株式会社アーバンリサーチ 事業支援本部 販売促進部 シニアマネージャー 兼 URBAN TUBE編集長 齊藤 悟さま
課題
解決策
効果
リアル店舗での支払い方法や、ECでの決済方法が多様化している。ユーザーにとっては何かと便利な方法も多く、特に最近のECにおいては、若い層を中心にクレジットカードを持っていない、あるいは持っていても使いたくないというユーザーが増える傾向にあるなど、決済方法の選択肢を多様化することは、ECサイトを運営する事業者にはスタンダードになってきている。そうした環境変化の中、現在『キャリア決済』の注目度が高まっている。
全国に270超のリアル店舗を展開する株式会社アーバンリサーチは、ECにも積極的に取り組んでいる。ECの決済方法に『キャリア決済』を導入したのは2017年からだが、そこには、将来のキャッシュレス時代を見越した洞察があった。
株式会社アーバンリサーチ 齊藤氏(以下、アーバンリサーチ 齊藤)
当社では、公式サイトはもちろん、各種のECモールにも出店するなど多面的な展開をしています。EC市場は間違いなく成長市場であり、その伸び率にも魅力を感じていました。モール出店ではなかなか商品での差別化が難しいということもあり、最近では自社サイトに力を入れ、顧客データを分析しながら、リターゲティングなども積極的に展開して事業の拡張に努めています。
また、専用アプリを独自開発して、会員証としても機能するようにしているのですが、これにはオムニチャネル展開を深化させる狙いもあります。さらにはAIを活用したチャットボットを導入して、24時間いつでもユーザーとのコミュニケーションがとれるようにもしています。チャットボットでは、ユーザーとのコミュニケーション内容が記録されるので、そうしたデータを分析して、商品開発やサービス開発、あるいはリアル店舗での接客やカスタマーセンターでの顧客対応などにも活用しています。
ECでの決済方法に『キャリア決済』を導入したのは2年ほど前からです。ECのユーザビリティを高めるために、多様な決済手段を提供するという狙いもありますが、とりわけ、今のスマートフォンの普及を考えると、キャッシュレスの進展とも相まって、『キャリア決済』には大きな可能性があると考えたからです。
わたしは中国出張も多いのですが、いま中国では財布を持ち歩いて現金で買い物をすることは稀で、多くの人がAlipayやWeChat Payなどのキャッシュレス決済をスマホで利用しています。小さな小売店などでも、クレジットカードは使えなくてもWeChat Payなら使えるという環境になっています。そうした状況を目の当たりにすると、日本でも間違いなく、そうしたスマホベースのキャッシュレス時代がまもなく到来すると考えています。日本ではスマホ市場は3大キャリアが大きなシェアを持っていますから、ECサイトでも3キャリアに対応した『キャリア決済』の導入は不可欠だと感じています。
齊藤さまが言うように、日本もキャッシュレス決済が進んでいくことは間違いない。そして、それがスマホを起点にして普及していくことも、まさに齊藤さまの洞察の通りであろう。SBペイメントサービスの小原澤は、2015年のGoogleの動きが、日本のスマホ決済の進展に大きく影響したと言う。
SBペイメントサービス株式会社 小原澤氏(以下、SBPS小原澤)
Googleは、2015年4月にスマホでの閲覧に適していないページの順位を引き下げる仕組みを導入しました。いわゆるモバイルフレンドリーアップデートです。これによって多くのECサイトがレスポンシブWebデザインに移行し、スマホに軸足を移す動きを示しました。実際、今日ではPC経由よりもスマホ経由の売り上げ割合が高くなるEC店舗が増加しています。ここは大きなターニングポイントであったと思います。また、齊藤さまのお話にもあったように、アーバンリサーチさまもアプリを開発・導入していますが、スマホのアプリに特化したベンダーなども登場してきて、アプリの導入コストが低減したことも、追い風になった要因だと考えられます。
そうした環境変化によって、『キャリア決済』が時代にマッチした決済方法として広く普及する土台が固まってきたといえるでしょう。
またECでは、セキュリティー面を心配してクレジットカードを使いたくないというユーザーも多く、代引きの需要がありました。しかし事業者側としては、代引きという方法には長期不在や受け取り拒否などによる返品リスクがつきまとっています。『キャリア決済』には、そうしたリスクを軽減する効果もあり、EC事業者さまに注目されたという背景もあるようです。
『キャリア決済』は、購入手続きが簡単で、スピーディーに買い物ができるというメリットがあります。また何より移動中でもクレジットカードを取り出さずに決済できるので、セキュリティー面でも安心して使えるということも大きなメリットです。ECで買い物をするアクティブ層のほとんどはスマホを持っているといっても過言ではありませんから、他の決済手段と比べても、圧倒的にユーザーボリュームが大きいということが、EC事業者さまにとっては大きなメリットです。
いずれは、『キャリア決済』が決済方法のスタンダードになっていく可能性も大いにあると思っています。
株式会社アーバンリサーチでは、オムニチャネル展開についても余念がない。
アーバンリサーチ 齊藤
当社ではオムニチャネルにも積極的に取り組んでいます。まず前提として、これまでのマーケティングデータを見ると、店舗だけ、もしくはECだけで買い物をされる顧客よりも、店舗とECの両方を利用される顧客のほうが、LTVが約3.8倍も高い傾向にあることがわかりました。ですから、店舗とECの両方を使っていただけるようなサービス向上、利便性向上はとても重要な戦略になると思っています。
たとえば、以前は店舗に来たお客様の目的の商品がなかった場合、他店舗からの取り寄せ対応などを行っていましたが、現在ではその場でEC購入をお勧めしたり、ECの在庫を店舗に取り寄せることもできるようにしています。
SBPS小原澤
アーバンリサーチさまは、かなり先進的なオムニチャネルの取組みをされていますが、当社では決済を起点として、オムニチャネルを促進できるサービスもご用意しています。小売店の中には、量販店のように量感陳列で魅力づけする店舗もありますが、逆に店頭にはショールームのようにサンプル商品を印象的に配置するだけで、販売在庫そのものは置かずに、洗練された店舗空間を演出するお店もあります。そうした店舗でよく利用されているのですが、リアル店舗であっても、決済はオンライン決済で済ませるというソリューションがあります。
コンシェルジュなどの店舗スタッフが接客して、いざ購入ということになると、店舗スタッフがタブレットなどでQRコードを表示し、ユーザーがスマホでQRコードを読み取ることで、当社のオンライン決済の画面に遷移します。そこでお好きな決済方法、たとえば『キャリア決済』などを選択し決済すると、店舗スタッフのタブレットに決済の承認情報が表示され、バックヤードから該当の商品をピックアップしてお客さまにお渡しするというオペレーションが可能になります。
店舗利用のお客さまにオンラインで決済していただくことにより、顧客データを蓄積できますので、その後のアップセル・クロスセルにつなげることもできますし、EC利用を促進するプロモーションなども可能になります。まさに、決済を起点にしたオムニチャネル展開ということができます。
アーバンリサーチ 齊藤
なるほど。そういう仕組みもあるのですね。当社としても、今後は可視化できる会員データを増やしていきたいと考えています。これからの時代は、オンラインでもオフラインでも、スマホが起点になっていくだろうと思っています。そういう意味では、『キャリア決済』もそうですが、生活インフラ化しつつあるスマホをどう活用していくかは大きな課題だと思います。
もちろん、当社のビジネスでは、何よりも商品が重要ですから、まずは魅力ある商品の開発に注力することは最優先ですが、その上で、決済もそうですが、顧客の利便性向上にも取り組んでいきたいと思います。
SBPS小原澤
今後ますます、オンラインとオフラインは融合していくと思います。当社では、以前からリアル店舗の決済端末も展開しています。クレジットカード決済に加えて電子マネーやQRコード決済にも対応したマルチ決済端末もあります。そうしたサービスの幅の広さには自信がありますので、オムニチャネルをさらに進化させたいというご要望に対しても、トータルでのご提案が可能です。ぜひ今後も当社のサービスをご利用いただいて、事業成長のお役に立てていただきたいと思います。
SBペイメントサービス株式会社の決済ソリューションは多様で、店頭での初回購入時に、決済端末でクレジットカード決済し、そのクレジットカード情報をSBペイメントサービス株式会社のオンライン決済システムに登録することで翌月以降はオンラインでサブスクリプションの定期課金処理を行うこともできるという。
リアル店舗でも、ECサイトでも、そしてもちろんオムニチャネル展開においても、決済に関することなら、SBペイメントサービス株式会社に相談してみることをお勧めしたい。
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