プラットフォームビジネスとは?メリットや成功のポイントを解説

近年、さまざまな業界でプラットフォームビジネスが展開されています。ECサイトや配車・配達サービス、宿泊予約サイトといったプラットフォームは、多くの人が利用したことがあるのではないでしょうか。
プラットフォームビジネスは、事業者さまとお客さまを結び付ける場(プラットフォーム)を提供し、一種の経済圏を形成する点が特徴です。お客さまが増えれば増えるほど、ビッグデータによってビジネスを最適化しやすく、収益も増えやすくなりますが、後発企業は成功をつかみにくいといった側面があります。

本記事では、プラットフォームビジネスの概要と種類のほか、プラットフォームビジネスを行うメリット・デメリットについて解説します。プラットフォームビジネスを成功させるためのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

プラットフォームという場を提供するプラットフォームビジネス

プラットフォームビジネスとは、事業者さまとお客さまを結び付けるプラットフォームという場を提供するビジネスモデルのことです。プラットフォームを展開する事業者さまのことを、「プラットフォーマー」といいます。AmazonやUber、楽天市場などは、プラットフォーマーの代表例です。

プラットフォームビジネスでは、プラットフォーマー自身が商品やサービスを直接販売することはあまりありません。プラットフォームを多くの事業者さまとお客さまに利用してもらい、手数料などを受け取るのが一般的です。こうしたビジネスモデルは、社会と経済のデジタル化が進んでいる現在、さまざまな業界で急速に普及しています。
例えば、BtoBプラットフォームでは、企業間の取引を効率化する仕組みが導入され、サプライチェーン全体の最適化が進められています。一方、BtoCやCtoCのプラットフォームでは、個人のお客さまの利便性向上につながる仕組みが開発され、多くのユーザーを獲得している例が少なくありません。

プラットフォームビジネスは、AIやビッグデータの活用により、ますます進化しています。Amazonのような大規模プラットフォームでは、データ分析にもとづいてお客さまに個別のレコメンドを行うことなどによって、顧客体験の向上と売上の最大化を同時に実現しています。

主なプラットフォームビジネス

プラットフォームビジネスの主な種類は、以下のとおりです。タイプごとの具体例についてもご紹介します。

仲介型

商品・サービスを提供する事業者さまとお客さまを結び付ける、仲介型のプラットフォームビジネス。プラットフォーマー、事業者さまからの手数料を得て収益を上げます。
仲介型のプラットフォームビジネスの具体例は、主に以下のとおりです。

マーケットプレイス

マーケットプレイスは、商品・サービスを取り引きする場を提供するプラットフォームビジネスです。Amazonや楽天市場といったECサイト、フリマサイトのメルカリなどがこれに該当します。

フードデリバリー

フードデリバリーは、飲食店とお客さまをつなぐプラットフォームビジネスです。Uber Eatsや出前館が例として挙げられます。プラットフォーマーは、注文手数料や配送手数料を収益源とします。

ライドシェア

ライドシェアは、Uberをはじめとする、移動手段を提供するプラットフォームビジネスです。お客さまのマッチングと料金決済が簡単にできるのが魅力で、プラットフォーマー側は配車手数料を収益源としています。

宿泊予約

宿泊予約は、ホテルなどの宿泊施設の検索・予約サービスを提供するプラットフォームビジネスです。Booking.comやAirbnbなどが代表的といえます。

クラウドソーシング

クラウドソーシングは、仕事を依頼したい事業者さまと働きたい個人をつなげるプラットフォームビジネスです。ランサーズやクラウドワークスなどが該当し、仕事のジャンルや依頼形式はプラットフォームによって異なります。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、資金を調達したいプロジェクトと支援者を結び付けるプラットフォームです。MakuakeやCAMPFIREが有名で、プラットフォーマーは調達額の一定割合を手数料として得ています。

コンテンツ型

動画、音楽、ニュース記事などのデジタルコンテンツを提供する、コンテンツ型のプラットフォームビジネス。広告収入やプレミアム会員の課金が収益源となります。
コンテンツ型のプラットフォームビジネスの具体例は、主に以下のとおりです。

ストリーミング

ストリーミングは、動画や音楽、ゲームなどを視聴・利用できるプラットフォームビジネスです。NetflixやTwitchはその代表例で、主にサブスクリプションサービスとして提供されています。

オンライン学習

オンライン学習は、教育サービスを提供するプラットフォームビジネスです。UdemyやCourseraといったサービスがあり、有料版のプランのほか、無料で学べる講座も用意されています。

ソーシャルネットワーキングサービス

ソーシャルネットワーキングサービスは、FacebookやInstagramなど、事業者さまやお客さまが情報を発信・共有できる場を提供するプラットフォームビジネスです。主な収益源は広告収入で、利用者のデータを活用したターゲティング広告が強みといえます。

OS型

スマートフォンやパソコンなどのデバイス上で動作する、アプリケーションの基盤を提供するOS型のプラットフォームビジネス。サービスやアプリケーションが動作するOSの利用料が主な収益源となっています。
OS型のプラットフォームビジネスの具体例は、主に以下のとおりです。

クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングは、ストレージや処理能力などを提供するプラットフォームです。AWSやGoogle Cloudといったサービスがあり、利用者が使用した分だけ課金される従量課金モデルが採用されています。

ソリューション型

企業が業務を効率化するためのツールやサービスを提供する、ソリューション型のプラットフォームビジネス。企業内のプロジェクト管理や顧客管理をサポートし、サブスクリプションモデルを採用して収益を得る仕組みとなっています。
ソリューション型のプラットフォームビジネスの具体例は、主に以下のとおりです。

CRM

CRM(Customer Relationship Management)は「顧客関係管理」という意味で、商談履歴などをデータとして蓄積して、顧客との関係を管理できるシステムを指す場合もあります。SalesforceやHubSpotは、CRMの代表例といえます。

プラットフォームビジネスを行うメリット

プラットフォームビジネスは、多くの事業者さまにとって魅力的な選択肢となりうるビジネスモデルです。主なメリットは以下のとおりです。

自社で商品・サービスを作る必要がない

プラットフォームビジネスでは、場の提供がビジネスの中心であり、自社で商品やサービスを開発する必要がありません。また、プラットフォームはオンラインであるため、工場や倉庫などの施設や土地を必要としない点もメリットといえます。
プラットフォームのタイプによっては、レンタルサーバーでも問題なく稼働するため、自社サーバーは必ずしも必要ではありません。大きな資本力がなくても始められることは、プラットフォームビジネスのメリットです。

ビッグデータでビジネスを最適化できる

ビッグデータでビジネスを最適化できることも、プラットフォームビジネスのメリットといえます。
プラットフォームは、お客さまが増えれば増えるほど、たくさんのデータを収集できます。年齢・性別といったお客さまの属性データのほか、蓄積された購入履歴や閲覧履歴なども、需要予測、マーケティングなどに活用可能です。また、プラットフォームビジネスを通じて得たビッグデータは、新たなビジネスに利用することもできます。

お客さまの増加とサイトの価値向上の好循環が生まれる

お客さまの増加とサイトの価値向上という好循環が生まれやすくなる点も、プラットフォームビジネスのメリットです。お客さまが増えることで、プラットフォーム内の商品・サービスの量と質が向上するだけでなく、ユーザビリティも高まり、さらにお客さまが増えるきっかけとなります。
このような相乗効果によって規模の経済を実現し、競争力の強化が可能です。

客単価が上がりやすい

プラットフォームビジネスは、客単価が上がりやすいビジネスです。例えば、ECサイトの場合、商品・サービスのラインナップが充実すれば、お客さまは次第に別のECサイトを利用する機会が減っていきます。
また、商品を多く購入することで送料が無料になる特典があれば、お客さまはますますひとつのECサイトでお買い物をしようとするでしょう。その結果、選ばれたECサイトは客単価が向上します。

プラットフォームビジネスを行うデメリット

プラットフォームビジネスには多くのメリットがある一方で、いくつかの注意点やリスクも存在します。プラットフォームビジネスを行う際は、これらをデメリットとして認識することが大切です。主なデメリットは以下のとおりです。

集客に時間とコストがかかる

プラットフォームビジネスは、集客に時間とコストがかかります。新規にプラットフォームを立ち上げたら、お客さまを集めるためにマーケティング活動に取り組む必要がありますが、短期的な成果を見込むのは困難です。
プラットフォームの認知度を高めるには、多額の広告費や長い時間が必要になる場合が多く、特に競合が多い市場では、なかなか集客できないといったケースも珍しくありません。

後発企業は成功しにくい

後発企業は成功しにくいことも、プラットフォームビジネスのデメリットです。すでに一定の成功を収めている競合プラットフォームがある場合、新規参入者がお客さまを増やすのは容易ではありません。
特に、大手プラットフォーマーが市場を支配しているような分野では、新たにシェアを確保することは困難です。プラットフォームビジネスへの新規参入には、このようなリスクがあることを覚えておきましょう。

利用者同士のトラブルが起きることがある

プラットフォームでは、事業者さまとお客さま、またはお客さま同士のトラブルが発生するリスクがあります。ECサイトやフリマサイトでは、商品の誤配送、返品といったトラブルが起きるケースが少なくありません。プラットフォーマーは、こうしたトラブルを防止するため、新たなシステムや制度を導入する必要があります。
また、トラブルが多発すると、場合によってはブランドイメージを損ねる可能性もあります。

プラットフォームビジネスのビジネスモデル

プラットフォームビジネスのビジネスモデルは、主に以下の4つです。プラットフォームビジネスを始めることを検討している事業者さまは、参考にしてください。

手数料課金型

手数料課金型は、取り引きごとに一定の手数料を徴収するビジネスモデルです。マーケットプレイスやフリマサイト、ライドシェアサービスなどで採用されています。
この仕組みには、取り引きが増えれば増えるほど手数料が多く支払われ、収益が拡大していくメリットがあります。

月額課金型

月額課金型(サブスクリプション)は、お客さまから毎月一定額を徴収するモデルです。ストリーミングサービスやソリューション型プラットフォームビジネスでよく採用されています。このモデルは、プラットフォームの運営者が、安定した収益を得やすい点が魅力です。
また、お客さまにとっても、毎月の支払額が定額であるため、使いすぎで料金が高額になるといった心配がない点がメリットといえます。

フリーミアム型

フリーミアム型は、基本サービスを無料で提供し、追加機能やプレミアムサービスを有料で提供するビジネスモデルです。主にSNSやクラウドサービスなどで採用されており、多くのお客さまを獲得しやすい点がメリットといえます。お客さまにとっては、まずは無料で利用できるため、気軽に始められる点が大きな魅力です。

従量課金型

従量課金型は、お客さまがサービスなどを利用した量に応じて料金を徴収するビジネスモデルです。クラウドコンピューティングや、一部のオンライン学習サービスで採用されています。
このモデルは、利用頻度に応じた柔軟な料金体系が提供できる点が特徴です。

プラットフォームビジネスを成功させるポイント

プラットフォームビジネスを成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。主なポイントは以下のとおりです。

お客さまのストレス軽減に注力する

プラットフォームビジネスを成功させるには、お客さまのストレス軽減に注力することが大切です。検索や決済、カスタマーサポートの使いやすさなどを向上させることで、お客さまの利便性や満足度を高めることができます。

差別化できる市場・ターゲットを選ぶ

競合他社と差別化できる市場・ターゲットを選ぶことも、プラットフォームビジネスの成功のポイントです。競合との差別化を図るには、ニッチな市場や特定の顧客層にフォーカスするのが効果的です。
例えば、特定の業界や地域に特化したプラットフォームを展開すれば、独自性を持ったサービスを提供できるでしょう。

法規制への対応を徹底する

プラットフォームビジネスでは、法規制への対応が欠かせません。個人情報保護法や電子商取引に関する法律などを遵守することでトラブルを未然に防ぎ、利用者からの信頼を獲得できます。

SBペイメントサービスが選ばれる理由

プラットフォームビジネスは、工場や倉庫などがなくても始めることができるビジネスモデルです。お客さまが増えれば増えるほどプラットフォームの価値が高まり、収益が拡大するという好循環が生まれやすい点が特徴です。
プラットフォームビジネスを成功させるポイントは複数ありますが、お客さまにとって使いやすいプラットフォームを提供することは特に重要です。決済手段の豊富さは、プラットフォームの使いやすさを左右する要素のひとつといえます。多様な決済手段を利用できるようにしたい場合は、決済代行会社に依頼するといいでしょう。

プラットフォームビジネスを始めるなら、決済代行会社はSBペイメントサービスがおすすめです。SBペイメントサービスでは、クレジットカード決済をはじめとするあらゆる決済手段に対応しているため、さまざまな業態や業種の決済に対応可能です。また、セキュリティレベルが高く、決済代行会社としての実績も豊富であることから、安心してご利用いただける点が大きなメリットです。
プラットフォームビジネスの決済代行会社をお探しの際は、SBペイメントサービスをぜひご検討ください。

よくあるご質問

Q.
プラットフォームビジネスとは?
A.
プラットフォームビジネスとは、事業者さまとお客さまをつなぐ場(プラットフォーム)を提供するビジネスモデルです。プラットフォーマーは、直接商品やサービスを販売せず、事業者さまとお客さまが取り引きできる場を提供し、手数料などで収益を上げます。
Q.
プラットフォームビジネスにはどのような種類がある?
A.
プラットフォームビジネスの種類は、主に4つです。具体的なビジネスはたくさんありますが、商品・サービスを提供する事業者さまとお客さまを結び付ける「仲介型」、動画や音楽といったコンテンツを提供する「コンテンツ型」、アプリケーションなどが動作するOSを提供する「OS型」、業務効率化のツールなどを提供する「ソリューション型」のどれかに区別できます。
Q.
プラットフォームビジネスを成功させるためのポイントは?
A.
プラットフォームビジネスを成功させるには、お客さまのストレスを軽くする、差別化できる市場・ターゲットを選ぶ、法規制への対応を徹底するといったポイントを押さえる必要があります。これらをきちんと押さえることで、競争力のあるプラットフォームを構築できるでしょう。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。

監修者情報

SBペイメントサービス編集部

SBペイメントサービスはソフトバンクグループの一員として決済事業を担い、2004年に設立以降、幅広い業界の事業者さまに決済システムの導入を行っている。
当社のコラムでは、決済分野だけでなく、ECサイト運営やビジネスに役立つ情報を継続的に事業者さまに発信している。

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