クレジットカード決済の手数料とは?加盟店手数料の相場や種類を解説

近年、キャッシュレス化に向けた取り組みが進んでおり、実店舗・ネットを問わず、クレジットカードを使えるお店が増えてきています。一方で、クレジットカードの手数料を意識している方も多いのではないでしょうか。当コラムでは、クレジットカードの手数料について、利用者さまと加盟店さまの双方の立場から解説いたします。

目次

クレジットカード決済の手数料とは?

クレジットカード決済の手数料とは、クレジットカードで決済を行う際に、クレジットカード会社に支払う手数料のことです。手数料は利用者さまが支払うものと、加盟店さまが支払うものの2種類があります。

クレジットカード決済の加盟店さま、利用者さまが支払う手数料

利用者さまが支払う手数料には、クレジットカードの年会費があります。一括払いであれば発生しませんが、分割払いやリボ払いをする場合は手数料が必要です。

加盟店さまが支払う手数料は、決済手数料があります。クレジットカード決済で販売した商品代金から、数パーセントの手数料をクレジットカード会社へ支払うことになります。

加盟店さまが支払う手数料と決済手数料の仕組み

クレジットカード決済の手数料の仕組み

クレジットカード決済では、売上代金からクレジットカード会社および決済代行会社への手数料を差し引いた金額が、加盟店さまに支払われることになります(図中の⑥に該当)。また、利用者さまには、各クレジットカード会社から請求が行われます。

クレジットカードの仕組みについては、以下のページで詳しく説明しております。

クレジットカード決済とは?仕組みやメリットを解説

クレジットカード決済で利用者さまが支払う手数料

クレジットカード決済で利用者さまが支払う手数料

利用者さまがクレジットカードを利用する際は、以下のような手数料が発生する場合があります。

年会費

年会費は、クレジットカードを所有することで発生する手数料です。クレジットカードの種類や付帯するサービスによって、年会費の金額は異なります。年会費が無料のクレジットカードもあれば、数万円以上の年会費が設定されている場合もあるため、利用者さまご自身でその金額をしっかりと把握なさったうえで保有していただくことが望ましいでしょう。クレジットカードの種類によっては一定の利用額に応じて年会費が免除される場合もあり、クレジットカード発行会社各社がさまざまなサービスで利用者さまの利便性向上を図っています。

分割払い・リボ払い手数料

クレジットカードの一括払いでは手数料はかかりませんが、分割払いやリボ払いの場合には、手数料がかかります。年会費と同様に、クレジットカードの種類によって、手数料がかかる分割回数や手数料利率に差があります。各種クレジットカードが、どのような条件と金額で手数料を設定しているのかを、しっかり把握しておくことが大切です。

キャッシング・カードローンの手数料

カードローンとは、クレジットカードや銀行のキャッシュカードを使って金融機関から借り入れを行うことです。キャッシングは本来借り入れ全般を指す言葉ですが、カードローンで借り入れを行うことをキャッシングと呼ぶ場合もあります。
キャッシング・カードローンに必要な手数料も、利用者さまの負担となります。キャッシング・カードローンの手数料は、年利1.5~18%程度です。 こちらも借り入れの前にしっかりと手数料を把握しておきましょう。

マークアップフィー

マークアップフィーとは、海外でクレジットカード決済を行った際に発生する手数料です。海外でクレジットカード決済を行った際に、現地通貨を円換算する必要があり、その作業に対して手数料が発生します。マークアップフィーはクレジットカードのブランドや発行会社によって異なりますが、利用金額の2%前後です。

クレジットカード決済で加盟店さまが支払う手数料

クレジットカード決済で加盟店さまが支払う手数料

加盟店さまがクレジットカード決済を利用する際は、クレジットカード決済により販売した商品代金の数パーセントを「決済手数料」としてクレジットカード会社へ支払います。
なお、クレジットカード決済を導入する場合は、クレジットカード会社と加盟店契約を結ぶ必要があります。

業種や取扱高によって決済手数料の料率は異なる

決済手数料の料率は、加盟店さまの業種により異なります。家電や洋服や生活用品などであれば、料率は3.0%前後であり、デジタルコンテンツと呼ばれるゲームや音楽や動画などのサービスを提供している場合は3.0%よりも高くなる場合が一般的です。
例えば、加盟店さまが料率を3.0%で加盟店契約を締結した場合には、クレジットカード決済で100万円分の商品を販売すると、その3.0%にあたる3万円を決済手数料としてクレジットカード会社に支払う必要があります。

なお、料率は業種だけでなく、クレジットカード決済の取扱高によっても変動します。一般的には、加盟店さまの取扱高が多ければ、低い料率での加盟店契約が可能な場合が多いです。
また、クレジットカード会社や決済代行会社へ相談することにより料率を抑えることもできますので、金額面やサポート面などの条件も考慮しながら、複数のクレジットカード会社や決済代行会社を比較・検討することをオススメいたします。

クレジットカード決済導入による加盟店さまのメリット

加盟店さまはクレジットカード決済の導入によって決済手数料などの費用を支払う必要がありますが、ビジネス拡大に貢献するメリットがクレジットカード決済には存在します。

加盟店さまのメリット

1 顧客数の増加を見込める
2 売上拡大が見込める
3 代金未回収リスクと入金管理の業務負担を軽減できる
4 信頼性の向上につながる

それぞれのメリットについて詳しく解説いたします。

1 顧客数の増加を見込める

クレジットカード決済の導入は、顧客数の増加が見込めます。キャッシュレス化が進む中で、クレジットカード決済が可能なECサイトかどうかは、利用者さまが購入を決める判断材料の一つとなりつつあります。
なぜなら、クレジットカード決済ができないECサイトで商品を購入するには、わざわざ金融機関口座への振込や、コンビニ店頭で支払い手続きをしなくてはならず、利用者さまにとってお手間となるからです。

一方、クレジットカード決済ができるECサイトであれば、普段の実店舗での現金払いと変わらないスムーズな購入手続きが可能です。そのため、支払手続きが簡単になり、利用者さまのお手間が少なくなるだけではなく、クレジットカードのポイントが貯まるというメリットもあります。これにより利用者さまは積極的にクレジットカード決済ができるECサイトを選ぶことが考えられます。
さらに、海外の利用者さまは、クレジットカード決済ができる店舗やECサイトのみご利用する方も少なくないでしょう。そのような利用者さまを取りこぼさずに顧客とできることは、加盟店さまにとってのクレジットカード決済導入の大きなメリットです。

2 売上拡大が見込める

クレジットカード決済の導入メリットの一つに、売上拡大が挙げられます。高価な商品を購入する際、現金が足りないという理由で購入を断念する利用者さまも決して少なくありません。
そのような場合も、お支払い方法にクレジットカード決済を用意することによって利用者さまが購入しやすくなり、結果としてECサイトの売上を伸ばすことに繋がります。

3 代金未回収リスクと入金管理の業務負担を軽減できる

クレジットカード決済は、銀行振込に比べて代金未回収リスクが少ないと考えられます。例えば、定期契約の商品を発送しても利用者さまから銀行口座に入金がない場合、加盟店さまが負担をしいられる可能性があります。
一方、クレジットカード決済であれば、利用者さまが商品代金をお支払いできるかどうかの与信確認をクレジットカード会社が行うため安心して商品を販売することが可能です。また、利用者さまが購入手続きを済ませると加盟店さまへ通知がされるため、わざわざ銀行口座を確認する手間も不要となります。

4 信頼性の向上につながる

クレジットカード決済の導入は、加盟店さまの信頼性の向上につながるというメリットがあります。
クレジットカード決済を導入する際は、クレジットカード会社から加盟店さまに審査が入ります。クレジットカード決済を利用できることは、厳しい審査をクリアした信頼できる店舗やECサイトであることの証明になるというわけです。

店舗やECサイトのなかでも、小規模の場合やオープンしたばかりの場合は特に、信頼性の向上につながるというメリットは無視できません。また、高額な商品や長期にわたるサービスを提供する場合も、信頼性が問われます。
クレジットカードの加盟店審査の主な対象は、業種や提供サービス、取扱商品などです。十分な準備を行い、審査に挑みましょう。

クレジットカードの導入方法については、以下の記事で詳しく説明しております。
クレジットカード決済の導入方法は?費用やメリットも解説 | SBペイメントサービス

手数料を支払ってでも、クレジットカード決済を導入したほうがいい?

手数料などのコストを支払ってでも、クレジットカード決済を導入したほうがいいかどうかは、店舗やECサイトの運営状況によって異なります。ただし、クレジットカード決済を導入したほうが、ビジネスにとってプラスになる場合が多いでしょう。

前述したとおり、クレジットカード決済は加盟店さまに多くのメリットをもたらします。また、クレジットカード決済は、手元に現金がなくても買い物ができたり、ポイントが貯まったりと、利用者さまにとっても重要な決済手段です。利用者さまにとってメリットの大きい決済手段を用意すれば、顧客数や売上の増加が見込めます。
そのため、加盟店さまと利用者さまへのメリットが、手数料などのコストを上回る場合は、クレジットカード決済の導入を検討すべきです。

クレジットカード決済導入時に確認したいポイント

加盟店さまがクレジットカード決済を導入する際に確認したいポイントについて、代表的なものをまとめました。余計な手間やコストを省くためにも、導入前にご確認ください。

クレジットカード決済の導入方法

加盟店さまがクレジットカード決済を導入する場合は、クレジットカード会社と直接契約する方法と決済代行会社を利用する方法があります。
決済代行会社を利用する場合は、複数のクレジットカードのブランドとの契約を一括で行えます。また、決済管理や売上把握の一元化が可能です。

クレジットカード決済の導入で生じる費用

クレジットカード決済の導入で生じる費用には、以下のようなものがあります。費用は総合的に判断する必要がありますので、売上予測をもとに自社で計算したり、決済代行会社に見積りの作成を依頼したりしましょう。

クレジットカード決済導入時にかかる費用

初期費用 決済サービスを導入いただく際に必要な費用となります。導入初月に1回の請求となります。
月額固定費 決済システムの利用費や運用に関わる毎月の固定費となります。
決済手数料 決済金額に応じて発生する費用で、決済サービスごとに決済機関(クレジットカード会社、コンビニエンスストアなど)へ支払う費用となります。
トランザクション費用 加盟店さまと決済代行会社のあいだで行う決済処理のためにかかるデータ処理の手数料です。トランザクション費用は数円~数十円程度で、1回の売上・取消処理ごとに発生します。
その他費用 クレジットカード会社、決済代行会社によって、上記以外にも費用が発生する場合があります。

クレジットカードの導入費用については、以下の記事で詳しく説明しております。
クレジットカード決済の導入費用・手数料とは?導入方法や比較ポイントを解説 | SBペイメントサービス

決済手数料の商品やサービス料への上乗せは規約違反

クレジットカード加盟店の決済手数料については注意点があります。加盟店さまは決済手数料の負担を軽減するために、その手数料分の金額を商品やサービスに上乗せして利用者さまに請求してはいけません。
また、決済手数料を利用者さまに請求すると加盟店契約の規約違反となり、クレジットカード会社との契約取り消しになることさえあります。

SBペイメントサービスが選ばれる理由

SBペイメントサービスは、さまざまな業種の加盟店さまから選ばれ、2023年度は8兆円以上の決済を行いました。SBペイメントサービスが選ばれる、5つの理由についてご紹介します。

SBペイメントサービスが選ばれる理由
  1. クレジットカード決済の導入手続きを簡略化できる

    国際ブランドのクレジットカード決済を導入するためには、直接契約の場合は各サービスを提供する会社と個別に契約しなければなりません。例えば、「Visa」と「Mastercard」のクレジットカード決済を導入したい場合は、それぞれの会社と契約する必要があります。
    その点、SBペイメントサービスなら1社で豊富な国際ブランドを取り扱っているため、導入手続きの簡略化につながります。
    また、クレジットカード決済のほかにも、コンビニ決済やキャリア決済、QRコード決済など、幅広い決済方法に対応しており、一括で導入することができます。

  2. 取り扱いブランドが豊富である

    当社のクレジットカード決済は、6大国際ブランドと呼ばれるVisa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club International、Discoverに加え、中国最大のブランドであるUnionPay(銀聯)にも対応しています。

  3. クレジットカード加盟店契約会社(アクワイアラ)である

    当社は決済代行会社でありながら、Visa、Mastercard、UnionPay(銀聯)の加盟店審査を行えるクレジットカード加盟店契約会社(アクワイアラ)という立ち位置も有しております。
    多くの決済代行会社では、契約時に決済代行会社とアクワイアラの連携が必要になりますが、当社では自社内で柔軟に加盟店審査を行いつつ、スピーディーに決済サービスをご提供することで、加盟店さまのビジネス拡大をご支援いたします。

  4. 早期・複数回入金オプションがある

    SBペイメントサービスの売上入金日は、決済処理のひとつの「売上確定処理」をいつ行うのかによって異なります。基本的に、売上が入金されるタイミングは次のとおりです。

    売上が入金されるタイミング

    ・利用者さまの購入日と同月に売上確定処理を実施した場合:翌月末入金
    ・利用者さまの購入日の翌月に売上確定処理を実施した場合:翌々月末入金

    さらに、1ヵ月間で複数回の売上入金をご希望の加盟店さまには、「早期・複数回入金オプション」もご提供しております。入金回数は月2回から月6回まで対応できます。詳しい内容は以下のとおりです。


    SBペイメントサービスの早期・複数回入金オプション

    入金回数 締め日 決済手数料
    月2回 15日、末日 締め日の5営業日以内
    月3回 10日、20日、末日
    月4回 7日、14日、21日、末日
    月6回 5日、10日、15日、20日、25日、末日
  5. 高度なセキュリティマネジメントシステムを提供している

    SBペイメントサービスは、クレジットカードの国際的なセキュリティ基準である「PCI DSS」の最新バージョン、「PCI DSS v3.2.1」の「完全準拠認定」を取得しています。当社が安全にサービスを運用していることと、国際水準を満たす高度な情報セキュリティマネジメントシステムを提供していることが客観的に認められているため、より安心してご利用いただけます。
    クレジットカード決済の導入をご検討のEC事業者さまは、ぜひ一度当社までお問い合わせください。

よくあるご質問

Q.
クレジットカード決済導入時に加盟店さまにかかる費用とは?
A.
大きく初期費用とランニングコストがあります。ランニングコストとしては、決済システムの基本料金として支払う『月額費用』、商品代金の数%をクレジットカード会社または決済代行会社に支払う『決済手数料』、決済代行会社のシステムで決済処理を行う際に発生する『トランザクション費用』などがあります。
Q.
クレジットカード決済導入による加盟店さまのメリットとは?
A.
加盟店さまのメリットは主に、「顧客数の増加を見込める」「売上拡大が見込める」「代金未回収リスクと入金管理の業務負担を軽減できる」「信頼性の向上につながる」の4つがあります。
Q.
クレジットカード決済導入時に決済代行会社を利用するメリットは?
A.
決済代行会社を利用するメリットは、各クレジットカード会社と個別に契約する必要がなく、売上入金も一本化できるので、契約対応工数と入金管理工数を減らすことができます。ECサイトへの決済システムの実装も、決済代行会社のシステムと接続するだけなので、コストを抑えられます。
Q.
クレジットカード決済の手数料は利用者さまに上乗せできますか?
A.
加盟店さまは、決済手数料分の金額を商品やサービスに上乗せして、利用者さまに請求してはいけません。また、決済手数料を利用者さまに請求すると加盟店契約の規約違反となり、クレジットカード会社との契約取り消しになることがあります。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。

監修者情報

SBペイメントサービス編集部

SBペイメントサービスはソフトバンクグループの一員として決済事業を担い、2004年に設立以降、幅広い業界の事業者に決済システムの導入を行っている。
当社のコラムでは、決済分野だけでなく、ECサイト運営やビジネスに役立つ情報を継続的に事業者に発信している。

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