サブスクリプションサービスは、定額の利用料金を支払うことで、契約期間中、サービスを利用できるビジネスモデルです。事業者さまと利用者さまの両方にとってメリットが大きいことから、近年はさまざまな業界でサブスクリプションサービスが登場しています。
継続的な売上が見込まれるサブスクリプションサービスを成功させるには、決済機能を充実させるのもひとつのポイントです。サブスクリプション決済システムを利用することで、安全な顧客情報の管理にもつながります。
ここでは、サブスクリプション決済システムを利用するメリットやサービスの選び方のほか、導入事例などについて解説いたします。
目次
サブスクリプションサービスとは?
サブスクリプションサービスとは、定額の利用料金を支払うことで一定期間サービスを利用できるビジネスモデルです。商品やサービスを購入して所有するのではなく、一定期間利用できる権利に対して料金を支払う形となります。
サブスクリプションサービスのメリット
事業者さまがサブスクリプションサービスを展開するメリットとしては、第一に継続的な売上が見込めることが挙げられます。継続して課金するビジネスであるため、利用者さまの数に応じた売上が得られます。
また、購入するよりも安価に商品やサービスを利用できる場合が多いため、新規の利用者さまを獲得しやすい点も魅力です。
さらに、契約期間中に蓄積される顧客データを活用してサービスを改善すれば、顧客満足度の向上や解約率を下げる効果も期待できるでしょう。
サブスクリプションサービスのデメリット
事業者さまにとってのサブスクリプションサービスのデメリットとしては、利益が出るまでにある程度の時間がかかることが挙げられます。ビジネス開始からしばらくは利用者さまの数が少なく、初期投資を回収するまでに時間がかかるケースも少なくありません。
また、短期間で解約されてしまわないよう、常にサービスを改善して顧客満足度の維持や向上に努める必要があります。
サブスクリプションサービスについては、以下の記事で詳しく説明しております。
サブスクリプションモデルとは?買い切り型との違いや事例を紹介 | SBペイメントサービス
サブスクリプションモデルのメリットは?利用者と事業者の視点で解説 | SBペイメントサービス
継続課金とは?月額課金との違いやサブスク導入のメリットを解説 | SBペイメントサービス
サブスクリプション決済システムを導入するメリット
サブスクリプション決済システムとは、クレジットカード決済やキャリア決済、電子マネーなどを利用してサブスクリプションサービスの決済を代行するサービスです。サブスクリプション決済システムを導入することで、以下のようなメリットがあります。
システム開発の負担を減らせる
サブスクリプション決済システムを導入すれば、開発が必要になるのは、決済システムと自社サービスとの接続部分のみです。継続課金の仕組みがすでに準備されており、複雑な決済システムそのものは自社で構築する必要がないため、システム開発の負担を減らすことができます。
多彩な決済手段に対応しているサブスクリプション決済システムを選べば、より自社のサブスクリプションサービスの決済機能を充実させることができるため、利用者さま側の使いやすさにもつながるでしょう。
決済業務の負担を減らせる
サブスクリプション決済システムを導入するメリットのひとつは、決済業務の負担を大幅に軽減できる点です。
事業者さまが決済機関と直接契約する場合は、毎月の請求書発行や未払い対応、入金確認などを行わなくてはならず、多くの時間と労力が必要です。しかし、サブスクリプション決済システムを活用すれば、これらの煩雑な作業を一元化し、効率的に処理することができます。
その結果、事業者さまはリソースを本来の事業運営やサービスの向上に集中させることができ、業務全体の生産性向上につながります。特に、サブスクリプションサービスでは、継続的な収益が重要です。そのため、効率的な決済業務の運用は、事業の成功に直結するといえるでしょう。
利用者さまの情報を安全に管理することができる
サブスクリプション決済システムは、登録された利用者さまのクレジットカード情報を、セキュリティの高い環境で管理します。クレジットカード情報は個人情報よりも取り扱いが厳しいのですが、サブスクリプション決済システムを利用すれば取り扱い基準を満たすことができます。また、継続課金の場合は、クレジットカード情報をセキュアな環境で保管することが可能です。
事業者さま側は利用者さまのクレジットカード情報流出リスクを抑えて、安全にサブスクリプションサービスを運用することができるでしょう。
利用者さまの決済の手間を軽減する
サブスクリプション決済システムを利用している場合、クレジットカードに自動で代金が請求されるため、利用者さまは毎月支払い画面を操作する必要がありません。そのため、利用者さまにとっては手間が軽減され、事業者さまにとっては解約率の低下に繋がる可能性があります。
サブスクリプション決済システムを導入するデメリット
サブスクリプション決済システムを導入するデメリットとしては、利用料金がかかることが挙げられます。
自社のサブスクリプションサービスに決済システムを導入することで見込めるメリットと、それにかかるコストを踏まえて、導入するかどうかや導入する決済システムを検討することが大切です。
サブスクリプション決済システムの導入に適したビジネス
サブスクリプションサービスは、さまざまな業界で登場していますが、サブスクリプション決済システムの導入はどのような分野のビジネスに向いているのでしょうか。
ここでは、特にサブスクリプション決済システムの導入に適した、4つのビジネスについて解説いたします。
デジタルコンテンツ
オンラインゲームや動画配信などのデジタルコンテンツにおいて、「遊び放題」「見放題」といったサブスクリプションサービスの場合、利用者さまの利便性を高めることができるうえ、事業者さまも継続した売上が見込めます。サブスクリプション決済システムを利用すれば、利用者さまは2回目以降の決済時に支払画面を操作する必要がないため、継続率の向上が見込めます。
ビジネスサービス
会計サービスや人事労務サービスなどのビジネス関連のサブスクリプションサービスは、長期的に利用することで効果が得られるものが多いため、サブスクリプション決済システムの導入がおすすめです。スムーズな決済を実現させることで、利用者さまの決済や入金にかかる手間や時間を省けるため、業務効率化にもつながります。
ECサイト
食品やサプリメントの定期購入など、ECサイトを介したサブスクリプションサービスにもサブスクリプション決済システムは適しています。サブスクリプション決済システムを導入すれば入金忘れの防止になったり、振り込みの手間を省けたりと、利用者さまと事業者さまの双方にメリットが見込めるでしょう。
実店舗
スポーツジムの月額料金や英語教室のレッスン料など、定期的な決済が必要な実店舗でもサブスクリプション決済システムは利用可能です。
利用者さまが店舗に訪れた際に決済端末でクレジットカード決済の登録を行えば、2回目以降は継続的な課金ができるようになります。実店舗でも、スマートな決済を実現することができるでしょう。
サブスクリプション決済システムの導入事例
ここでは、実際にSBペイメントサービスのサブスクリプション決済システムを導入した株式会社日比谷花壇のサブスクリプションサービス「ハナノヒ」を例に、具体的にどのような効果があったのかを紹介します。
「ハナノヒ」は、月額制でお花を毎月もしくは毎日受け取ることができるサービスです。
決済機関との契約や決済システム設定などがスムーズに
新規顧客を獲得するために、お客さまが定期的に来店する仕組みが欲しかったので、店舗でアプリ画面を見せるだけでお花を受け取れる、iXIT株式会社の実店舗向けツール「サブする」を採用しています。「サブする」はSBペイメントサービスの決済と連携しているため、決済機関との契約や決済システム設定などをスムーズに済ませることができました。
オンライン決済で店舗スタッフの負担を軽減
サブスクリプション決済システムを導入したことで事前にオンライン決済が可能となり、店舗での決済が不要なため、店舗スタッフの負担を減らして接客などに注力できるようになりました。
今後は、サブスクリプションサービスの利用実績データを活用して、会員サービスや情報コンテンツを充実させたり、利用者さまからのニーズが高いQRコード決済やキャリア決済を追加したりすることも検討しています。
株式会社日比谷花壇の事例については、以下の記事で詳しく説明しております。

株式会社 日比谷花壇 | SBペイメントサービス
お花のサブスクリプションサービス「ハナノヒ」をスタートし、新たなセールス拡大を生むプラットフォームとして奏功。
サブスクリプションビジネスにおすすめの決済手段
続いては、サブスクリプションビジネスにおすすめの決済手段について解説いたします。決済手段にはさまざまな方法がありますが、サブスクリプションビジネスに向いているものは次のとおりです。
<サブスクリプションにおすすめの決済手段>
・クレジットカード決済

・キャリア決済

・PayPay(オンライン決済)

・楽天ペイ(オンライン決済)

・Amazon Pay

これらの決済手段は頻繁に利用する利用者さまが特に多いため、サブスクリプションビジネス側で決済手段として用意しておくことでサービスの利用のしやすさが大きく向上します。
ソフトバンクのグループ会社であり、決済代行会社であるSBペイメントサービスは、上記のサブスクリプションにおすすめの決済手段をすべて網羅しております。そのため、さまざまなサブスクリプションビジネスに対応することが可能です。
サブスクリプション決済システムの選び方
サブスクリプション決済システムの選び方について解説いたします。サブスクリプション決済システムを選ぶ際には、次の9つのポイントを確認しましょう。

ポイント1:自社のサービスに合ったペースで支払いを設定できるか
まずは、利用者さまの支払いタイミングを自社のサービスに合ったペースで設定できるか確認しましょう。
SBペイメントサービスなら、「初月無料」や「支払いは2ヵ月に1回」など、料金が月によって異なる場合も柔軟に対応することができます。
ポイント2:対応している決済手段の種類が多いか
サブスクリプション決済システムを選ぶ際は、対応している決済手段の種類が豊富かどうかを確認することが重要です。クレジットカード決済や銀行振込などの基本的な決済手段に加え、キャリア決済、コンビニ決済、PayPay(オンライン決済)など、多様な選択肢がある決済システムが理想的です。
対応している決済手段が多ければ、多様なニーズに応えられ、お客さまのかご落ちを防げます。特に、サブスクリプションサービスでは、支払いのスムーズさが顧客満足度や継続率に直結するため、慎重に検討しましょう。
ポイント3:決済システムの利用料金を確認する
サブスクリプション決済システムを導入する際、利用料金の確認は避けて通れません。一般的には、初期費用、月額料金、取り引きごとの手数料が発生します。これらの費用が、自社の収益モデルの阻害要因にならないかどうかを、慎重に見極めることが必要です。
利用料金については、提供されるサービスの内容や品質と併せて、複数のサービスを比較して検討してください。
ポイント4:入金サイクルを確認する
入金サイクルの確認も重要なポイントです。サブスクリプション決済システムによっては、売上の入金が月に一度の場合もあれば、複数回の入金が可能な場合もあります。
特に、キャッシュフローが重要な事業では、入金頻度が高いサービスを選ぶことで、資金繰りの安定化を図れます。運転資金を安定して確保するためには、入金までにかかる日数の確認も重要といえるでしょう。
ポイント5:セキュリティが高いか
サブスクリプション決済システムは、利用者さまのクレジットカード情報などを取り扱うため、セキュリティが高いものを選ぶことが大切です。SBペイメントサービスはクレジット取引セキュリティ対策協議会が定めたクレジットカード・セキュリティガイドラインに則ったセキュリティサービスをご提案しています。
さらに、SBペイメントサービスでは、独自の不正検知サービスである「AI不正検知」を提供しています。AI不正検知を導入すれば、蓄積したデータをもとに不正の疑いがある取引を検知し、事業者さまが設定した独自のルールにもとづき追加認証設定を行っている場合はEMV 3-Dセキュアの認証を実施したり、取引自体をブロックしたりすることができます。決済情報を利用するため、システム構築や規約変更といった事業者さまの導入負担を抑えられます。
そのため、SBペイメントサービスなら、不正利用対策の面でも安心して導入できるでしょう。
セキュリティについては、以下の記事で詳しく説明しております。
AI不正検知 | SBペイメントサービス
EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)とは?メリットや決済手順を解説 | SBペイメントサービス
EMV 3-Dセキュア導入が義務化!EC事業者がとるべき対策とは | SBペイメントサービス
ポイント6:決済システムが安定しているか
利用者さまの多いサブスクリプションビジネスであれば、突発的な大量アクセスにも耐えられる、安定した決済システムを用意しているサブスクリプション決済システムを選ぶことをおすすめします。
SBペイメントサービスは大規模トランザクションを処理する高度な決済システムで、年間8兆円以上の決済を取り扱っているため、安定した利用が可能です。
ポイント7:サポート体制が整っているか
サブスクリプション決済システムでは、サポート体制の充実度も選定時の重要な基準です。決済トラブルやお客さまからの問い合わせが発生した際は、迅速かつ的確に対応してもらえるかどうかがカギとなります。カスタマーサポートや、メール・電話といった多様な連絡手段が提供されているかを確認しましょう。
また、導入時のサポートが充実しているサービスは、システムをスムーズに運用するうえで役立ちます。サポート体制が万全なサービスを選ぶことで、トラブル時のリスク軽減が可能です。
ポイント8:決済日の変更に対応できるか
サブスクリプション決済システムを選ぶ際には、決済日の変更に対応できるかどうかもポイントとなります。自社の経費処理などの都合により決済日を変更したくても、サブスクリプション決済システムの中には決済日を指定できないものもあるため、希望どおりに設定できるか確認することが重要です。
ポイント9:クレジットカードの有効期限切れに対応できるか
クレジットカードの有効期限切れは、サブスクリプションサービスにおける継続課金の妨げとなる課題です。この問題を解決するには、「洗替」が利用できるサブスクリプション決済システムを選ぶことが重要です。
洗替とは、クレジットカード会社と連携してお客さまのクレジットカード情報(クレジットカード番号や有効期限など)を自動更新する機能を指します。洗替により、クレジットカードの有効期限が切れてもスムーズに継続課金を実現できます。
このような対策の導入によって、お客さまの離脱や売上機会の損失を最小限に抑え、安定した収益基盤の確保が可能です。
SBペイメントサービスが選ばれる理由
サブスクリプションサービスのニーズが高まる中、SBペイメントサービスは「継続課金」を実現させるサービスを取り揃えております。オンラインで決済を完了させる方法はもちろん、対面のサービスの場合でもクレジットカード情報を決済端末で当社のオンライン決済システムに登録し、後日、オンライン決済システムからご請求する方法もご用意しています。
さらに、クレジットカード情報お預かり機能や、EMV 3⁻DセキュアとAI不正検知による高度なセキュリティサービスなど、デジタルコンテンツ向けの決済サービスにも対応可能です。
SBペイメントサービスでは、クレジットカード決済やキャリア決済、PayPay(オンライン決済)に代表されるオンライン決済など40ブランド以上の幅広い決済手段を網羅しているため、目的に合わせて複数の決済手段を同時に導入することができます。
サブスクリプション決済システムの導入をご検討の際は、ぜひSBペイメントサービスにご相談ください。
よくあるご質問
- Q.
- サブスク決済(サブスクリプション決済)システムとは?
- A.
- サブスク決済システムとは、クレジットカード決済やキャリア決済、電子マネーなどを利用してサブスクリプションサービスの決済を代行するサービスです。サブスクリプション決済システムの導入によって、事業者さまのシステム開発や決済業務の負担を減らせるというメリットがあります。
- Q.
- サブスクリプションサービスにおすすめの決済手段は?
- A.
- サブスクリプションサービスにおすすめの決済手段には、クレジットカード決済、キャリア決済、PayPay(オンライン決済)に代表されるオンライン決済などがあります。対応している決済手段が多ければ、多様なニーズに応えられ、お客さまの離脱を防ぐことができるでしょう。また、サブスクリプション決済システムを利用すれば、決済手段の導入に関する事業者さまの負担を減らすことが可能です。
その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。
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