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ECサイトは、ただ構築して商品を用意しているだけでは、売上を伸ばすことはできません。集客、CVR向上、そしてリピーター獲得という、3つのポイントを押さえたマーケティング施策を行う必要があるでしょう。
ここでは、ECサイトを開設した後に展開すべき、ECマーケティングについて解説していきます。
目次
ECマーケティングとは？
ECマーケティングとは、ECサイトに特化したマーケティングを指します。
まずは、市場やお客さまのニーズを分析して把握し、商品やサービスを効率的に販売して売上を向上させる、一般的なマーケティングのプロセスについて見ていきましょう。
ECマーケティングの特徴
ECマーケティングの特徴は、オンラインでの行動データをもとに、購買プロセスを可視化し分析できることです。また、商圏に制限がなく、世界中のお客さまを対象にできるという特徴もあります。
ECマーケティングも、一般的なマーケティングプロセスを踏襲して進めるのが基本です。ただし、上記のような特徴を踏まえて、一般的なマーケティングプロセスよりも具体的かつ実践的なマーケティング施策が確立されています。
ECマーケティングの施策は、集客、CVR向上、リピーター獲得の3つのポイントを押さえることが重要です。
一般的なマーケティングのプロセス
マーケティングのプロセスとは、市場分析からセグメンテーション、ターゲティングなどを経て実行と評価を行うまでの一連の流れのことです。一般的なマーケティングのプロセスは、以下のようになります。
1. 市場分析
自社が属する業界の内外の環境を調査し、「自社の強み」や「顧客に対しての価値は何か」などを分析します。分析に用いられる手法としては、PEST分析、３C分析、SWOT分析などがあります。
2. セグメンテーション
セグメンテーションとは、顧客に効果的にアプローチするために、市場や顧客をさまざまな基準によってグループ化することです。住む場所や年齢、ライフスタイル、行動パターンなどを基準にグループ化を行います。
3. ターゲティング
ターゲティングとは、セグメンテーションの結果をもとに、自社が強みを発揮できる市場や顧客を絞り込むことです。セグメンテーションした市場や顧客をさらに調査し、市場の規模や自社の強み、競合、外部環境などを考慮して、ターゲットを確定します。
4. ポジショニング
ポジショニングとは、絞り込んだターゲットに対して、競合と差別化できる点を考えることです。「富裕高齢者に、高価だが付加価値が高い商品を提供する」「一人暮らしの若者に、機能を絞った安価な商品を提供する」というように、競合と差別化できるポジションを探ります。
5. マーケティングミックス
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングした内容を参考に、マーケティングミックスを行います。マーケティングミックスとは、4P（Product：製品、Price：価格、Place：流通、Promotion：広告）の要素を組み合わせ、マーケティング施策を策定することです。
6. 実行と評価
マーケティング施策を実行し、結果を評価します。
ECマーケティングと従来のマーケティングとの違い
従来のマーケティングとは、実店舗を訪れた顧客の動向やニーズの分析結果をもとに、商品開発や仕入れ、ディスプレイなどに反映させて商品を販売することをいいます。
一方、ECサイトにおける「ECマーケティング」は、従来のマーケティングとどのような点で異なるのでしょうか。ここでは、3つのポイント別にご紹介します。
ECマーケティングは全世界を対象にできる
一般的なマーケティングは、実店舗に訪れた顧客をターゲットにして施策を行います。一方、ECマーケティングは、インターネット環境のあるすべての国や地域を対象にできるため、世界中のユーザーをターゲットにすることが可能です。
国際的な取引ができる「越境EC」を開設すれば、事業を海外展開することもできます。国内では需要が低くなった商品でも海外であれば需要が高い場合もあるため、事業の可能性を広げることができるでしょう。
ECマーケティングは対面での接客が不要
実店舗のマーケティングは、顧客との対面での接客が不可欠です。一方、ECマーケティングはパソコンやスマートフォンを介して顧客対応を行うため、対面での接客は必要ありません。顧客から問い合わせがあった場合は、電話やメールで対応しますが、一切顧客とのやりとりがないまま売買が完了するケースも多くあります。
対面での接客がない分、ECサイトはユーザビリティの高さが求められるといえます。
ECマーケティングはアクセス解析ができる
ECサイトは、アクセス解析機能を利用することでサイトを訪れた顧客の行動履歴や属性などの情報を取得できます。ページごとのアクセス数や離脱率、滞在時間などの詳細なデータを取得できることも、従来のマーケティングとは異なる点です。
取得したデータを分析することでECサイトの改善策が見つかりやすくなり、サイトの利便性や購入率の向上につながります。
ECマーケティングの集客施策
お客さまを集めることを集客と呼びます。路面店のように物理的に発見してもらうことができないため、ECマーケティングは集客が非常に重要です。ECマーケティングにおける集客方法には、以下のようなものがあります。
Web広告
Web広告は、ECサイトにアクセスしたことがないお客さまを誘導できるため、新規顧客の獲得に有効な集客方法だといえるでしょう。Web広告には、GoogleやYahoo!で特定のキーワードを入力して検索したユーザーに対し、テキスト形式の広告を表示する「リスティング広告」や、ニュースサイトなどさまざまなWebサイトの広告枠にバナーといった形で表示する「ディスプレイ広告」などがあります。
また、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを活用した「SNS広告」なら、SNSごとに異なるターゲット層にアプローチできます。
SEO
SEOとは、GoogleやYahoo!を使って特定のワードで検索したときに、より上位に自社サイトが表示されるために対策することです。例えば、特定のキーワードで検索したとき、上位に自社サイトが表示されれば、その商品を買い求めるお客さまがアクセスしてくれる確率が高くなります。
具体的には、検索エンジンのアルゴリズムに合わせたコーディングや、コンテンツの充実といった施策が必要です。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、商品に関連する記事や動画などのコンテンツをマーケティングに利用する方法です。コンテンツマーケティングは、検索エンジン経由での流入や、見込み顧客の育成に効果を発揮します。見込み顧客の興味や関心に合わせたコンテンツを用意し、商品やサービスの魅力を伝えて購入を促します。
コンテンツマーケティングについては、以下の記事で詳しく説明しております。
ECサイトで有効なSEOとは？コンテンツマーケティングで集客する方法
SNS活用
SNSの公式アカウントを開設し、情報発信することも集客に有効です。SNSでは、お客さまとコミュニケーションをとることができ、親近感や信頼感を抱いてもらえるきっかけとなります。
Instagramは商品を直接購入することができるうえ、配信をプロモーションに活用したライブコマースも活用できるため、ターゲット層によっては効果的です。
ライブコマースについては、以下の記事で詳しく説明しております。
ライブコマースとは？導入するメリットや成功事例などを解説
アフィリエイト広告（成果報酬型広告）
アフィリエイト広告（成果報酬型広告）とは、Webサイトなどにサイトのリンクを張り、ユーザーがリンクを経由して商品購入などをした際に、Webサイトの管理者に報酬が支払われる広告のことです。ECサイトにとっては、広告費で収益を上げているサイトやアフィリエイターのサイトに広告を掲載してもらう手法ということになります。
アフィリエイト広告は掲載のみでは費用がかからず、成果につながらないサイトに対しては広告費が発生しないため、リスクを大きく抑えて広告を出せる点がメリットです。
ECマーケティングのCVR向上施策
CVR（Conversion Rate）とは、Webサイトの訪問者がコンバージョンに至った割合を表します。コンバージョンとは、Webサイトの訪問者が目標とするアクションを指す言葉です。ECサイトの場合は、購入や契約がコンバージョンに該当します。
CVRは、Webサイトのコンバージョン数をWebサイトの訪問者数で割り、100を掛けた数値です。CVRを意識することで、ECマーケティング施策を効率的に評価することができます。
CVRを向上させるためには、主に以下のような施策が考えられます。
LP最適化
LP（ランディングページ）とは、Web広告をクリックした人が直接訪問するページのことです。LPは、ページに訪問した人をコンバージョンにつなげることに特化しています。
LP最適化とは、制作したLPを分析し、ページに訪問した人が途中で離脱することなくコンバージョンに到達するよう改善していくことを指します。LP最適化で重要なのは、お客さまのニーズを理解してLPを改善することです。商品やサービスの魅力がわかりやすく伝わるかはもちろん、注文方法がわかりやすいか、スマートフォンに対応しているかといった使い勝手についても意識しましょう。
カゴ落ち改善
ECサイトでカートに商品を入れたものの、購入までに至らず途中で離脱してしまうことをカゴ落ちと呼びます。なぜカゴ落ちが起きるのかを分析し、対策を講じて少しでもカゴ落ちの回数を減らすのがカゴ落ち改善です。送料や決済手段、会員登録の手間などを見直すことで、カゴ落ちの改善が期待できます。
カゴ落ちの原因や対策、改善方法については、以下の記事で詳しく説明しております。
カゴ落ちとは？ECサイトのカゴ落ちの原因や対策・改善方法を解説
UIの見直し
UI（ユーザーインターフェース）とは、ユーザーがWebサイトを利用する際に目にする部分のことです。ECサイトのレイアウトや画像、文字の大きさ、注文ボタンのデザインなどが含まれます。UIを見直す際には、デザインの見栄えや好みではなく、お客さまが迷わずコンバージョンにたどりつけるかを意識しましょう。
ECサイトのデザインについては、以下の記事で詳しく説明しております。
ECサイトはどうデザインする？売れるECサイトのデザインを解説
ECマーケティングのリピーター獲得施策
新規顧客の開拓も必要ですが、ECサイトを成功させるにはリピーターの獲得が欠かせません。リピーターが多ければ、集客コストの抑制や売上の安定化に大きく貢献することが期待できます。
ECサイトでリピーターを獲得するための施策には、主に以下のようなものがあります。
顧客分析
リピーターを増やすためにまず行いたいのが顧客分析です。顧客分析により、無駄な施策を行わず、効率的にリピーターを獲得することが可能になります。
なお、顧客分析には、CPM分析が有効です。CPM分析は、お客さまを購入回数、購入金額、最終購入日から何日経ったかで分類し、分析します。
リマーケティング広告
リマーケティング広告とは、ECサイトへの再訪問を目的とした広告のことです。一度でもECサイトを訪れたことのあるユーザーであれば、広告を表示させることができます。
自社ECの商品に興味を持つユーザーを対象にできるため、費用対効果が高い傾向があります。毎月一定数以上の訪問者数があるECサイトなら、より高い効果が期待できる点が特徴です。
会員特典
ポイントやクーポンなどの会員特典は、リピーター獲得に有効な施策です。会員になってもらうには、新規顧客が商品を購入するタイミングなどで、会員登録によるメリットを訴求するといいでしょう。
CPM分析をもとに会員特典付与の結果を評価し、「初回購入後、1ヵ月以内にクーポンを付与するとリピート率が高まる」といった成功パターンを見つけて、精度を上げていくのが理想です。
メールマガジン
メールマガジンは、商品を購入したお客さまや会員登録をしたお客さまに、メールを送信する施策です。以前から使われている方法ですが、現在でも高い効果を得ることができます。
メールマガジンで重要なのは、最適なタイミングでお客さまが求めている情報を提供することです。こちらもCPM分析をもとに、お客さまに合ったタイミングと情報を探ってみてください。
SNS活用
SNSは、集客だけでなくリピーターの獲得にも有効です。定期的な情報発信でお客さまに商品のことを思い出してもらうだけでなく、お客さまとの交流によるファン化の促進も期待できます。
Facebookの商用利用が可能なFacebookページでは、お客さまと直接コミュニケーションをとり、ファン化の促進に活用可能です。また、Facebookグループを使ってコミュニティを運営することもできます。
ライブコマースについては、以下の記事で詳しく説明しております。
ライブコマースとは？導入するメリットや成功事例などを解説
ECマーケティングの課題
ECマーケティングには、次のような課題もあります。課題を踏まえて施策を検討することで、より効率的なマーケティングが行えるでしょう。
顧客の特定が難しい場合がある
ECマーケティングには、実店舗でのマーケティングとは異なり、顧客の特定が難しいという側面があります。特に、ECモールに出店した場合、ネットショップの運営者が取得できる情報は限られます。また、商品を購入するユーザーと決済するユーザーが、異なるケースも少なくありません。
信憑性の低い情報が多いため、取得したデータの信頼性にも注意する必要があります。
短期的な効果は見込めない
ECマーケティングでは、中長期的な視点で施策を考えることが大切です。インターネット広告を用いて短期的に集客できるケースもありますが、集客コストが増えるばかりとなり、かえって効率が悪いこともあります。
リピーターを増やしたり、顧客1人あたりの購入単価をアップさせたりするためには、コンテンツマーケティングやアプリの活用などによる中長期的な施策に取り組んでください。
ここまで解説したECマーケティングをまとめると、以下のようになります。
ECサイト決済の導入・サポートはSBペイメントがおすすめ
ECサイトの運用には、ここで挙げたようなさまざまな方法を組み合わせたECマーケティングが欠かせません。SBペイメントサービスは、決済業界初となるECサイト向けの「マーケティング支援プラン」を提供し、ECサイト事業者さまから選ばれている決済代行会社です。
SBペイメントサービスのマーケティング支援プランは、当社のサービスをご導入いただいている加盟店さま向けに、ニュースリリース配信サービスの「NEWSCAST」と、SNSマーケティングサービス「asagake（アサガケ）」を無料でご利用いただけるサービスです。
ECサイトを開設する際には、ぜひSBペイメントサービスにご相談ください。
マーケティング支援プランについては、以下のページで詳しく説明しております。
