非接触型(タッチ)決済とは?導入のメリット・デメリットと導入方法を解説

クレジットカードやスマートフォンなどを専用端末にかざすだけで決済が完了する非接触型(タッチ)決済は、海外で多く利用されており、日本でも普及が進んでいます。非接触型決済にはどのようなメリットがあり、どのような業態が向いているのでしょうか。

本記事では、非接触型決済の概要や普及状況、主な種類などについて解説します。非接触型決済を導入するメリット・デメリットのほか、向いている業態、導入方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

非接触型(タッチ)決済とは

非接触型決済とは、クレジットカードやスマートフォンなどを専用端末にかざすだけで支払いが完了する決済方法のことです。非接触型決済では、ICチップが搭載されたデバイスやNFCを利用し、物理的にカードを挿入するといった手間を省くことができます。「コンタクトレス決済」とも呼ばれることがあります。

非接触型決済は、利用者にとって利便性が高い一方、導入には専用の端末やインフラの整備が必要です。導入を検討する際には、メリット・デメリットを比較することをおすすめします。

非接触型決済の普及状況

非接触型決済は、日本よりも海外のほうが普及しています。特に、欧米諸国やアジア、オセアニアでは普及率が高く、日常的に利用する決済手段として、広く受け入れられている状況です。
日本では、Suicaなどの交通系ICが普及していることもあり、クレジットカードの非接触型決済の利用が広がりませんでした。しかし近年、インバウンドの増加などを背景に、非接触型決済を取り入れる店舗が増えています。

一方、公共交通事業者では、交通系ICではなく「オープンループ」を採用するケースが増加しています。オープンループとは、クレジットカードなどをかざすだけで改札機を通過できる仕組みのことです。2025年度には、多くの公共交通機関でこのような非接触型決済サービスが導入される予定です。
このような動きにより、非接触型決済の利便性がさらに広く認知され、利用の増加が期待されています。

非接触型決済の種類

非接触型決済には、さまざまな種類があります。非接触型決済の主な種類は、以下のとおりです。

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、非接触型決済の代表的な種類です。クレジットカードの非接触型決済は、日本では2019年頃に本格的に導入が始まり、2020年頃からはコロナ禍も影響し一気に普及しました。クレジットカードのタッチ決済では、クレジットカードに搭載されたICチップを専用端末にかざすだけで、暗証番号の入力を省略してスムーズに決済が完了することができます。フィンテック企業のインフキュリオンが2024年に行った調査では、非接触型決済を利用したことがある人の50%が、クレジットカードで決済を行っているという結果が出ています。
なお、非接触型決済によるクレジットカード決済の上限額は、クレジットカード会社や利用システムによって異なりますが、一般的には1回あたり1万~1万5,000円に設定されているのが一般的です。

出典:株式会社インフキュリオン「クレカ利用者の半数は「タッチ決済」を日常利用、コード決済利用率は過去最高値68%。学ぶべき金融知識2位「キャッシュレス決済」、キャッシュレス派自認は約7割」(2024年6月)

スマホ決済

スマホ決済は、スマートフォンを利用した非接触型決済のことです。PayPayをはじめとするQRコード決済のほか、Apple Pay、Google Payといった決済手段があり、広く利用されています。スマホ決済は、カード情報をアプリに登録して利用する仕組みとなっており、財布を持たずに決済ができる点が特徴です。

スマホ決済については、以下の記事で詳しく説明しております。
スマホ決済とは?支払い方法や種類、メリット・デメリットを解説 | SBペイメントサービス

電子マネー決済

電子マネー決済も、非接触型決済のひとつとして広く利用されています。交通系ICや専用の電子マネーカードを使い、特に公共交通機関やコンビニエンスストアでの利用シーンが多いかと思います。事前にチャージすることで利用できるため、予算管理がしやすい点も特徴です。

電子マネー決済については、以下の記事で詳しく説明しております。
電子マネーの仕組みとは?導入のメリットと方法を紹介 | SBペイメントサービス

非接触型決済の主な支払い方式

非接触型決済は、ニーズに合わせて複数の支払い方式を利用できます。主な支払い方式は、以下のとおりです。

前払い型

前払い型は、事前にお金をチャージしておき、その範囲内で利用する支払い方式です。交通系ICやプリペイド型電子マネーは、この方式に該当します。予算管理がしやすく、使いすぎを防げる点が特徴です。

後払い型

後払い型は、商品やサービスを利用した後で支払いが行われる方式を指します。後払い型の非接触型決済の代表例はクレジットカード決済です。
一定期間ごとに請求がまとめられるため、資金繰りを考えやすいといったメリットがあります。

即時払い型

即時払い型は、支払いが行われた時点で銀行口座から代金が即座に引き落とされる方式です。デビットカードのカード情報をスマホアプリに登録することで即時払いをすることができます。即時払いのメリットとしては、銀行口座と連動しているため、口座に入っている分しか利用できないことから使いすぎを防ぐことができたり、事前チャージの手間なしでスムーズに決済が完了できる点です。

非接触型決済を導入するメリット

非接触型決済を導入することには、多くのメリットがあります。主なメリットは以下のとおりです。

お客さま満足度が向上する

非接触型決済を導入すると、お客さま満足度が向上します。非接触型決済は、スピーディーでスムーズな支払い体験を提供します。顧客は財布を取り出したり、暗証番号を入力したりする手間が省けるため、スピーディーな決済が可能となり、会計時の混雑緩和や待ち時間軽減に貢献できます。こうした利便性が顧客満足度の向上につながり、リピーター獲得のチャンスも広がるでしょう。

売上向上が期待できる

売上向上を期待できることも、非接触型決済を導入するメリットです。スマホ決済などは若年層に人気があり、クレジットカードのタッチ決済は外国人などの需要が高いため、顧客層の拡大により売上向上を期待できます。

接触感染を防止できる

非接触型決済を導入すると、接触感染を防止できます。コロナ禍以後、感染症への意識が高まっていますが、非接触型決済では現金やカードを直接手渡しする必要がありません。これにより、接触感染のリスクを軽減し、お客さまの安全・安心を守りやすくなります。

非接触型決済を導入するデメリット

便利な非接触型決済ですが、導入にあたっては課題や注意点も存在します。主なデメリットは以下のとおりです。

金額によっては利用できないことがある

非接触型決済サービスは、利用金額に上限が設定されている場合があります。特に、クレジットカードのタッチ決済では、1回あたりの決済上限額が1万~1万5,000円程度に制限されていることが一般的です。これにより、高額な商品の購入には利用できないケースがあります。そうした場合は、従来どおりカードを挿して暗証番号を入力してもらうといった対応が必要です。

専用端末を導入する必要がある

非接触型決済を利用するためには、専用の端末や機器を設置する必要があります。これには初期費用がかかるほか、運用やメンテナンスのコストも考慮しなければなりません。特に、小規模の事業者さまにとっては、導入のハードルとなる場合があります。

非接触型決済が向いている業態

非接触型決済はその特徴により、特定の業態では高い導入効果が期待できます。非接触型決済が向いている業態をご紹介します。

飲食店

飲食店は、非接触型決済が向いている業態のひとつです。飲食店に非接触型決済を導入すると、会計がスピーディーになります。特に、ランチタイムなどのピーク時には、お客さまの会計待ち時間を短縮し、回転率を向上させられるでしょう。
また、持ち運びが可能なモバイル端末を使い、デリバリーサービスでも利用できるようにすれば、配達員が現金を持って移動したり、お釣りを渡したりする時間を減らすことが可能です。

医療機関/ドラッグストア

医療機関やドラッグストアも、非接触型決済が向いている業態です。医療機関などに非接触型決済を導入すると、接触感染を防ぎやすくなります。現金の受け渡しが減ることで、衛生的でスムーズな会計処理が可能となるでしょう。来院者や薬を受け取る人にとっても安心できる決済手段です。

イベント事業

イベント事業も非接触型決済に向いている業態の一つで、イベント会場に非接触型決済を導入することで、多くのメリットが生まれます。
まず、チケット購入や物販での会計がスピーディーになります。大規模なイベントでは、多くの来場者が同時に会計を行うため、非接触決済によって待ち時間を大幅に短縮できます。これにより、イベントの円滑な運営と来場者の満足度向上につながるでしょう。また、非接触決済は現金の取り扱いを減らすことができるため、イベントスタッフの負担を軽減し、現金管理のリスクも低減できます。特に野外イベントなどでは、現金の保管や輸送に関するセキュリティ面での懸念が軽減されます。
これらの効率性、セキュリティ、衛生面など多方面でメリットをもたらし、イベントの成功と参加者の満足度向上に大きく貢献します。

非接触型決済の導入方法

非接触型決済を導入するには、二つの方法があります。決済機関と事業者さまが直接契約する方法と、決済代行会社を利用する方法です。事業者さまの業態やお客さまのニーズに応じて、最適な方法を選ぶことが重要です。主な導入方法は以下のとおりです。

決済機関と直接契約する

クレジットカード会社と契約をする場合に、直接契約であれば決済代行会社に支払う手数料などがないため、手数料を安く抑えることができます。しかし、導入したいクレジットカード会社や決済手段が複数ある場合には、各決済機関との契約・審査・決済システムの構築などが必要となるため、多くの費用や工数がかかってしまうこととなります。

済代行会社を利用する

事業者さまは決済代行会社を利用し、決済手段を導入することも可能です。決済代行会社を利用すると、各決済機関との契約や審査、決済システムの構築を事業者さまに代わって決済代行会社が行うため、導入までの期間を短縮できるのが特徴です。また、決済代行会社が提供するセキュリティ性の高い決済システムを利用できるため、自社でシステムを構築するコストや工数を削減できます。さらに、複数決済手段を導入した場合でも、入金タイミングを統一できるため経理処理の負担軽減にもつながります。

非接触型決済の導入に必要な費用

非接触型決済の導入には、初期費用や運用コストなど、いくつかの費用が発生します。ここでは、それぞれの費用について解説します。

初期費用

非接触型決済を導入する際には、専用端末の購入・レンタルや決済システムの整備などに初期費用が必要です。端末の種類や提供元によって費用は異なりますが、小規模の事業者さまにとっては大きな投資になる場合もあります。
決済代行会社を利用すれば、複数の決済手段に対応できる端末を用意してもらえるため、直接契約に比べて初期費用を抑えられるでしょう。

月額の利用料

非接触型決済を導入すると、月額のシステム利用料が発生することがあります。この料金には、決済システムの運用やサポート費用が含まれます。
費用はサービス提供会社によって異なりますが、コストに見合った機能を提供しているかを確認することが重要です。

決済手数料

決済手数料は、決済が行われるたびに発生します。これは、取引金額の数%として設定されることが一般的で、契約条件などによって変動します。
商品・サービスの価格を設定する際には、非接触型決済の手数料を考慮した上で行う必要があります。

SBペイメントサービスが選ばれる理由

非接触型決済は、スマートフォンやクレジットカードを専用端末にかざすだけで支払いができる、便利な決済手段です。日本は、海外に比べて普及が遅れているものの、インバウンドの需要の高まりなどにより、今後広く利用されることが想定されます。

SBペイメントサービスでは、クレジットカードのタッチ決済のほか、スマホ決済、電子マネー決済といった、さまざまな種類の非接触型決済に対応しています。

また、当社の決済端末はソフトバンクSIMに対応しており、場所を選ばず決済が可能なため、飲食店のテーブル会計やイベント事業などにも多く利用されています。
非接触型決済の導入にお悩みの事業者さまは、ぜひSBペイメントサービスへご相談ください。

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よくあるご質問

Q.
非接触型(タッチ)決済とは?
A.
非接触型(タッチ)決済とは、クレジットカードやスマートフォンなどを専用端末にかざすだけで支払いが完了する決済方法のことです。「コンタクトレス決済」とも呼ばれ、スピーディーかつ衛生的な支払い手段として注目されています。海外では普及が進んでいましたが、インバウンド需要の増加などを受け、日本でも昨今普及が進んでいます。
Q.
非接触型決済のメリットは?
A.
非接触型決済の最大のメリットは、決済の利便性向上により、お客さまの満足度が向上することです。決済のスピードが高まることにより、飲食店などでは回転率の向上と売上アップも見込めます。また、決済の際に現金の受け渡しが不要になるため、接触感染のリスクを下げられることもメリットです。
Q.
非接触型決済が向いている業態は?
A.
非接触型決済は、飲食店や医療機関、ドラッグストア、イベント事業への導入が適しています。会計がスムーズになり、接触感染の心配も減らせるといったメリットにより、利用者も事業者さまも安心できます。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。

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監修者情報

SBペイメントサービス編集部

SBペイメントサービスはソフトバンクグループの一員として決済事業を担い、2004年に設立以降、幅広い業界の事業者さまに決済システムの導入を行っている。
当社のコラムでは、決済分野だけでなく、ECサイト運営やビジネスに役立つ情報を継続的に事業者さまに発信している。

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