ECサイトにクレジットカード決済やコンビニ決済などを導入される際に、一括で決済機関等と契約を行ってくれる決済代行会社はEC事業者さまにとって大きな助けとなります。一方で、決済代行にかかる手数料をしっかりと理解しておかなければ、導入後に想定外の経費になる可能性もあります。当コラムでは、決済代行サービスの初期費用や月額費用、トランザクション費用など、各種手数料と相場について解説します。決済代行会社の選び方についてのポイントも紹介します。
目次
決済代行にかかる手数料の種類
決済代行にかかる主な手数料には、初期費用や月額費用、決済手数料、トランザクション費用などがあります。
決済代行にかかる手数料の相場
手数料の種類 | 相場 |
---|---|
初期費用 | 無料~数十万円 |
月額費用 | 数千円~数万円 |
決済手数料 | ・クレジットカード決済:決済金額の2~10% ・電子マネー決済:決済金額の2~4% ・コンビニ決済:1件100~600円程度(1決済の上限は30万円未満) ・口座振替:1件数百円 |
決済サービス利用料 | 決済金額の0.3~1% |
トランザクション費用 | 1回の決済あたり数円~数十円 |
振込手数料 | 無料~数百円 |
取り消し処理手数料 | 5円程度 |
ただし、手数料は決済手段の種類や契約内容などによって異なるため、正確に把握したい場合は決済代行会社に見積りを依頼しましょう。
ここでは、決済代行にかかる主な手数料の種類と、その内容について解説いたします。
初期費用
ECサイトに決済システムを導入するには、決済機関の審査やECサイト専用の決済環境の構築が必要となります。初期費用には、これらの最初に必要な手続きやシステム開発の代行手数料などが含まれています。初期費用の相場は無料~数十万円です。
月額費用
月額費用は、決済システムの利用費や運用に関わる費用などで、導入した決済手段の利用件数や利用有無にかかわらず毎月固定で発生するものとなります。月額費用の相場は数千円~数万円です。
決済手数料
決済手数料は決済金額に応じて発生し、決済代行会社経由で決済機関(クレジットカード会社やコンビニエンスストア等)に支払われる費用となります。決済手段ごとの決済手数料の相場は以下のとおりです。
決済手段ごとの決済手数料の相場
決済手段 | 決済手数料の相場 |
---|---|
クレジットカード決済 | 決済金額の2~10% |
電子マネー決済 | 決済金額の2~4% |
コンビニ決済 | 1件100~600円程度(1決済の上限は30万円未満) |
口座振替 | 1件数百円 |
ただし、決済手数料の金額は、決済手段だけでなく、EC事業者さまの業種、業態、取扱商材、取扱高などによっても異なるため注意が必要です。
決済手数料については、以下の記事で詳しく説明しております。
クレジットカード決済の手数料とは?導入費用や加盟店規約も解説 | SBペイメントサービス
コンビニ決済の手数料はいくら?決済導入時のポイント | SBペイメントサービス
決済サービス利用料
決済金額に応じた決済サービス利用料を、決済代行会社に支払います。決済サービス利用料の相場は、決済金額の0.3~1%です。
トランザクション費用
決済を行うには、ECサイトから送信されたデータに基づき決済代行会社が決済処理を行う必要があります。その処理にかかる手数料がトランザクション費用です。この手数料は、1回の処理毎に数円〜数十円単位でかかります。
トランザクション費用はデータ転送にかかる通信費ですので、決済代行会社から決済機関に支払われる手数料である「決済手数料」とは異なる点に注意してください。
トランザクション費用は、決済金額にかかわらず、決済1回につき固定の金額が発生します。そのため、少額の商品を多くのお客さまに販売するビジネスモデルの場合は、トランザクション費用が負担となる可能性があります。決済代行会社を選ぶ際は、トランザクション費用を試算して比較するといいでしょう。
振込手数料
決済代行会社を利用した場合、決済された売上を指定口座へ振り込むには、振込手数料がかかります。売上が発生する度に振り込むと、手間と手数料がかかるため、売上はまとめて入金されるケースが一般的です。決済代行会社によっては、1ヵ月で2回以上入金することも可能です。
振込手数料が無料で利用できる決済代行会社もありますが、多くの場合は振込金額や振込件数、振込の頻度などによって振込手数料の金額が異なります。振込手数料の相場は、無料~数百円程度です。
そのため、運営しているECサイトの決済のタイミングや金額などを踏まえて、振込手数料をできるだけ抑えられる決済代行会社を選ぶことをおすすめします。
取り消し処理手数料
取り消し処理手数料は、決済処理を取り消す際に発生します。決済処理を取り消す方法は決済代行会社ごとに異なりますが、決済システムの返金手続きや、過去に処理された決済に対する取り消し処理が成功した際に、取り消し処理手数料が必要です。
取り消し処理手数料は1件ごとに5円程度かかるため、決済後の取り消しが多ければ多いほどコストも高くついてしまいます。決済後の取り消しが多く発生することはまれではありますが、取り消し処理手数料を把握しておくことも大切です。
決済代行サービスの料金体系
決済代行サービスの料金体系は、大きく分けて2つあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて確認し、自社に合った料金体系を選びましょう。
初期費用+月額費用
初期費用と月額費用が必要な料金体系は、事業内容をもとに算出されることが多いため、EC事業者さまに適した条件で契約できることがメリットです。また、決済機能やサポート体制が充実している場合が多いため、大規模ECサイトや取引金額が大きいECサイトに適しています。
一方で、初期費用や月額費用が必要な場合は、導入にコストがかかるというデメリットがあります。利用開始はお申込みから3週間~2ヵ月程度必要です。
決済手数料のみ
初期費用と月額費用が不要で、決済手数料のみが必要な料金体系は、導入コストを抑えられるというメリットがあります。また、お申込みから利用開始までの期間が短いことも特徴です。
ただし、基本的に手数料が一律で、割引がないというデメリットがあります。売上予測をもとに決済手数料についてシミュレーションを行い、初期費用や月額費用が必要な料金体系と比較しておくと安心でしょう。
また、決済機能やサポート内容を絞ってサービスを提供している場合が多いことにも注意が必要です。
決済代行会社の選び方
決済代行にかかる手数料の設定は、決済代行会社によって異なります。初期費用や月額費用がなくコストを抑えたサービスを提供する会社や、費用は生じるもののサービスを手厚く充実させている会社など、それぞれに強みがあります。ここからは、EC事業者さまが決済代行会社を選ぶ際に、是非ご確認いただきたいポイントについてご説明いたします。
自社のビジネスモデルに合っているか確認する
決済代行会社を選ぶ際は、自社のビジネスモデルに合っているかどうかを確認しましょう。
必要な決済手段や機能は、ビジネスモデルによって異なります。BtoCのECサイトや実店舗の場合は、幅広い決済手段を取り扱うことが重要です。BtoBの場合、必要な決済手段はBtoCよりも絞られる一方で、掛売りや与信審査といった機能が求められます。
各社見積りをとって手数料・サービスを比較する
決済代行会社によって手数料は異なります。そのため、EC事業者さまの希望する決済手段や事業内容をしっかりとお伝えいただいた上で各社見積りを作成してもらうようにしましょう。また費用面は比較する上で大きなポイントですが、単に費用が安いというだけで選んでしまうと、想定していた機能やサービスが得られないということもありますので契約前にしっかりとサービス内容を比較・検討されることが重要です。
決済代行会社の料金体系を確認する
料金体系も決済代行会社によって異なるため、決済代行会社を比較する場合には確認が必要です。金額だけでなく、料金体系によるメリットやデメリットも併せて確認しておきましょう。
実績があり、信頼できる決済代行会社かどうかを確認する
決済代行会社を選ぶ際は、導入実績が豊富で、有名企業などへの導入事例があるかどうかを公式サイトなどから確認してみてください。事業者さま向けの資料に記載されている場合もあるため、資料を請求するのもいいでしょう。せっかく導入しても、システムトラブルが頻繁に発生したり、正しく売上が振り込まれなかったりすると、それだけ手間も時間もかかってしまうため、実績が豊富でトラブルが発生するリスクの少ない決済代行会社を選ぶことが重要です。
また、信用できる決済代行会社を利用するためには、セキュリティ面でも万全かどうか確認しましょう。セキュリティについても、公式サイトや資料などで確認できます。常に最新のセキュリティサービスを提供できるよう改善に努めている決済代行会社なら、より安心して売上管理を任せることができます。
対応している決済手段を確認する
どのような決済手段に対応しているのかも、決済代行会社選びでは着目すべきポイントです。運営するECサイトの客層に適した決済手段を用意していなければ、カゴ落ち率やECサイトからの離脱率も増加してしまいます。取り扱っている決済手段は決済代行会社によって異なるため、その決済代行会社が希望の決済手段に対応しているのかどうかを必ず確認しましょう。クレジットカード決済については、対応している国際ブランドが限られるケースもあるため、ブランドの種類も確認します。
また、ECサイトに新しい決済手段を追加する可能性がある場合は、その決済手段にも対応している決済代行会社を選んでおけば、別の決済代行会社と追加で契約したり、利用する会社を切り替えたりする手間を省けます。
決済手段については、以下の記事で詳しく説明しております。
【調査結果】通販サイトで最も利用される決済手段とは?決済手段導入のポイントを解説 | SBペイメントサービス
利用したいECカートシステムに対応しているかどうかを確認する
導入を検討している決済代行会社が、利用したいECカートシステムに対応しているかどうかも確認しましょう。ECカートとはECサイトでユーザーが買い物をするために利用するソフトウェアのことで、商品をカートに入れて購入手続きを行い、決済するまでの注文処理において必要なものです。運営するECサイトのECカートシステムに対応している決済代行会社と契約して、導入する必要があります。
オプションサービスを確認する
決済代行会社の中には、さまざまなオプションサービスを提供している会社があります。会社ごとに無償・有償は異なりますが、下記はオプションサービスの一例となります。
- ・継続課金
- ・クレジットカード洗替サービス
- ・3Dセキュア
- ・早期複数回入金オプション
オプションサービスを利用することで、EC事業者さまの売上増加や業務効率の改善が図れることもありますので、どういったオプションがあるかなども決済代行会社を選ぶ際には比較のポイントとすると良いでしょう。
入金サイクルを確認する
入金サイクルとは、売上が決済代行会社からEC事業者さまに入金されるサイクルのことです。入金サイクルは決済代行会社によって異なりますが、月末締めで翌月末払いといった形が一般的です。月末締めで翌月末払いの場合、商品の売上から入金まで最大で2ヵ月間がかかるため、資金繰りが難しくなります。
決済代行会社によっては、月2回以上の入金が可能なオプションを利用し、入金サイクルを短縮することが可能です。決済代行会社を選ぶ際は、入金サイクルが自社の資金繰りの状況に合っているかどうかもご確認ください。
SBペイメントサービスが選ばれる理由
当社では決済サービス以外にも、EC事業者さまのビジネス拡大をご支援するさまざまなサービスをご提供しております。今回は当社が独自でご提供しているセキュリティサービスについてご紹介いたします。
豊富な実績と万全のセキュリティ体制
SBペイメントサービスは、生活雑貨や食品、チケットなどの物販業界はもちろん、オンラインゲームや会員費の徴収など、多様なEC事業者さまに決済サービスを提供しています。2023年度の取扱高は8兆円と大規模トランザクションを処理しており、豊富な実績のもと安心してご利用いただくことが可能です。
また、国際的セキュリティ基準「PCI DSS」の「完全準拠認定」を取得するなど、常に安心してご利用いただけるよう、万全のセキュリティ体制をご用意しています。
幅広い決済手段に対応
SBペイメントサービスは、お客様のニーズにお応えできるよう、幅広い決済手段に対応しています。ECサイトでは必要不可欠なクレジットカード決済や人気のPayPay決済などの「オンライン決済」をはじめ、店舗や訪問販売などの対面販売でもクレジットカード決済や電子マネー決済、QRコード決済を利用できる「店舗向け決済サービス」もご用意しています。
また、越境ECサイトに必須の国際決済や、月謝や会員費の決済に利用できる継続課金などにも対応しておりますので、ぜひご相談ください。API型の接続方式ではEC事業者さまのサイトに合わせて決済画面を変更することも可能です。
さまざまなECカートシステムに対応
通常、決済代行サービスを導入するには、ECカートシステムに合わせたシステム開発が必要です。しかし、利用したいECカートシステムに対応している決済代行会社と契約すれば、システム開発不要で簡単に導入することができます。
SBペイメントサービスは、さまざまなECカートパッケージと併せてご利用いただける決済代行サービスです。Shopifyやフューチャーショップ、w2ソリューションといった代表的なECカートシステムにも対応しています。
AI不正検知
近年増加している不正使用対策の一環として、当社ではECサイトにおける不正使用を未然に防ぐ「AI不正検知」をご提供いたします。過去の不正パターンを機械学習し、ユーザーがクレジットカード決済を行うタイミングで当該決済の不正利用のリスクをスコアとして算出します。事業者さまは、リアルタイムにスコアを把握することにより、不正な取引の早期発見が可能です。無償でご利用いただけるフリープランに始まり、お客さまのご要望に合わせてカスタマイズできるプランもご用意しております。
AI不正検知
あなたのWebサイトを守る不正対策
決済データを使って手軽に導入
当社では上述にご説明しましたサービスの他にも、EC事業者さまのビジネスをご支援するサービスを豊富にご提供しておりますので、決済導入をご希望のEC事業者さまは是非一度お問い合わせください。
他のオプションはこちらもご参照ください:https://www.sbpayment.jp/service/method/
よくあるご質問
- Q.
- 決済代行にかかる手数料の種類とは?
- A.
- 決済代行にかかる費用は、『初期費用』、『月額費用』、『決済手数料』、『トランザクション費用』などがあります。
- Q.
- 決済代行会社を選ぶポイントは?
- A.
- 決済代行会社を選ぶポイントは、『利用料金』、『取扱決済手段の種類』、『セキュリティ体制』、『システムの安定性と柔軟性』、『サポートの充実性』が自社に合うかを確認することが大切です。
その他のご不明点はFAQ よくあるご質問をご確認ください。