カゴ落ちとは?ECサイトのカゴ落ちの原因や対策・改善方法を解説

EC事業者さまにとって日常的に起こる問題のひとつが「カゴ落ち」です。多くのEC事業者さまがカゴ落ちに悩んでおり、対策を練っていることでしょう。
ここでは、カゴ落ちが起こる理由を分析するとともに、どのような対策をすればカゴ落ちを減らせるのかについても解説していきます。

目次

カゴ落ちとは、カートに入れた商品を購入せず離脱すること

カゴ落ちとは、ECサイトでカートに商品を入れたものの、購入まで至らず離脱してしまうことをいいます。
Baymard Institute社が2018年に行った調査の結果、一般的にECサイトのカゴ落ち率は、平均して69.57%にもなることがわかっています。つまり、カートに商品を入れたお客さまのうち、10人中約7人は購入を完了せずページから離れてしまっているのです。

※参考:https://baymard.com/lists/cart-abandonment-rate

カゴ落ちが起こる理由とは

購入の意思があったのにもかかわらず、カートを放棄してページを離れてしまうことには、どんな理由があるのでしょうか。
カゴ落ちが起こる理由はさまざまありますが、お客さま心理をもとに、代表的なカゴ落ちの理由をご説明します。

1.送料や手数料が高い

カゴ落ちの理由として、送料や手数料が高いことが挙げられます。商品ページを見ているときは、送料や手数料といった追加費用について意識しにくいものです。
その結果、カートに欲しい商品を入れるだけ入れて、いざ購入という段階で画面に表示された金額が想定よりも高いことに気づきます。そして、「こんなに送料がかかるなら、今回は買わないでおこうかな」と考えてページを閉じてしまうというのが、カゴ落ちの大きな原因です。

ECサイトでは、ある程度購入金額が高くなれば送料を無料にする、「送料無料ライン」を設定しているところがあります。しかし、安い物を買った場合は送料が発生しますので、商品の値段に対して送料を高く感じてしまう場合があるでしょう。とはいえ、EC事業者さまとしては購入金額が低いのに、送料まで負担したくないと考えます。送料はお客さまにとっても気になる点ですが、EC事業者さまにとっても悩みの種なのです。

2.よく利用している決済手段が使えない

当社で行った決済に関する消費者アンケート調査の結果、よく利用する決済手段が使えない場合に、別の決済手段を使って同じECサイトで購入する人は40%未満ということがわかりました。残りの60%以上の人は、他のECサイトで同じ商品を購入すると回答しています。(回答者数1,986人、集計期間2018年12月1日~2018年12月10日)
この調査結果で分かる通り、決済手段が限定されている場合カゴ落ちの原因となってしまうということです。

※参考:https://www.sbpayment.jp/support/ec/survey/exit-rate/

3.決済するのにアカウント登録が必要

多くのECサイトでは、購入するためにアカウントの登録が必要です。一度登録してしまえばクレジットカード情報や住所などを入力する手間がなくなりますから、お客さまにとってもメリットが大きいのですが、初回に限っていえばアカウント登録の手間がカゴ落ちを誘発している要因にもなります。
カートに商品を入れていざ購入しようとするとアカウントの登録を求められ、そこで購入する気が削がれてしまうお客さまは少なくありません。

4.合計金額が予想よりも高かった

ECサイトの中には、商品ページに商品代金しか提示されておらず、送料を含めた合計金額が決済画面に進むまで確認できないものもあります。決済画面で掲示された合計金額が、お客さまの予想よりも高かった場合、決済をせず離脱してしまう可能性があります。

5.クレジットカード情報を登録・入力したくない

クレジットカード決済は、ECサイトで圧倒的に利用率の高い決済手段ですが、なかにはセキュリティを懸念しクレジットカードを登録・入力したくないというお客さまお客さまもいます。商品を購入するつもりで決済画面まで進んだところ、希望する決済方法がなくクレジットカードを使うしかないとなると、その時点でカゴ落ちしてしまうお客さまもいるでしょう。

6.決済の途中でエラーやクラッシュが発生し、うまく決済できなかった

カートに商品を追加している途中、または決済を進めている途中で画面がクラッシュしたりエラーが発生したりして強制的にページが落ちた場合、そのまま戻ってこなくなるお客さまお客さまは少なくありません。
そのECサイトでしか販売しておらず、本当に欲しい商品であれば再度トライしてくれるかもしれませんが、ほかのECサイトでも購入できるのであれば「また落ちたら嫌だ」という心理が働いて、カゴ落ちしたままになってしまうケースも多いです。

7.どこでカゴ落ちが発生しているかがわからない

なんとなくカゴ落ちが発生していそうと思っていても、具体的にどのページでカゴ落ちが発生しているかわからなければ、適切な対応をするのが難しいでしょう。決済手段が少ないことが原因でカゴ落ちが多く発生しているのに、それがわからず手数料を引き下げるなど、カゴ落ちの対策をしてはいるものの、最も影響が大きい部分をそのまま放置してしまうと、ユーザーはどんどん離れてしまう可能性があります。

8.返品ポリシーに不安がある

返品ポリシーが掲示されていない、あるいは明確でないと、お客さまは不安を感じてしまいます。この「お客さまの不安」は、購入をためらう大きな要因です。ECサイトの信頼に関わることですので、早急な見直しが必要でしょう。

カゴ落ちさせないための9つの対策

カゴ落ちにつながるさまざまな原因について解説してきました。では、そうした原因を取り除き、カゴ落ちをなるべく減らすには、どのような対策を行えばいいのでしょうか。

1.送料などの追加費用をできるだけ下げる

送料などの追加費用が原因でカゴ落ちしているのであれば、とれる対策はそうした追加費用をなくすことしかありません。しかし、前述したように、安い商品の送料をEC事業者さまが負担するのは難しいでしょう。

完全な対策はありませんが、例えば特定の商品に絞って戦略的に送料をゼロにするという方法があります。送料ゼロの商品だけを注文されるリスクはありますが、もし「ついで買い」をしてもらえれば、売上アップが期待できます。この場合、送料がかからないという点をしっかり商品ページに記載してアピールしましょう。

2.多くの決済に対応する

カゴ落ちが起こる理由でも挙げたように、よく利用する決済手段がない場合はカゴ落ちが起こりやすくなります。できるだけ多くの決済手段に対応し、お客さまの取りこぼしを防ぎましょう。利用率の高いクレジットカードは当然として、クレジットカードを使いたくない人やクレジットカードを持てない若年層に向けて、コンビニ決済やキャリア決済、ID決済、後払い決済などの決済手段を用意しておくことが重要です。

3.会員登録の手間をなるべく減らす

会員登録の手間が原因でカゴ落ちしているのであれば、登録の手間を極力減らすことで、ある程度離脱を防げるはずです。入力フォームを少なくして、会員登録に対する抵抗感を減らしましょう。

あるいは、登録しないまま購入できるシステムを導入するのも効果的です。登録の手間の多い少ないにかかわらず、会員登録自体をしたくないというお客さまもいますから、登録なしで購入できる選択肢を用意しておくことはカゴ落ち防止に有効です。

4.決済前に合計金額を確認できるようにする

決済前に、送料を含めた合計金額を確認できれば、ECサイトの利便性が高まります。送料やラッピング代などの追加費用がかかる場合は、商品ページにも記載しておきましょう。
また、お客さまが商品をカートに入れたときに、合計金額を表示するのも有効です。お客さまの利便性が高まり、カゴ落ちの抑制にもつながります。

5.ECサイトの表示スピードやUIを改善する

エラーやクラッシュでお客さまが離脱しないよう、ECサイトのシステムを安定させましょう。また、クラッシュまでいかずとも、画面の表示スピードが遅いと、それだけでお客さまが離れてしまうこともあります。極力サイトを軽くして、表示スピードを速められるようシステムを見直すことも大切です。

加えて、サイトのUIが適切かどうかも確認してください。ボタンの配置や商品写真の見せ方などは適切でしょうか。サイトが見づらいと、お客さまが離脱する原因にもなります。

6.カゴ落ちフォローメールなどでお客さまにアプローチする

カートに商品が残っていることを、メールなどでお客さまに知らせるアプローチも有効です。
その際に利用したいのがWeb接客ツールです。カート内に商品が残ったままサイトを離脱しようとしたお客様にポップアップでリマインドをしたり、離脱後にメールでお知らせをしたりすることで買い忘れを防止することができます。

7.ショップの信頼性やセキュリティ対策について明示する

大型のショッピングモールではなく、自社運営の小規模なECサイトなどの場合、お客さまは「このサイトは信頼できるのか」と疑問を抱くことも考えられます。
せっかくカートに商品を入れても、最終的に信頼性への不安でカゴ落ちすることもありえますので、ショップの運営会社や実施しているセキュリティ対策などについて明記し、お客さまの信頼性を高めることが大切です。

8.返品や交換の条件を明確にし、目立つ場所に掲示する

返品や交換のポリシーは明確にし、目立つ位置に提示しておきましょう。返品可能なのは商品到着から何日以内か、開封後も交換は可能か、送料はどちらが負担するかなど、具体的にわかりやすく記載することが重要です。

9.ECサイト内のカゴ落ちが起こる理由を分析する

カゴ落ちの状況について正確に把握するために、分析ツールを使うのもおすすめです。ECサイトに分析ツールを導入することでユーザーの行動を解析し、どういった動きを経てカゴ落ちに至ったのかを分析することで対策を検討することができます。例えば、商品ページからカートへの遷移が少ない場合は商品ページの改善や、カートへの導線改善が必要となるでしょう。またユーザーの直帰率やデバイス別の購入率など見るべき指標は多くあります。
分析ツールは有料のものが多いですが、まずはGoogle社が提供しているGoogle Analyticsなど無料のツールで、簡単な分析から始めてみるのもいいでしょう。

カゴ落ち対策におすすめのツール

カゴ落ちの要因や、対策についてご紹介しましたが、実行するとなると多大な工数がかかります。そこでカゴ落ち対策専用のツールを導入するのも1つの方法です。ここからはカゴ落ち対策におすすめのツールをご紹介します。

Repro

Repro

特徴1:専門チームによる分析と施策立案

特徴2:コーディング不要の改善ツール

Web接客ツールを提供している「Repro」は、リマインド施策はもちろん、様々なカゴ落ち要因をA/Bテストで手軽に分析し、効率的に施策につなげていくことができます。また、事業会社側でノウハウがない場合も、専門チームによる分析から施策立案まで一気通貫のサポートにより、早期の改善が見込めます。

料金 要見積もり 導入数 48件超(事例紹介数参照)

SBペイメントサービスが選ばれる理由

カゴ落ちの原因のひとつとして、「お客さまが希望する決済手段がない」ことを解説いたしました。できるだけ多くの決済手段を導入しておくことで、カゴ落ちの防止にも繋がります。ただし、多くの決済手段を個別に契約・導入するのは手間と時間がかかり現実的でないため、決済代行会社を使うことをおすすめします。
当社は、40ブランド以上の決済手段を提供しており、多くのEC事業者さまに選ばれている決済代行会社です。今後決済手段を導入検討される際には、豊富な実績とセキュリティを備えた当社にぜひご相談ください。

よくあるご質問

Q.
カゴ落ちを防ぐためには、どのような決済手段を取り入れれば良い?
A.
決済手段が限定されていると、カゴ落ち原因の1つとなっています。お客さま層に合った多くの決済手段を導入しておくことがカゴ落ちの防止に繋がります。
Q.
カゴ落ちを防ぐためには、決済手段は何種類取り入れれば良い?
A.
クレジットカードに加え、コンビニ決済、キャリア決済、ID決済、後払い決済などに対応しておくことが重要です。決済代行サービスを利用することで、多様な決済手段に効率的に対応することが可能です。
Q.
サイトのUIや会員登録フォームの見直しは、カゴ落ちを防ぐのに効果的?
A.
サイトが見づらい、会員登録の手続きが煩雑、といった理由でお客さまが離脱することがあります。お客さまがサイトをスムーズに使えるようUIを整えたり、会員登録をしなくても購入できるシステムを導入したりするのも効果的です。

その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。

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