予約決済システムとは、オンラインで商品・サービスを予約し、同時に決済もできるシステムのことです。近年、多くの業界で導入が進んでおり、ホテルやフィットネス、飲食店など多くの事業で活用されています。事業者さまにとっては、予約の管理や事前決済ができることで、売上の安定や会計業務の効率化につながるといったメリットがあります。
本記事では、予約決済システムの種類やメリットのほか、導入方法と選び方について解説します。自社のビジネスに適した予約決済システムを見つけ、業務の効率化と売上向上につなげる参考にしてください。
目次
予約決済システムは商品・サービスを予約・決済できるシステム
予約決済システムとは、インターネット上で商品・サービスを予約し、同時に決済まで完了できるシステムのことです。予約管理システムとしての機能も備えており、ホテルなどの宿泊施設やフィットネスジム、飲食店、イベントといった業界で活用されています。
事業者さまにとっては、予約の受付から決済までを一元管理できるため、業務の効率化や売上の安定化につながります。また、事前決済によって無断キャンセルのリスクを低減し、収益を確保しやすくなる点も大きなメリットです。
近年では、スマートフォンやタブレットから簡単に予約・決済できるシステムが増えており、消費者にとっても利便性の高いサービスとなっています。
予約決済システムの種類
予約決済システムには、「汎用型」と「業界特化型」の2種類があります。それぞれ特徴があるため、導入する際は、ビジネスの形態や業界の特性に応じて適したシステムを選ぶことが重要です。
汎用型
汎用型の予約決済システムは、業種を問わず幅広い用途に対応できるシステムです。予約管理に必要とされるさまざまな機能を搭載しており、あらゆる予約のパターンに対応できる特徴があります。
また、汎用型の予約決済システムでは、予約画面をカスタマイズできるシステムが多く、デザインの種類も豊富です。自社のビジネスに合わせた予約決済システムを作りたい場合には、汎用型を導入するといいでしょう。
業界特化型
業界特化型の予約決済システムは、特定の業界のニーズに最適化されたシステムです。商品・サービスの予約は、業界ごとでパターンが異なります。予約するお客さまの情報を多く入力しなくてはならない場合もあれば、予約する商品・サービスの内容を細かく指定しなくてはならない場合も少なくありません。
予約方法に特徴がある業界の場合は、業界特化型の予約決済システムを導入することをおすすめします。
業界特化型の予約決済システムが向いている業界と必要な機能は、主に以下のとおりです。
業界特化型の予約決済システムが向いている業界と必要な機能
- ・ホテル業界:カレンダータイプの宿泊予約管理機能・料金設定・顧客管理機能・宿泊料金の精算
- ・フィットネス業界:レッスン予約・インストラクター指名・会員管理機能・会員費の精算
- ・飲食業界:時間帯別テーブル予約・Web予約フォームの作成・顧客管理機能・予約時の事前決済
ホテル業界の予約決済システムや事前決済機能については、以下のページで詳しく説明しております。

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フィットネス業界の予約決済システムや事前決済機能については、以下のページで詳しく説明しております。

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予約決済システムのメリット
予約決済システムを導入すると、さまざまなメリットがあります。主なメリットは以下のとおりです。
予約管理が効率化する
予約管理が効率化することは、予約決済システムの大きなメリットです。予約決済システムを導入すると、電話やメールなどを通じたスタッフによる予約受付や管理が不要になり、業務がスムーズになります。顧客がオンラインで予約を完了できるため、スタッフがほかの仕事に時間を使うことができ、負担が軽減されるでしょう。
キャンセルによる利益損失を防げる
キャンセルによる利益喪失を防げることも、予約決済システムを導入するメリットです。予約決済システムを活用した事前決済により、予約後の無断キャンセルが発生しても、利益を損なうことはありません。特に、ホテルや飲食といった業界では、直前のキャンセルの損失が大きいため、予約時の支払いを必須にできる予約決済システムがおすすめです。
いつ・どこからでも予約を受け付けられる
予約決済システムを導入すると、いつ・どこからでも予約を受け付けられます。予約決済システムは24時間365日対応できるため、スタッフが電話やメールで予約を確認する必要はありません。顧客が好きなタイミングで予約できるため、電話受付のみと比べて機会損失が少なくなり、予約件数の増加にもつながります。
会計業務を効率化できる
会計業務を効率化できることも、予約決済システムを導入するメリットです。予約時に決済を完了できることで、来店時の会計処理が不要になり、スムーズな対応が可能になります。特に、混雑する時間帯の業務負担が軽減でき、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
スケジュールを調整しやすくなる
予約決済システムを導入すれば、店舗側でスケジュールを調整しやすくなります。予約の追加・変更などがリアルタイムで把握できるため、ダブルブッキングを防げるだけでなく、オペレーションのスケジュールを立てやすくなるでしょう。従業員のシフト調整やリソース配分がしやすくなり、業務の最適化につながります。
非接触で予約受付・決済ができる
非接触で予約受付・決済ができることも、予約決済システムの大きなメリットです。近年は、店舗でのスタッフによる各種応対、会計などを非接触で行うことへの需要が高まっています。予約決済システムを導入すれば、来店時の支払いを不要にできるため、対面での接触機会を減らすことが可能です。特にコロナ禍以降、衛生管理の観点からも大きなメリットがあるといえます。
インバウンド需要に応えられる
インバウンド向けに多言語対応の予約決済システムを導入すれば、海外からの予約もスムーズに受け付けられます。クレジットカード決済やQRコード決済に対応していれば、現地通貨に依存しない決済も可能です。海外のお客さまの利便性が向上し、売上の向上を見込めます。
予約決済システムの利用手順
予約決済システムは、お客さまがスムーズに予約と決済を完了できる仕組みが整っています。一般的な予約決済の利用手順は、以下のとおりです。

1. カレンダーから商品・サービスを予約する
予約決済システムでは、お客さまはまず予約サイトやアプリ上のカレンダー機能を使い、商品・サービスを提供してもらう日を予約します。空き状況はリアルタイムで更新されるため、ダブルブッキングの心配はありません。
2. 予約者の情報を入力する
商品・サービスを予約したら、次は予約者の氏名・連絡先・利用人数などを入力します。業界特化型の予約システムでは、事前アンケートや特記事項(アレルギー情報など)を記入可能です。
3. 決済方法を選択する
予約情報を入力したら、決済方法を選択します。クレジットカード決済のほか、QRコード決済、コンビニ払い、現金払いなどから選択するのが一般的です。お客さまにとって使いやすい方法を提供することが重要です。
4. クレジットカード情報を入力する
決済方法でクレジットカード決済を選択した場合は、クレジットカード情報(カード番号・有効期限・セキュリティコードなど)を入力します。
事業者さまは、お客さまに安心して予約決済システムを利用していただくことが大切です。セキュリティ対策を徹底し、クレジットカード情報が漏えいすることのないようにしましょう。
なお、QRコード決済の場合は、決済用のQRコードを表示した画面に遷移し、お客さまに決済してもらいます。コンビニ払い、現金払いなどの場合は、支払い期日や代金などをお客さまに正しく伝えることが大切です。
5. 予約内容を最終確認する
クレジットカード情報を入力したら、最後に予約内容と支払い情報を確認し、確定ボタンを押すと予約が完了します。完了後は確認メールが自動送信され、顧客は詳細をいつでも確認可能です。
予約決済システムを導入する際のポイント
予約決済システムを導入する際は、顧客の利便性を高め、事業の成長につなげる工夫が必要です。ここでは、予約決済システムの導入時に押さえておきたいポイントを解説します。
メリットを伝えて利用を促進する
予約決済システムを導入する際には、お客さまにシステムのメリットを伝えて利用を促進することが大切です。システムを導入しても、お客さまが使い方を理解し、安心して利用できる環境を整えなければ、十分に活用されません。店舗やWebサイトで予約方法をわかりやすく説明する、既存のお客さまにメールやSNSで案内するといった方法で利用を促しましょう。
キャンセルポリシーを明確にする
キャンセルポリシーを明確にすることも、予約決済システムを導入する際の大切なポイントです。特に、事前決済を導入する場合は、以下の点を明記しておくことをおすすめします。
キャンセルポリシーに明記しておくこと
- ・予約のキャンセル期限:1週間前までは無料、当日キャンセルは料金の100%など
- ・返金のルール:キャンセル時の返金の有無、手数料など
- ・キャンセル手続きの方法:予約決済システムで可能、電話連絡が必要など
予約決済システムの選び方
予約決済システムを導入する際には、自社のビジネスモデルや運用方法に合ったシステムを選ぶことが重要です。予約決済システムの選び方について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

決済方法の種類の豊富さで選ぶ
決済方法の種類の豊富さは、予約決済システムを選ぶ際の重要なポイントです。お客さまが利用しやすくなるよう、どのような決済手段に対応しているか確認することをおすすめします。
当社が2024年に実施した、「ECサイトで物品を購入する際の決済手段に関する調査」を参考に、予約決済システムにおいての重要な決済手段をご紹介します。
予約決済システムで重要な決済手段
- ・クレジットカード決済:幅広い年代層に支持されています。また、インバウンド対策としても導入必須の決済手段です。
- ・QRコード決済(PayPayオンライン決済、楽天ペイなど):特に若年層に人気の決済手段で、購入時の情報入力も少ないため、お客さまの決済途中の離脱の抑制を期待できるのが特徴です。
- ・コンビニ決済:クレジットカードを所有していない層や、セキュリティの観点から利用することに抵抗を感じる層の利用が見込めます。

コストで選ぶ
予約決済システムを導入する際には、初期費用や月額料金、決済手数料などのコストを比較することも大切です。コストと機能のバランスを考慮し、自社に最適なシステムを選びましょう。
自社システムとの連携性で選ぶ
自社の業務システムと連携できるかも、予約決済システムを選ぶ際のポイントです。POSレジシステム、顧客管理システム、会計システムなどと連携できると利便性が高まるだけでなく、業務の効率化も図れます。業務フローをスムーズにするために、予約決済システムの連携性やカスタマイズ性もチェックしておきましょう。
入金サイクルで選ぶ
予約決済システムを導入する際には、入金サイクルで選ぶのもおすすめです。商品・サービスの代金が決済後いつ入金されるかは、キャッシュフローに影響を与えるため、きちんと確認する必要があります。
決済翌日などに入金される仕組みであれば大きな問題はありませんが、翌月や翌々月といった場合、問題になるケースがあるため注意が必要です。
キャッシュフローを安定させるために、自社の資金繰りに合った入金サイクルのシステムを選びましょう。
セキュリティの強さで選ぶ
セキュリティの強さも、予約決済システムを選ぶ際のポイントです。オンライン決済では、不正利用や情報漏洩といったリスク対策が欠かせません。お客さまの利便性と安全のため、セキュリティ対策が万全なシステムを選ぶことをおすすめします。
サポート体制で選ぶ
予約決済システムを導入する際には、サポート体制の確認も大切です。予約決済システムは、導入後に思わぬトラブルが発生することもあります。サポート体制が充実していないと、トラブルを自社でリカバリーしなくてはならず、多くの時間がかかってしまうケースも少なくありません。予約決済システムのサポート体制の充実度は、必ずチェックしておきましょう。
予約決済システムを導入し、事業成長の力にしよう
インターネットで商品・サービスの予約と決済ができる予約決済システムには、予約管理の効率化をはじめとした、さまざまなメリットがあります。予約決済システムを導入して成果につなげるには、お客さまにメリットを伝え、キャンセルポリシーを明確にするといった対策が必要です。
SBペイメントサービスでは、業界ごとの事情に対応できる決済機能を備えた予約システムをご紹介しています。また、事業者さまが自社で開発した予約決済システムに、決済手段を導入することも可能です。予約決済システムの導入をご検討の際には、SBペイメントサービスにご相談ください。
ホテル業界の課題に関する決済ソリューションは、以下のページで詳しく説明しております。
ホテル業界の収益向上・人手不足対策を実現する決済ソリューション | SBペイメントサービス
フィットネス業界の課題に関する決済ソリューションは、以下のページで詳しく説明しております。
フィットネス業界のあらゆる課題を解決する決済ソリューション | SBペイメントサービス
よくあるご質問
- Q.
- 予約決済システムとは?
- A.
- 予約決済システムとは、オンライン上で商品・サービスの予約と決済が行えるシステムです。事業者さまが予約決済システムを導入すると、商品・サービスの予約を効率的に管理でき、事前決済と売上も管理できるため、会計の効率化などにつながります。
- Q.
- 予約決済システムのメリットとは?
- A.
- 予約決済システムを導入すると、予約管理を効率化でき、予約後のキャンセルによる利益損失を防げます。また、いつ・どこからでも予約を受け付けられる、会計業務を効率化できるといったメリットがあるほか、オペレーションのスケジュールを調整しやすくなる、非接触での予約受付・決済ができる、インバウンド需要に応えられるといったメリットも得られるでしょう。
その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。
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