アプリ外課金とは?事業者必見!メリット・デメリットや検討のポイントを解説

アプリ外部のWebサイトなどで課金を行うアプリ外課金は、ゲームアプリを提供する事業者さまなどの間で利用が広がっている課金方式です。
アプリ外課金には、プラットフォーム側に支払う手数料がかからず、安くアイテムを購入したいというユーザーのニーズにも応えやすいといったメリットがある一方、決済用のWebサイトを用意する必要があるというデメリットもあるため、導入する際は慎重に検討する必要があります。

本記事では、アプリ外課金の概要や広がっている理由のほか、メリット・デメリットについて解説します。アプリ外課金の導入を検討する際のポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

アプリ外課金とは、アプリ外のWebサイトで課金をすること

アプリ外課金とは、アプリの機能やコンテンツを購入する際に、アプリ内部ではなく外部のWebサイトで購入する課金方式のことです。
アプリ内での課金は通常、App StoreやGoogle Playといったプラットフォーム側の決済システムを利用するため、事業者さまは販売額の15%~30%の決済手数料をプラットフォーム側に対して支払う必要があります。一方、アプリ外課金では外部のWebサイトにユーザーを誘導し、事業者さまが用意した決済システムを使用するため、決済手数料を削減することが可能です。

例えば、App Storeで配信されるアプリでは、従来、すべての課金がApp Storeの決済システムを通じて行われてきました。
しかし、アプリ外課金を利用することで、事業者は自社で導入した決済システムを活用でき、コスト削減や独自の課金方法を構築できるメリットがあります。

アプリ外課金が広がっている理由

2021年に、App Storeが「リーダーアプリ」と呼ばれる特定のアプリカテゴリーに対し、アプリ内の外部リンク設置を許可したことで、多くのアプリ事業者さまがアプリ外課金を導入しはじめました。なおリーダーアプリとは、雑誌、新聞、書籍、オーディオ、音楽、動画といったデジタルコンテンツを提供するアプリを指します。
元々、App Storeではアプリ内に外部のWebサイトのリンクを貼ることを許可されていませんでしたが、この方針が打ち出されたことにより、2022年以降は外部のWebサイトへの誘導が認められるようになりました。

日本では、2024年6月に「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律(スマホソフトウェア競争促進法)」、いわゆる「スマホ新法」が成立。アプリプラットフォームを提供する事業者に対し、「アプリ内課金の強制を禁止する」「アプリ内に外部のWebサイトへのリンクを設置することへの制限を禁止する」といった規制が定められました。この動きを受け、早くも大手ゲームメーカーなどがアプリ外課金を導入するなどの変化が起きています。

アプリ外課金に関するAppleの規制緩和については、以下の記事で詳しく説明しております。
アプリ課金とは?課金方式とメリット、デメリットについて解説 | SBペイメントサービス

アプリ外課金を実施している主なサービス

アプリ外課金は、特に電子書籍や音楽を提供するリーダーアプリを中心に広がっていますが、すでにゲームアプリで導入されている例もあります。ゲームアプリでアプリ外課金を実施しているサービスを一部取り上げてご紹介します。

バンダイナムコエンターテインメント:「WEB STORE」で購入するとアイテムが増量

株式会社バンダイナムコエンターテインメントは、同社のゲーム内で利用するアイテムを購入できる「WEB STORE」を運営しています。「WEB STORE」で購入するとアイテムが増量になるといった、プレイヤーにとってメリットがあるのが特徴です(2025年1月時点)

コナミグループ:スポーツゲームのアイテムをさまざまな決済手段で購入可能

コナミグループ株式会社では、Webストア「KONAMI Gamesストア」を通じて、さまざまなゲームアイテムを販売しています。野球、サッカー、麻雀といったゲームのアイテムを、クレジットカードやPayPayなど、多様な決済手段で購入可能です。

MIXI:アイテムを購入するたびにポイントが付与される仕組みを導入

人気ゲーム「モンスターストライク(モンスト)」を提供する株式会社MIXIは、「モンストWebショップ」でゲーム用アイテムを販売しています。購入するたびにポイントが付与される仕組みを導入するなど、プレイヤーにとって魅力的な課金システムを採用しています。

アプリ外課金を行うメリット

アプリ外課金を行うメリットは、主に以下の2つです。アプリ外課金の導入を検討している事業者さまは、ぜひ参考にしてください。

プラットフォーム側へ支払う手数料がかからない

アプリ外課金を行うと、プラットフォーム側へ支払う手数料がかかりません。アプリ内課金の場合、App StoreやGoogle Playといったプラットフォーム側に最大30%の手数料を支払う必要がありますが、アプリ外課金であれば、自社のWebサイトで課金を行うため、事業者側のコストとなる決済手数料が抑えられ、結果的に収益率の改善を見込めます。

ユーザーのニーズに応えやすい

自社のWebサイトであれば多様な決済手段を提供できるため、ユーザーのニーズに応えやすいこともアプリ外課金のメリットです。クレジットカード決済やQRコード決済など複数の決済手段を用意することで、ユーザーは自分にあった支払い方法で決済が可能です。また、キャンペーンやポイントシステムも独自に設計できるなど、顧客満足度を高める施策を柔軟に実施することも可能です。

アプリ外課金を行うデメリット

アプリ外課金にはさまざまなメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。主なデメリットは以下のとおりです。

決済用のWebサイトが必要

アプリ外課金を実現するためには、決済機能を備えたWebサイトを自社で構築する必要があります。このプロセスには、初期費用や運用コストがかかるだけでなく、社内に専門知識や人的リソースも必要です。また、セキュリティ対策が不十分な場合、不正アクセスや個人情報の漏えいリスクが高まる危険性があります。
この対策として、決済代行会社を利用することをおすすめします。初期費用・運用コストの面では、決済代行会社が事業者さまに代わって各決済機関への手続きを行ってくれたり、決済環境の構築を行ってくれるため、自社で一から構築するより費用や工数を抑えることができます。またセキュリティ対策に関しても、PCIDSSに準拠した決済代行会社を利用することで、クレジットカード情報や個人情報を安全に処理し顧客のデータを守ることができます。

アプリの利便性が低下することがある

アプリの利便性が低下することがある点も、アプリ外課金のデメリットです。アプリ外課金では、ユーザーが課金を行う際アプリ外部へ誘導されます。これにより、アプリ上での顧客体験が損なわれる場合があります。
特に、アプリ内でのシームレスな購入体験に慣れたユーザーは、遷移する画面が多くなることで不便に感じてしまうかもしれません。この不便さが、購入意欲の低下や離脱率の増加につながることも考えられます。

アプリ外課金を検討する際のポイント

アプリ外課金の導入を検討する際は、いくつかのポイントを押さえる必要があります。押さえるべきポイントは、主に以下のとおりです。

長期的視点でのコスト比較の重要性

事業者さまにとって、アプリ外課金の導入は収益を改善するための重要な施策といえます。
その上で、長期的視点で自社サイトの構築・運用コストとプラットフォーム側に支払う決済手数料を比較することはアプリ外課金導入前に必ず検討すべきポイントです。
自社のWebサイトを構築・運用する場合には、初期投資として大きな費用がかかる可能性があります。一方、プラットフォーム側に支払う決済手数料は、売上の一定割合を占めるため長期的には大きな負担となってしまいます。どちらが自社の成長にとってメリットとなるかを、短期的ではなく長期的な視点でよく検討するようにしましょう。また、自社のWebサイトの決済にかかる費用などがどれくらいになるかについては、決済代行会社などにご相談し見積もりを出してもらうことをおすすめします。

ユーザーの利便性を考慮する

アプリ外課金の導入を検討する際は、ユーザーの利便性をよく考慮することをおすすめします。アプリ外課金を選択すると、ユーザーが外部のWebサイトで課金を行うため、手続きが煩雑だと離脱率が上がる可能性があります。そのため、アプリ外課金を導入する際には、決済画面での認証が簡易で利便性が高いかを考慮しましょう。例えば、キャリア決済なら各携帯キャリアの提供する画面にログイン後、4桁の暗証番号を入力するだけで決済が完了します。また、PayPayなどのQRコード決済であれば、アカウントにログインするだけで支払いが完了するため、入力の手間が少なく離脱率防止に貢献できます。
こういった決済手段を導入することで、アプリ外課金であっても利便性低下を防ぐ効果を期待できます。

外部のWebサイトの認知と集客も併せて検討する

アプリ外課金の導入を検討する際は、外部のWebサイトの認知と集客を、併せて検討する必要があります。アプリ外課金を導入しても、外部のWebサイトの認知が広がらなくてはユーザーが集まらず、自社Webサイトの運用メリットが損なわれてしまうためです。
認知・集客を広げる対策例としては、アプリダウンロード前に外部のWebサイトでの購入のメリットをユーザーに刷り込むことや、登録されているメールアドレスに定期的にWebサイトで実施中のキャンペーン内容を送るなどが挙げられます。

SBペイメントサービスが選ばれる理由

アプリ外課金を導入する際には、記事の中でご紹介したように事業者さまの課題となる部分がいくつかありますが、決済代行会社であるSBペイメントサービスにお任せいただければ、課題の解決に貢献できます。

アプリ外課金を導入する際の課題とSBペイメントサービスのソリューション

事業者さまの課題 SBペイメントサービスのソリューション
Webサイトの構築・運用にかかる費用やリソース 事業者さまのご負担を抑えて決済手段をご利用いただけるよう、契約手続きやシステム構築などのご支援が可能
不正アクセスや個人情報漏えいのリスク クレジットカード情報保護の国際基準「PCI DSS」に適合。また不正検知サービスや、クレジットカード情報の非保持化、本人認証サービス(EMV 3⁻Dセキュア)対応といったセキュリティ対策にも積極的に取り組み
ユーザーの利便性の低下 キャリア決済やPayPayといった、40ブランド以上の決済手段から最適な決済手段を導入可能
自社Webサイトの認知・集客方法 ソフトバンクのスマホユーザーに強い顧客基盤を生かした集客施策で、自社Webサイトの認知・集客拡大を後押し

他にも、当社ではアプリ外課金を含めたゲーム業界での導入実績も豊富にありますので、アプリ外課金を導入される際には、ぜひSBペイメントサービスへご相談ください。

よくあるご質問

Q.
アプリ外課金とは?
A.
アプリ外課金とは、アプリ内で課金を行うのではなく、外部のWebサイトを利用して決済を行う仕組みのことです。この課金方式では、App StoreやGoogle Playといったプラットフォームの課金システムを利用しないため、プラットフォーム側に支払う手数料が不要となります。
Q.
アプリ外課金のメリットは?
A.
アプリ外課金の主なメリットには、プラットフォームへの手数料負担がかからないこと、ユーザーに多様な決済手段を提供できることがあります。さらに、価格設定やキャンペーン設計の柔軟性が向上し、収益性を高めることもできます。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
※App StoreはApple Inc.のサービスマークです。
※Google Playは、Google LLC の商標または登録商標です。

監修者情報

SBペイメントサービス編集部

SBペイメントサービスはソフトバンクグループの一員として決済事業を担い、2004年に設立以降、幅広い業界の事業者さまに決済システムの導入を行っている。
当社のコラムでは、決済分野だけでなく、ECサイト運営やビジネスに役立つ情報を継続的に事業者さまに発信している。

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