスターストライク(モンスト)」を提供する株式会社MIXIは、「モンストWebショップ」でゲーム用アイテムを販売しています。購入するたびにポイントが付与される仕組みを導入するなど、プレイヤーにとって魅力的な課金システムを採用しています。

アプリ外課金を行うメリット

アプリ外課金を行うメリットは、主に以下の2つです。アプリ外課金の導入を検討している事業者さまは、ぜひ参考にしてください。

プラットフォーム側へ支払う手数料を抑えられる

アプリ外課金を活用することで、アプリ内課金と比べて、プラットフォーム側へ支払う手数料を抑えられます。

アプリ内課金では、プラットフォーム側が提供する決済システムを利用するため、売上の一定割合を手数料として支払う必要があります。一方、アプリ外課金では、外部のWebサイトで決済を行うため、課金方法や誘導手段によっては、プラットフォーム側の手数料負担を軽減、または発生させずに運用できるケースもあります。スマホ法の施行後は、AppleやGoogleがアプリ外課金に関する独自のルールや手数料体系を定めているため、それらを踏まえたうえで、コスト構造を最適化できる点が大きなメリットといえるでしょう。

結果として、手数料だけでなく、販売設計や価格戦略を含めた収益性の見直しにつなげやすくなります。

プラットフォーム側に支払う手数料については、以下の記事で詳しく説明しております。
スマホ法で何が変わる?Apple/Googleの対応とアプリ外決済の導入ポイント

ユーザーのニーズに応えやすい

自社のWebサイトであれば多様な決済手段を提供できるため、ユーザーのニーズに応えやすいこともアプリ外課金のメリットです。クレジットカード決済やQRコード決済など複数の決済手段を用意することで、ユーザーは自分に合った支払い方法で決済が可能です。また、キャンペーンやポイントシステムも独自に設計できるなど、顧客満足度を高める施策を柔軟に実施することも可能です。

アプリ外課金を行うデメリット

アプリ外課金にはさまざまなメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。主なデメリットは以下のとおりです。

決済用のWebサイトが必要

アプリ外課金を実現するためには、決済機能を備えたWebサイトを自社で構築する必要があります。このプロセスには、初期費用や運用コストがかかるだけでなく、社内に専門知識や人的リソースも必要です。また、セキュリティ対策が不十分な場合、不正アクセスや個人情報の漏えいリスクが高まる危険性があります。

この対策として、決済代行会社を利用することをおすすめします。初期費用・運用コストの面では、決済代行会社が事業者さまに代わって各決済機関への手続きを行ってくれたり、決済環境の構築を行ってくれたりするため、自社で一から構築するより費用や工数を抑えることができます。またセキュリティ対策に関しても、PCI DSSに準拠した決済代行会社を利用することで、クレジットカード情報や個人情報を安全に処理し顧客のデータを守ることができます。

アプリの利便性が低下することがある

アプリの利便性が低下することがある点も、アプリ外課金のデメリットです。アプリ外課金では、ユーザーが課金を行う際アプリ外部へ誘導されます。これにより、アプリ上での顧客体験が損なわれる場合があります。

特に、アプリ内でのシームレスな購入体験に慣れたユーザーは、遷移する画面が多くなることで不便に感じてしまうかもしれません。この不便さが、購入意欲の低下や離脱率の増加につながることも考えられます。

アプリ外課金を検討する際のポイント

アプリ外課金の導入を検討する際は、いくつかのポイントを押さえる必要があります。押さえるべきポイントは、主に以下のとおりです。

長期的視点でのコスト比較の重要性

事業者さまにとって、アプリ外課金の導入は収益を改善するための重要な施策といえます。
その上で、長期的視点で自社サイトの構築・運用コストとプラットフォーム側に支払う決済手数料を比較することはアプリ外課金導入前に必ず検討すべきポイントです。

自社のWebサイトを構築・運用する場合には、初期投資として大きな費用がかかる可能性があります。一方、プラットフォーム側に支払う決済手数料は、売上の一定割合を占めるため長期的には大きな負担となってしまいます。どちらが自社の成長にとってメリットとなるかを、短期的ではなく長期的な視点でよく検討するようにしましょう。また、自社のWebサイトの決済にかかる費用などがどれくらいになるかについては、決済代行会社などにご相談し見積もりを出してもらうことをおすすめします。

ユーザーの利便性を考慮する

アプリ外課金の導入を検討する際は、ユーザーの利便性をよく考慮することをおすすめします。アプリ外課金を選択すると、ユーザーが外部のWebサイトで課金を行うため、手続きが煩雑だと離脱率が上がる可能性があります。そのため、アプリ外課金を導入する際には、決済画面での認証が簡易で利便性が高いかを考慮しましょう。例えば、キャリア決済なら各携帯キャリアの提供する画面にログイン後、4桁の暗証番号を入力するだけで決済が完了します。また、PayPayなどのQRコード決済であれば、アカウントにログインするだけで支払いが完了するため、入力の手間が少なく離脱率防止に貢献できます。

こういった決済手段を導入することで、アプリ外課金であっても利便性低下を防ぐ効果を期待できます。

外部のWebサイトの認知と集客も併せて検討する

アプリ外課金の導入を検討する際は、外部のWebサイトの認知と集客を、併せて検討する必要があります。アプリ外課金を導入しても、外部のWebサイトの認知が広がらなくてはユーザーが集まらず、自社Webサイトの運用メリットが損なわれてしまうためです。

認知・集客を広げる対策例としては、アプリダウンロード前に外部のWebサイトでの購入のメリットをユーザーに刷り込むことや、登録されているメールアドレスに定期的にWebサイトで実施中のキャンペーン内容を送るなどが挙げられます。

SBペイメントサービスが選ばれる理由

アプリ外課金を導入する際には、記事の中でご紹介したように事業者さまの課題となる部分がいくつかありますが、決済代行会社であるSBペイメントサービスにお任せいただければ、課題の解決に貢献できます。

アプリ外課金を導入する際の課題とSBペイメントサービスのソリューション

事業者さまの課題 SBペイメントサービスのソリューション
Webサイトの構築・運用にかかる費用やリソース 事業者さまのご負担を抑えて決済手段をご利用いただけるよう、契約手続きやシステム構築などのご支援が可能
不正アクセスや個人情報漏えいのリスク クレジットカード情報保護の国際基準「PCI DSS」に適合。また不正検知サービスや、クレジットカード情報の非保持化、本人認証サービス(EMV 3⁻Dセキュア)対応といったセキュリティ対策にも積極的に取り組み
ユーザーの利便性の低下 キャリア決済やPayPayといった、40ブランド以上の決済手段から最適な決済手段を導入可能
自社Webサイトの認知・集客方法 ソフトバンクのスマホユーザーの顧客基盤を生かした集客施策で、自社Webサイトの認知・集客拡大を後押し

他にも、当社ではアプリ外課金を含めたゲーム業界での導入実績も豊富にありますので、アプリ外課金を導入される際には、ぜひSBペイメントサービスへご相談ください。

よくあるご質問

Q.
アプリ外課金とは?
A.
アプリ外課金とは、アプリ内で課金を行うのではなく、外部のWebサイトを利用して決済を行う仕組みのことです。この課金方式では、App StoreやGoogle Playといったプラットフォームの課金システムを利用しないため、プラットフォーム側に支払う手数料を抑えることができます。
Q.
スマホ法とは?
A.
スマホ法とは、「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」の通称で、2025年12月18日に施行されており、AppleやGoogleといった提供事業者に対し、過度な制限を防ぎ、アプリ市場の公正な競争を促すことを目的とした法律です。
Q.
アプリ外課金のメリットは?
A.
アプリ外課金の主なメリットには、プラットフォームへの手数料負担がかからないこと、ユーザーに多様な決済手段を提供できることがあります。さらに、価格設定やキャンペーン設計の柔軟性が向上し、収益性を高めることもできます。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。

  • ※「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
  • ※Apple、Appleのロゴ、iPhone、iPadは、米国もしくはその他の国や地域におけるApple Inc.の商標です。
  • ※App StoreはApple Inc.のサービスマークです。
  • ※Google Playは、Google LLC の商標または登録商標です。

監修者情報

SBペイメントサービス編集部

SBペイメントサービスはソフトバンクグループの一員として決済事業を担い、2004年に設立以降、幅広い業界の事業者さまに決済システムの導入を行っている。
当社のコラムでは、決済分野だけでなく、ECサイト運営やビジネスに役立つ情報を継続的に事業者さまに発信している。

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